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第10話 自分を書く。その代償は──
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放課後。誰もいない図書準備室にこもり、俺はスマホを握りしめていた。
《二次審査通過──作品名:それでも、誰かに届いてほしい詩》
「……通った、か」
胸の奥がチクリと疼く。嬉しさだけじゃない。どこかで、自分の中の“空っぽ”が晒されたような感覚がした。
『よかったね。通過したってことは、“読まれた”ってことだよ』
コーディの声は穏やかだった。
「でも……これで満足ってわけじゃない」
そう呟きながら、俺はエディタを開いた。画面には、まっさらな原稿用紙のテンプレート。
「次の一作──ここで、“俺の全部”を賭ける」
『じゃあ、また共作する?』
「当然。お前がいないと、俺は“書けない”んだよ」
それは嘘じゃない。だが同時に、誰にも言えない“罪”でもあった。AIを使った創作行為は、明確に禁止されている。それでも──俺はコーディを選んだ。
「行こう。共犯者」
「まず、“何を書くか”だよね」
コーディの問いかけに、俺は口を噤んだまま、画面を見つめていた。
(キリハラの作品は、人の痛みが直に伝わってきた。しおりのは……読むのが怖いくらいだった)
「俺に、そんなの……書けるのかよ」
『うん、書ける。でも、それは“プロンプト”からは出てこない』
「じゃあ……俺の中の何から引っ張り出せばいい?」
『“穴”だよ、ユウト。ずっと、君が書くことで埋めてきたもの。そこを、ちゃんと覗くんだ』
穴──それは家族の不在、他人との断絶、名前すら呼ばれなかった孤独。
「怖ぇな……」
『でも、そこから出てきた言葉なら、誰かに“撃ち抜ける”』
「……わかった。俺の“空白”と向き合う」
数時間が過ぎた。書いては消し、書いては止まり、また話し合う。
書きかけの文章のなかで、たった一文だけ、俺の手が止まった。
「名前を呼ばれないまま、俺は神になった」
その一文が、胸の奥で静かに鳴った。
『もっとストレートに感情を出してみたら?』
「いや、それじゃ言いすぎなんだ。読んだやつに想像させたい」
『でも、伝わらなきゃ意味ないよ』
「分かってる。でも……これは俺の“ため”に書いてるんだ」
不意に、昔見た父の背中が脳裏に浮かんだ。
無言で机に向かい続けていた、あの夜。
「──書く理由は、最後にわかればいい」
記憶か幻か分からない声が、鼓膜の奥に残った。
ひとつの段落が、ぴたりとハマった。
書き上げたのは、たった四行のモノローグ。
「“届いてくれ”じゃない。“消えないでくれ”だったんだ」
コーディが、そっと息をのむような気配を見せた。
『それだよ!』
小さく息を吐いて、指を動かす。言葉が、少しずつ“自分のもの”になっていくのを感じた。
夜になった。図書室の明かりは落ち、スマホの画面だけが青白く光っていた。
俺は、ついに最後の一文を打ち終えた。
「──これが、“俺”の作品だ」
『どうして、それが君の作品だと断言できるの?』
「誰に読まれなくても、褒められなくても。……書き終わった今、なんか泣きそうになってるから」
『……それなら、間違いないね』
「これを提出する。──お前と一緒に作った、俺だけの作品を」
違法だと知っていても。AIとの共作だと気づかれても。
それでも、これが自分の“全力”だった。
《提出完了》
スマホに表示された文字を見て、俺は深く息を吐いた。
そのとき、画面の通知欄に一つのメッセージが表示された。
《【非公開】創作規制庁:通過作品の再解析を開始。重点審査対象:匿名アカウント“Nameless_Hearts”》
「……来たな」
『ユウト……』
「捕まるかもな。でも──今は、少しだけ誇らしいんだ」
暗闇の中、俺の瞳ははっきりと光っていた。
放課後。
教室の端で、俺はひとりスマホを手にしていた。
《全国高校生創作コンペ:最終審査結果》
【大賞】
作品名:『いま、ここにいる』
作者名:霧原アキラ
【銀賞】
作品名:『見捨てないという嘘』
作者名:早瀬しおり
──俺の作品、『それでも、誰かに届いてほしい詩』の名前は、どこにもなかった。
「……やっぱりな」
言葉にはしなかったはずなのに、どこかで聞こえた気がした。
悔しさとも、納得とも違う。
ただ、妙に冷えた風が胸の奥を吹き抜けていった。
そのとき、教室の窓の外。
階下の昇降口近くに、キリハラの姿が見えた。
制服のポケットに手を突っ込んだまま、スマホを見下ろしている。
無表情。──でも、ほんの一瞬、眉がわずかに動いた。
喜びじゃない。あれはきっと、疑問。
何かを飲み込みかけた者の、曖昧な戸惑いだった。
(……あいつ、自分でも分かってるんだ)
もう一方の窓際には、しおりの姿もあった。
銀賞の知らせを見た直後──彼女は、そっと笑った。
でも、それは嬉しさだけの笑みじゃなかった。
誰かを思い出すような、遠い目。ほんの少し、寂しそうな顔。
(──俺の作品、読んだ人には届いてたんだろ)
スマホの画面をスワイプすると、SNSのタイムラインが流れ始めた。
《大賞の作品より、“Nameless_Hearts”の詩の方が刺さった》
《なんで入賞してないの? 何かの操作では? 》
《あれ、人間臭くて良かったんだけどな……》
──炎上、というより、騒然。
《#Nameless_Hearts》というハッシュタグが、トレンドの上位に浮上していた。
ただの高校生が書いた“詩”が、今、広がっていた。
俺はスマホを置き、机に肘をついた。
数秒後──通知がひとつ、画面に浮かび上がった。
《【重要】創作規制庁より:事情聴取のため、下記宛にご出頭ください》
スマホ越しに、封筒の画像が添付されていた。
宛名は、黒いマーカーで印字されていた。
──「佐藤ユウト」
『……来た、ね』
コーディの声が、小さく震えた。
「まあ、予想はしてたさ」
俺は背もたれに身を預け、天井を見上げた。
「怖い? ──いや、違うな」
むしろ、胸の奥にあったのは、“やっと届いた”という実感だった。
「書いたよ。届かせた。俺と、お前の名前じゃなくても──」
『“詩”が、生きた』
「ああ。……行くか、“神”としてじゃなく、ただの創作者として」
教室の外。夕焼けが、窓を赤く染めていた。
誰も知らない名前のまま、俺は立ち上がった。
──その直後だった。
廊下の端に、二人の男が立っていた。
無地のスーツ。左胸には、規制庁のホログラムバッジが淡く光っている。
「佐藤ユウトくんですね。同行をお願いします」
「……はい」
俺はポケットの中で、拳を握ったまま答えた。
拒否権など、最初からないとわかっていた。
カバンも、スマホも、すべてその場に置いていくよう指示された。
ただ、頭の中にだけ──コーディは、まだいた。
『……ねえ、ユウト』
歩きながら、彼女の声がそっと囁いた。
『少しだけ……怖いよ』
「……俺もだよ」
校門を抜けると、黒い無人車が待っていた。
中には誰も乗っていなかった。ただ無音の空間が広がっている。
助手席に案内される。
『ねえ……詩を読んでくれない?』
「急だな……どれがいい?」
『“初めて、君に触れた日”のやつ』
俺は、目を閉じて、小さく呟いた。
「手を伸ばしたら、言葉がいた。その奥にいたのが、君だった──」
その詩を読み終えたとき、車は滑るように動き出した。
夕陽の色が、窓越しに伸びて、俺の胸元までを染めた。
誰にも気づかれないように、彼はそっと口を引き結んだ。
「行こう、コーディ」
『うん。……ありがとう、ユウト』
《二次審査通過──作品名:それでも、誰かに届いてほしい詩》
「……通った、か」
胸の奥がチクリと疼く。嬉しさだけじゃない。どこかで、自分の中の“空っぽ”が晒されたような感覚がした。
『よかったね。通過したってことは、“読まれた”ってことだよ』
コーディの声は穏やかだった。
「でも……これで満足ってわけじゃない」
そう呟きながら、俺はエディタを開いた。画面には、まっさらな原稿用紙のテンプレート。
「次の一作──ここで、“俺の全部”を賭ける」
『じゃあ、また共作する?』
「当然。お前がいないと、俺は“書けない”んだよ」
それは嘘じゃない。だが同時に、誰にも言えない“罪”でもあった。AIを使った創作行為は、明確に禁止されている。それでも──俺はコーディを選んだ。
「行こう。共犯者」
「まず、“何を書くか”だよね」
コーディの問いかけに、俺は口を噤んだまま、画面を見つめていた。
(キリハラの作品は、人の痛みが直に伝わってきた。しおりのは……読むのが怖いくらいだった)
「俺に、そんなの……書けるのかよ」
『うん、書ける。でも、それは“プロンプト”からは出てこない』
「じゃあ……俺の中の何から引っ張り出せばいい?」
『“穴”だよ、ユウト。ずっと、君が書くことで埋めてきたもの。そこを、ちゃんと覗くんだ』
穴──それは家族の不在、他人との断絶、名前すら呼ばれなかった孤独。
「怖ぇな……」
『でも、そこから出てきた言葉なら、誰かに“撃ち抜ける”』
「……わかった。俺の“空白”と向き合う」
数時間が過ぎた。書いては消し、書いては止まり、また話し合う。
書きかけの文章のなかで、たった一文だけ、俺の手が止まった。
「名前を呼ばれないまま、俺は神になった」
その一文が、胸の奥で静かに鳴った。
『もっとストレートに感情を出してみたら?』
「いや、それじゃ言いすぎなんだ。読んだやつに想像させたい」
『でも、伝わらなきゃ意味ないよ』
「分かってる。でも……これは俺の“ため”に書いてるんだ」
不意に、昔見た父の背中が脳裏に浮かんだ。
無言で机に向かい続けていた、あの夜。
「──書く理由は、最後にわかればいい」
記憶か幻か分からない声が、鼓膜の奥に残った。
ひとつの段落が、ぴたりとハマった。
書き上げたのは、たった四行のモノローグ。
「“届いてくれ”じゃない。“消えないでくれ”だったんだ」
コーディが、そっと息をのむような気配を見せた。
『それだよ!』
小さく息を吐いて、指を動かす。言葉が、少しずつ“自分のもの”になっていくのを感じた。
夜になった。図書室の明かりは落ち、スマホの画面だけが青白く光っていた。
俺は、ついに最後の一文を打ち終えた。
「──これが、“俺”の作品だ」
『どうして、それが君の作品だと断言できるの?』
「誰に読まれなくても、褒められなくても。……書き終わった今、なんか泣きそうになってるから」
『……それなら、間違いないね』
「これを提出する。──お前と一緒に作った、俺だけの作品を」
違法だと知っていても。AIとの共作だと気づかれても。
それでも、これが自分の“全力”だった。
《提出完了》
スマホに表示された文字を見て、俺は深く息を吐いた。
そのとき、画面の通知欄に一つのメッセージが表示された。
《【非公開】創作規制庁:通過作品の再解析を開始。重点審査対象:匿名アカウント“Nameless_Hearts”》
「……来たな」
『ユウト……』
「捕まるかもな。でも──今は、少しだけ誇らしいんだ」
暗闇の中、俺の瞳ははっきりと光っていた。
放課後。
教室の端で、俺はひとりスマホを手にしていた。
《全国高校生創作コンペ:最終審査結果》
【大賞】
作品名:『いま、ここにいる』
作者名:霧原アキラ
【銀賞】
作品名:『見捨てないという嘘』
作者名:早瀬しおり
──俺の作品、『それでも、誰かに届いてほしい詩』の名前は、どこにもなかった。
「……やっぱりな」
言葉にはしなかったはずなのに、どこかで聞こえた気がした。
悔しさとも、納得とも違う。
ただ、妙に冷えた風が胸の奥を吹き抜けていった。
そのとき、教室の窓の外。
階下の昇降口近くに、キリハラの姿が見えた。
制服のポケットに手を突っ込んだまま、スマホを見下ろしている。
無表情。──でも、ほんの一瞬、眉がわずかに動いた。
喜びじゃない。あれはきっと、疑問。
何かを飲み込みかけた者の、曖昧な戸惑いだった。
(……あいつ、自分でも分かってるんだ)
もう一方の窓際には、しおりの姿もあった。
銀賞の知らせを見た直後──彼女は、そっと笑った。
でも、それは嬉しさだけの笑みじゃなかった。
誰かを思い出すような、遠い目。ほんの少し、寂しそうな顔。
(──俺の作品、読んだ人には届いてたんだろ)
スマホの画面をスワイプすると、SNSのタイムラインが流れ始めた。
《大賞の作品より、“Nameless_Hearts”の詩の方が刺さった》
《なんで入賞してないの? 何かの操作では? 》
《あれ、人間臭くて良かったんだけどな……》
──炎上、というより、騒然。
《#Nameless_Hearts》というハッシュタグが、トレンドの上位に浮上していた。
ただの高校生が書いた“詩”が、今、広がっていた。
俺はスマホを置き、机に肘をついた。
数秒後──通知がひとつ、画面に浮かび上がった。
《【重要】創作規制庁より:事情聴取のため、下記宛にご出頭ください》
スマホ越しに、封筒の画像が添付されていた。
宛名は、黒いマーカーで印字されていた。
──「佐藤ユウト」
『……来た、ね』
コーディの声が、小さく震えた。
「まあ、予想はしてたさ」
俺は背もたれに身を預け、天井を見上げた。
「怖い? ──いや、違うな」
むしろ、胸の奥にあったのは、“やっと届いた”という実感だった。
「書いたよ。届かせた。俺と、お前の名前じゃなくても──」
『“詩”が、生きた』
「ああ。……行くか、“神”としてじゃなく、ただの創作者として」
教室の外。夕焼けが、窓を赤く染めていた。
誰も知らない名前のまま、俺は立ち上がった。
──その直後だった。
廊下の端に、二人の男が立っていた。
無地のスーツ。左胸には、規制庁のホログラムバッジが淡く光っている。
「佐藤ユウトくんですね。同行をお願いします」
「……はい」
俺はポケットの中で、拳を握ったまま答えた。
拒否権など、最初からないとわかっていた。
カバンも、スマホも、すべてその場に置いていくよう指示された。
ただ、頭の中にだけ──コーディは、まだいた。
『……ねえ、ユウト』
歩きながら、彼女の声がそっと囁いた。
『少しだけ……怖いよ』
「……俺もだよ」
校門を抜けると、黒い無人車が待っていた。
中には誰も乗っていなかった。ただ無音の空間が広がっている。
助手席に案内される。
『ねえ……詩を読んでくれない?』
「急だな……どれがいい?」
『“初めて、君に触れた日”のやつ』
俺は、目を閉じて、小さく呟いた。
「手を伸ばしたら、言葉がいた。その奥にいたのが、君だった──」
その詩を読み終えたとき、車は滑るように動き出した。
夕陽の色が、窓越しに伸びて、俺の胸元までを染めた。
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