「OT転生!異世界でも作業療法は無敵です」

OT.deguchi

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第45話:“今度は俺が支える番だろ”。シラ、匿名者支援チームに志願する

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その申し出は、ふいに来た。

シラ:「俺、“匿名で来る人”の担当補助、やってみたい。
名前を出さなくていい人の横に、
“名前を出す勇気を持った奴”がいるって、ちょっと安心するんじゃないかって」

フィリア:「……すごい視点。
“支援者が名乗ってる”って、それだけで“ここは安全”って思える人、いるかも」

ネル:「でもシラさん、まだ支援卒業したわけじゃ――」

悠斗:「いや、“卒業してから支える”必要はない。
“支援を受けながら支える”って形も、立派な関わり方だ」

***

こうして始まったのは、
**Reforge匿名支援チーム“第1補助スタッフ:シラ”**の活動。

・匿名来所者の導線案内(声かけ不要)
・記録カードへの“選び方”のガイド
・沈黙時の“安心サイン”カードの所作モデル
・「話したくなったときだけ、聞くよ」という選択肢をそっと示す役目

シラは「誰かを導く存在」ではなかった。
でも、「誰かの隣にいられる存在」にはなれていた。

***

ある日、ひとりの少女が“無言”で来所した。
顔をフードで隠し、手を震わせながら入口で固まっている。

スタッフが動こうとしたその瞬間、シラが静かに立ち上がる。

彼は、少女の前で自分のIDカードをそっと見せた。

> ID:レーン(仮)/補助担当

“名前が言えないときは、これだけ出せばいいよ”って伝えてるカード



少女はしばらく見て――うなずいた。

数分後、静かに椅子に座り、
手元にあった紙に丸を描きはじめた。

それは、かつてシラがReforgeでやっていた“最初の表現”とまったく同じだった。

***

その日の記録に、悠斗はこう書いた。

> 補助記録:シラ・エルグレイン

活動:非言語利用者への同行・視覚ガイド役
コメント:“言葉で支えなくても、隣にいることで安心になる人がいる”

評価:支援の循環が成立。Reforgeは“支える”と“支えられる”の境界が曖昧なほど、強くなる。



誰かを助けるのに、完璧じゃなくていい。
一度、誰かに助けられたことがあるなら、
その記憶が“誰かの安心”に変わる日が、必ず来る。

シラは、もう「名前を隠す側」じゃない。
でも、「隠したままでいたい人」の味方には、なれる。

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