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#032 変身!七座晴人七変化♡
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僕のアイドル体験入所から、数日が過ぎた。
結局、僕は一日だけという約束を反故にされ、杏那さんと共に、新人アイドルユニット『アステリズム』として、デビュー曲のMV撮影に臨むことになっていた。もちろん、僕が男であることは、黒岩プロデューサーとごく一部のスタッフだけの秘密だ。
「さあ、二人とも!まずはメインの衣装からよ!」
撮影スタジオに用意された、ずらりと並ぶハンガーラック。これから、僕はこの女物の衣装たちに、袖を通さなければならないのだ。
最初に僕が袖を通したのは、アイドルと聞いて誰もが思い浮かべるであろう、王道の衣装だった。
ピンクと白のチェック柄が可愛らしい、幾重にもフリルが重なったミニスカート。胸元には大きなリボンが飾られ、頭にはお揃いのカチューシャ。足元は、白いレースのニーハイソックスに、ストラップ付きのパンプス。
「う、うわぁ……」
姿見に映る自分を見て、僕は改めて引きつった笑みを浮かべた。どこからどう見ても、完璧な可愛いアイドルだ。華奢な手足、引き締まったウエスト、そして、何より、この美少女の顔。全てが、この衣装に驚くほどマッチしてしまっている。
「まあ! なんて可愛らしいのかしら、晴人さん!」
隣で、同じく色違いの青いアイドル衣装に着替えた杏那さんが、目を輝かせながら僕に駆け寄ってきた。彼女はさすがと言うべきか、完璧に着こなしている。
「その恥じらっている表情……最高ですわ。今日の撮影、ますます楽しみになってきましたわね」
「からかわないでくださいよ……!」
ご満悦な杏那さんとは対照的に、僕の顔はリンゴのように真っ赤になっていた。
そんな僕たちの様子を、スタジオの隅で見学していた美王先生が、満足げにメモを取っている。
「ふむふむ……ピンクもなかなかどうして、破壊力があるわねぇ。次の戦闘服のアイデアに使えそうだわ♡」
……今のは聞かなかったことにしよう。さて、次に用意されたのは、月夜の古城をイメージしたセットでの撮影。衣装は、僕たちのために特別にデザインされたという、ペアのゴシックドレスだった。
黒と深紅を基調とした、レースとフリルが豪華にあしらわれたドレス。僕は、杏那さんよりも少しだけ装飾がシンプルな、王子様役のようなデザインだったが、それでも十分に華やかだ。
杏那さんが巨大なドリルツインテールを揺らし、僕が腰まである黒髪をなびかせる。二人が並んでポーズを取ると、まるで双子の吸血鬼の姫君のようだった。
鏡に映る自分たちの姿に、杏那さんがうっとりと呟く。
「まるで、物語の登場人物になったようですわね、晴人さん」
「……杏那さんは、綺麗ですよ。すごく」
僕の素直な感想に、彼女は一瞬だけ驚いたように目を見開くと、嬉しそうに微笑んだ。
場面は変わり、今度は和風ロックな曲調に合わせた、神社のセット。
僕が着せられたのは、伝統的な巫女服を、アイドルらしく大胆にアレンジした衣装だった。緋色の袴は膝上丈のミニスカートになり、白い上衣の袖は大きく広がっている。
「うぅ……足が、スースーする……」
慣れないミニスカート丈に、僕はそわそわと落ち着かない。だが、その姿が逆に初々しいと、カメラマンさんには大好評だった。
特に、撮影で使ったキツネのお面を少しずらし、はにかみながらこちらを見上げるカットを撮った時には、スタジオのあちこちから「可愛い……」という、ため息のような声が漏れていた。
最後は、木漏れ日が差し込む、幻想的な森のセットでの撮影だった。
僕が纏ったのは、透けるような薄い生地で作られた、シンプルな白いロングワンピース。風が吹くたびに、柔らかな布がふわりと舞い、僕の身体のラインを曖昧に映し出す。頭に被った花冠も相まって、その姿は、まるで物語に出てくる森の妖精のようだった。
カメラの前に立ち、言われるがままに目を伏せ、祈るようなポーズを取る。
その瞬間、スタジオ全体が、シンと静まり返った。誰もが、その神秘的なまでの美しさに、息を呑んでいた。
「……ハルくん、本当に、綺麗ねぇ」
美王先生の、珍しく素直な賞賛の声が、僕の耳に届いた。
こうして、怒涛の衣装チェンジと撮影は、なんとか終わりを告げた。
「――よし! これで撮影は全て終了だ! あとは、リハーサル室で、ステージでのダンスパフォーマンスの最終確認を行う!」
黒岩プロデューサーの号令一下、僕たちは、MV撮影の総仕上げとなる、リハーサルへと向かう。
メインのピンクのアイドル衣装に再び着替え、ステージを模したリハーサル室へと足を踏み入れた僕たち。そこには、完璧にセッティングされた照明や音響機材が、僕たちを待ち構えていた。
怒涛のMV撮影を終え、僕の精神が燃え尽きる寸前だった、その日の夕方。
「――素晴らしい! 実に素晴らしいよ」
黒岩プロデューサーは、撮影したばかりの映像が映るモニターの前で、興奮冷めやらぬ様子で僕たちに告げた。
「このクオリティなら、間違いなく世間は君たちに釘付けになる! そこでだ! 即興だが、大型ショッピングモールで、君たちのデビューイベントを開催することに決めた!」
「で、でびゅーいべんと!?」
「一日限りですが、特設ステージを用意します。そこで、君たちのデビュー曲を、生で披露してもらうのさ!」
聞いてない! 話が違う!
僕がパニックに陥っていると、隣にいた杏那さんが、冷静に、しかし的確な指摘を入れた。
「黒岩さん。MVは編集でどうにでもなりますが、私たちは、まだ人前でパフォーマンスができるレベルにはありませんわ。特に、こちらの晴人さんは」
「うっ……」
否定できない事実を突きつけられ、僕は言葉に詰まる。
「もちろん、分かっているとも!」
黒岩さんは、自信満々に胸を叩いた。
「そこで、君たち二人のお目付け役として、うちのトップアイドル、『夜月原ルナ』ちゃんにも、サポートとしてユニットに参加してもらうことにした! これで万事解決だろう!」
その瞬間、スタジオの隅で腕を組んでいたルナさんの、氷のような視線が僕たちを貫いた。
「……はぁ!? 私が、こいつらの子守りをしろって言うんですか!?」
「これは業務命令だ、ルナちゃん! 君のカリスマ性で、この二人を導いてやってくれたまえ!」
こうして、僕と杏那さん、そしてトップアイドルの夜月原ルナさんという、あまりにも異色な三人によるアイドルユニット「アステリズム」が、半ば強制的に結成されることになったのだ。
そして僕たちはレッスンスタジオに缶詰にされ、歌とダンスの練習に明け暮れた。
「晴人さん、そこ! ターンが半回転遅れていますわ!」
「は、はいぃ!」
杏那さんは、持ち前の完璧さで、僕の間違いを優しく、しかし的確に指導してくれる。だが、僕の身体は、なかなかついてこない。
だけど、ここで諦めるわけにはいかない。杏那さんのためにも、そして、何より、こんな形で始まったアイドル活動を、中途半端に終わらせたくなかったから。
僕は一人、スタジオに残って自主練習を続けていた。何度も転び、汗だくになりながら、必死にステップを繰り返す。
そんな僕の姿を、スタジオの扉の隙間から、ルナさんがじっと見つめていることに、僕は気づいていなかった。
どうしても上手くいかないダンスの振り付けに、僕が頭を抱えていると、
「……ちょっといい」
不意に、背後から声をかけられた。振り返ると、そこには、呆れたような顔をしたルナさんが立っていた。
「そこのステップは、もっと腰から入るイメージで動くの。こう……」
彼女は、僕の手を取り、驚くほど丁寧に、正しい動きを教えてくれた。その横顔は、いつもより少しだけ、優しく見えた。
「ルナさん……ありがとう」
僕が素直にお礼を言うと、彼女は「お目付け役として、当然のことをしたまでよ」と冷静に言い放つ。
その、僕たちのやり取りを、少し離れた場所から見ていた杏那さんが、絶対零度の、完璧な笑みを浮かべていた。
「あらあら……晴人さん。いつの間に、ルナさんと、そんなに親密になられましたの?」
「い、いや、これは、その……!」
僕の、アイドルとしての受難は、ステージの外でも、絶え間なく続いていた。
そして、その日はやってくる。
結局、僕は一日だけという約束を反故にされ、杏那さんと共に、新人アイドルユニット『アステリズム』として、デビュー曲のMV撮影に臨むことになっていた。もちろん、僕が男であることは、黒岩プロデューサーとごく一部のスタッフだけの秘密だ。
「さあ、二人とも!まずはメインの衣装からよ!」
撮影スタジオに用意された、ずらりと並ぶハンガーラック。これから、僕はこの女物の衣装たちに、袖を通さなければならないのだ。
最初に僕が袖を通したのは、アイドルと聞いて誰もが思い浮かべるであろう、王道の衣装だった。
ピンクと白のチェック柄が可愛らしい、幾重にもフリルが重なったミニスカート。胸元には大きなリボンが飾られ、頭にはお揃いのカチューシャ。足元は、白いレースのニーハイソックスに、ストラップ付きのパンプス。
「う、うわぁ……」
姿見に映る自分を見て、僕は改めて引きつった笑みを浮かべた。どこからどう見ても、完璧な可愛いアイドルだ。華奢な手足、引き締まったウエスト、そして、何より、この美少女の顔。全てが、この衣装に驚くほどマッチしてしまっている。
「まあ! なんて可愛らしいのかしら、晴人さん!」
隣で、同じく色違いの青いアイドル衣装に着替えた杏那さんが、目を輝かせながら僕に駆け寄ってきた。彼女はさすがと言うべきか、完璧に着こなしている。
「その恥じらっている表情……最高ですわ。今日の撮影、ますます楽しみになってきましたわね」
「からかわないでくださいよ……!」
ご満悦な杏那さんとは対照的に、僕の顔はリンゴのように真っ赤になっていた。
そんな僕たちの様子を、スタジオの隅で見学していた美王先生が、満足げにメモを取っている。
「ふむふむ……ピンクもなかなかどうして、破壊力があるわねぇ。次の戦闘服のアイデアに使えそうだわ♡」
……今のは聞かなかったことにしよう。さて、次に用意されたのは、月夜の古城をイメージしたセットでの撮影。衣装は、僕たちのために特別にデザインされたという、ペアのゴシックドレスだった。
黒と深紅を基調とした、レースとフリルが豪華にあしらわれたドレス。僕は、杏那さんよりも少しだけ装飾がシンプルな、王子様役のようなデザインだったが、それでも十分に華やかだ。
杏那さんが巨大なドリルツインテールを揺らし、僕が腰まである黒髪をなびかせる。二人が並んでポーズを取ると、まるで双子の吸血鬼の姫君のようだった。
鏡に映る自分たちの姿に、杏那さんがうっとりと呟く。
「まるで、物語の登場人物になったようですわね、晴人さん」
「……杏那さんは、綺麗ですよ。すごく」
僕の素直な感想に、彼女は一瞬だけ驚いたように目を見開くと、嬉しそうに微笑んだ。
場面は変わり、今度は和風ロックな曲調に合わせた、神社のセット。
僕が着せられたのは、伝統的な巫女服を、アイドルらしく大胆にアレンジした衣装だった。緋色の袴は膝上丈のミニスカートになり、白い上衣の袖は大きく広がっている。
「うぅ……足が、スースーする……」
慣れないミニスカート丈に、僕はそわそわと落ち着かない。だが、その姿が逆に初々しいと、カメラマンさんには大好評だった。
特に、撮影で使ったキツネのお面を少しずらし、はにかみながらこちらを見上げるカットを撮った時には、スタジオのあちこちから「可愛い……」という、ため息のような声が漏れていた。
最後は、木漏れ日が差し込む、幻想的な森のセットでの撮影だった。
僕が纏ったのは、透けるような薄い生地で作られた、シンプルな白いロングワンピース。風が吹くたびに、柔らかな布がふわりと舞い、僕の身体のラインを曖昧に映し出す。頭に被った花冠も相まって、その姿は、まるで物語に出てくる森の妖精のようだった。
カメラの前に立ち、言われるがままに目を伏せ、祈るようなポーズを取る。
その瞬間、スタジオ全体が、シンと静まり返った。誰もが、その神秘的なまでの美しさに、息を呑んでいた。
「……ハルくん、本当に、綺麗ねぇ」
美王先生の、珍しく素直な賞賛の声が、僕の耳に届いた。
こうして、怒涛の衣装チェンジと撮影は、なんとか終わりを告げた。
「――よし! これで撮影は全て終了だ! あとは、リハーサル室で、ステージでのダンスパフォーマンスの最終確認を行う!」
黒岩プロデューサーの号令一下、僕たちは、MV撮影の総仕上げとなる、リハーサルへと向かう。
メインのピンクのアイドル衣装に再び着替え、ステージを模したリハーサル室へと足を踏み入れた僕たち。そこには、完璧にセッティングされた照明や音響機材が、僕たちを待ち構えていた。
怒涛のMV撮影を終え、僕の精神が燃え尽きる寸前だった、その日の夕方。
「――素晴らしい! 実に素晴らしいよ」
黒岩プロデューサーは、撮影したばかりの映像が映るモニターの前で、興奮冷めやらぬ様子で僕たちに告げた。
「このクオリティなら、間違いなく世間は君たちに釘付けになる! そこでだ! 即興だが、大型ショッピングモールで、君たちのデビューイベントを開催することに決めた!」
「で、でびゅーいべんと!?」
「一日限りですが、特設ステージを用意します。そこで、君たちのデビュー曲を、生で披露してもらうのさ!」
聞いてない! 話が違う!
僕がパニックに陥っていると、隣にいた杏那さんが、冷静に、しかし的確な指摘を入れた。
「黒岩さん。MVは編集でどうにでもなりますが、私たちは、まだ人前でパフォーマンスができるレベルにはありませんわ。特に、こちらの晴人さんは」
「うっ……」
否定できない事実を突きつけられ、僕は言葉に詰まる。
「もちろん、分かっているとも!」
黒岩さんは、自信満々に胸を叩いた。
「そこで、君たち二人のお目付け役として、うちのトップアイドル、『夜月原ルナ』ちゃんにも、サポートとしてユニットに参加してもらうことにした! これで万事解決だろう!」
その瞬間、スタジオの隅で腕を組んでいたルナさんの、氷のような視線が僕たちを貫いた。
「……はぁ!? 私が、こいつらの子守りをしろって言うんですか!?」
「これは業務命令だ、ルナちゃん! 君のカリスマ性で、この二人を導いてやってくれたまえ!」
こうして、僕と杏那さん、そしてトップアイドルの夜月原ルナさんという、あまりにも異色な三人によるアイドルユニット「アステリズム」が、半ば強制的に結成されることになったのだ。
そして僕たちはレッスンスタジオに缶詰にされ、歌とダンスの練習に明け暮れた。
「晴人さん、そこ! ターンが半回転遅れていますわ!」
「は、はいぃ!」
杏那さんは、持ち前の完璧さで、僕の間違いを優しく、しかし的確に指導してくれる。だが、僕の身体は、なかなかついてこない。
だけど、ここで諦めるわけにはいかない。杏那さんのためにも、そして、何より、こんな形で始まったアイドル活動を、中途半端に終わらせたくなかったから。
僕は一人、スタジオに残って自主練習を続けていた。何度も転び、汗だくになりながら、必死にステップを繰り返す。
そんな僕の姿を、スタジオの扉の隙間から、ルナさんがじっと見つめていることに、僕は気づいていなかった。
どうしても上手くいかないダンスの振り付けに、僕が頭を抱えていると、
「……ちょっといい」
不意に、背後から声をかけられた。振り返ると、そこには、呆れたような顔をしたルナさんが立っていた。
「そこのステップは、もっと腰から入るイメージで動くの。こう……」
彼女は、僕の手を取り、驚くほど丁寧に、正しい動きを教えてくれた。その横顔は、いつもより少しだけ、優しく見えた。
「ルナさん……ありがとう」
僕が素直にお礼を言うと、彼女は「お目付け役として、当然のことをしたまでよ」と冷静に言い放つ。
その、僕たちのやり取りを、少し離れた場所から見ていた杏那さんが、絶対零度の、完璧な笑みを浮かべていた。
「あらあら……晴人さん。いつの間に、ルナさんと、そんなに親密になられましたの?」
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