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#033 定性的と定量的
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僕たちが鳴海家を連れて東京へと戻り、一週間が経過した。
鳴海松二は、東都工業大学の地下研究施設へと、緊張と期待が入り混じった表情で毎日通勤し、早速その温厚な人柄と確かな知識で、紫京院教授の研究室のスタッフたちと良好な関係を築き始めていた。母親の春美も、慣れない都会の生活に戸惑いながらも、娘のためにと、気丈に日々をこなしている。
問題は、当の鳴海潤葉だった。
アンファングチームが用意した、セキュリティレベルの極めて高いマンションの一室。そこが、彼女の新しい世界の全てだった。窓から見える、コンクリートとガラスでできた灰色の森。絶え間なく聞こえてくる、無数の人々の、意味を持たない思考のノイズ。その全てが、彼女の繊細すぎる心を苛み、部屋から一歩も出られないという、見えない檻に閉じ込めていた。
いきなり学校へ通わせるよりは、と考えたフリースクールへの通学も、まだ見通しが立っていない。このままでは、せっかく東京へ来た意味がない。何より、潤葉の心が、再び孤独に閉ざされてしまう。
「……というわけで、今週末、潤葉ちゃんを連れて、お出かけをしようと思います!」
平日の夕方。プロジェクトの定例ブリーフィングが終わった後、美生奈さんは、残っていた僕に向かって、高らかにそう宣言した。その手には、都内の有名スポットが満載された観光ガイドブックが握られている。
「……なぜ、僕にそれを言うんですか」
潤葉が自分に全く懐いていないどころか、むしろ怯えていることは、僕自身が誰よりもよく分かっている。
「彼女はあなたにさえ懐いていればそれで十分でしょう。僕が同行する合理的な理由が見当たらない」
「大ありですよ」と、美生奈さんは少しも怯まない。彼女はガイドブックを閉じると、悪戯っぽく笑いながら、目の前にずいっと顔を近づけた。
「まず、セキュリティ上の問題です。私たち女の子二人で歩いてて、また前みたいに、不良にでも絡まれたらどうするんですか? 潤葉ちゃんに、怖い思いはさせられません」
「……その時は、僕よりもあなたの戦闘力の方が、よほど頼りになると思いますが」
かつて腕相撲で負けたりしたときのことを含めて、皮肉を込めて返す。だが、美生奈さんは柳に風と受け流した。
「それに、荷物持ちをしてくれる男の人だっていりますし。あれから数ヶ月、蟹江教授の地獄のトレーニングのおかげで、物部君も見違えるほど鍛えられてるんですから。今こそ、その成果を活かす時ですよ!」
「……僕の体力は、荷物持ちのためにあるんじゃない」
「それから、それから!」
美生奈さんは反論を遮ると、最後に、とっておきの切り札を切った。
「潤葉ちゃんが、そう望んでいるんです」
「……は?」
予想外の言葉だった。その時、ブリーフィングルームの入り口から、小さな影が、おずおずと顔を覗かせた。潤葉だった。母親に連れられて、父親の職場見学に来ていたらしい。
彼女は、美生奈さんの後ろに半分隠れるようにしながら、もじもじと、小さな声で言った。
「……愛都、さんは……美生奈お姉ちゃんに比べると、まだ、ちょっとだけ怖いけど……」
潤葉は、そこで一度言葉を切ると、勇気を振り絞るように、愛都の目をまっすぐに見つめた。
「……でも、悪い人じゃないのは、分かった、から。私も……もっと、愛都さんのこと、知りたい……な」
その、あまりに健気な言葉。自分に向けられる、純粋な好意と好奇心。それはこれまでの人生で、ほとんど経験したことのない感情の奔流だった。
「…………仕方が、ありませんね」
数秒間の沈黙の後、観念したように、大きなため息をついた。その横で、美生奈さんと潤葉が、顔を見合わせて、嬉しそうに微笑んでいた。
週末、三人で向かったのは、新宿御苑だった。
都心の喧騒が嘘のような、広大な緑の楽園。そこは、潤葉が抱いていた都会のイメージとは、全くかけ離れた場所だった。
「すごい…東京にも、こんなに木がたくさんあるんだ…」
入り口のゲートをくぐった瞬間から、潤葉の表情は、ぱっと明るくなった。マンションの部屋で塞ぎ込んでいたのが、まるで嘘のようだ。彼女は、車が行き交う音や、人々の雑多な思考のノイズから解放され、木々のざわめき、鳥のさえずり、風の匂いといった、心地よい声に、全身を浸していた。
最初は、まだ美生奈さんの後ろに隠れるようにして歩いていた潤葉だったが、美しく手入れされた日本庭園の松の木々や、色鮮やかな花壇の花々と対話を始めるうちに、少しずつ、その足取りは軽くなっていった。
「美生奈お姉ちゃん、あのお花の木、なんだかすごく喜んでるよ。『お日様の光が気持ちいい』って!」
「ふふ、あれはね、ハナミズキっていうの。春に、綺麗な花をたくさん咲かせてくれるんだよ」
美生奈さんは、植物に関する豊富な知識を交えながら、潤葉の言葉に、優しく相槌を打つ。その光景は、まるで本当の姉妹のようで、微笑ましい。
一方、その数歩後ろを歩く僕は、完全に手持ち無沙汰だった。二人の会話に加わることもできず、かといって、興味のない植物を眺めても、心は少しも動かない。ただ、美生奈さんから押し付けられた、女の子二人分の荷物を両手にぶら下げて、黙々とその後をついていくだけだった。
(……やはり、僕が来たのは間違いだった)
何度目かのため息をついた、その時だった。
「さあ、着きました! 今日のメインイベントです!」
美生奈さんが、弾むような声で指さした先に、太陽の光を反射して銀色に輝く、巨大なガラスのドームが見えた。大温室。今日の、そして、このお出かけの、本当の目的地。
一歩、その中に足を踏み入れると、むわりとした、湿度の高い空気が包み込んだ。そこは、外の日本の気候とは全く違う、亜熱帯のジャングルが、丸ごと再現されたかのような、異世界だった。見たこともないような巨大な葉を持つシダ植物、人の背丈ほどもあるサボテン、そして、滝のように蘭の花が咲き乱れる様は、圧巻の一言だった。
「うわぁ……!」
潤葉は、その幻想的な光景に、完全に心を奪われていた。彼女は、生まれて初めて見る熱帯の植物たちの、力強く、エキゾチックな声に、夢中になって耳を傾けている。
僕もさすがにこの非日常的な空間には、わずかながら興味を引かれた。巨大なヤシの木を見上げながら、その完璧に管理された環境を、分析するかのように観察していた。
「……見事なものですね。温度、湿度、そして光量。全てが、ここにいる植物の種類に合わせて、最適化されている」
その独り言のような呟きに、潤葉がぴくりと反応した。彼女は、僕の方を振り返ると、不思議そうな顔で、首を傾げた。
「お兄ちゃんも、この子たちの声が、聞こえるの?」
「声?……声じゃない。法則ですよ」
ぶっきらぼうにそう言うと、温室のガラス張りの天井を指さした。
「例えば、あのガラス。あれは、ただのガラスじゃないんですよ。人間の目には見えないですが、植物の光合成に有害な特定の波長の紫外線だけをカットし、逆に、成長を促進する赤色光や青色光は、より多く透過させるように設計された、特殊な光学フィルターガラスです。ドームのあの滑らかな曲線も、デザイン性だけじゃない。内部の暖められた空気が、自然な対流を起こし、全ての植物に均等に行き渡るように計算され尽くした、完璧な物理モデルなんですよ」
それは、いつもの僕のやり口だった。物理法則と数式に基づいた、無味乾燥な解説。だが潤葉は、その言葉を、目を輝かせながら聞いていた。
「……そっか。だから、この子たち、こんなに元気なんだね」
潤葉が、納得したように呟いた。僕はただ、自分の専門知識をひけらかしただけだ。子供に理解できるとは思っていなかった。だが、目の前の少女は、僕の言葉の本質を、確かに受け止めていた。そんな風に見えた。
二人の間に、それまであった、見えない壁が、少しだけ、溶けたような気がした。
温室を出て、広大な芝生の上で、美生奈が用意してくれたお弁当を広げる。心のこもったサンドイッチや唐揚げを頬張りながら、三人は、穏やかな時間を過ごした。
帰り道。駅へと向かう並木道で、潤葉は、それまでずっと繋いでいた美生奈さんの手を、そっと離した。そして、おずおずと、数歩前を歩く僕の元へと、駆け寄った。背後から近づいてくる小さな気配に気づき、いぶかしげに振り返る。
すると、潤葉は、照れたように俯きながら、僕の着ていたパーカーの裾を、小さな指で、きゅっと掴んだ。
「……お兄ちゃんの話、また、聞きたい……な」
その予期せぬ行動と、か細い、しかし確かな信頼を宿した言葉。心臓が、トクン、と、非合理的な音を立てる。どう反応していいか分からず、ただ、戸惑いながら、その小さな手を、振り払うこともできずに、立ち尽くすしかなかった。
その、不器用な二人の姿を、少し後ろから見ていた美生奈さんは、まるで自分のことのように、嬉しそうに、そして、優しく微笑んでいた。
潤葉の、東京での第一歩。それは、まだ、ほんの小さな一歩かもしれない。
鳴海松二は、東都工業大学の地下研究施設へと、緊張と期待が入り混じった表情で毎日通勤し、早速その温厚な人柄と確かな知識で、紫京院教授の研究室のスタッフたちと良好な関係を築き始めていた。母親の春美も、慣れない都会の生活に戸惑いながらも、娘のためにと、気丈に日々をこなしている。
問題は、当の鳴海潤葉だった。
アンファングチームが用意した、セキュリティレベルの極めて高いマンションの一室。そこが、彼女の新しい世界の全てだった。窓から見える、コンクリートとガラスでできた灰色の森。絶え間なく聞こえてくる、無数の人々の、意味を持たない思考のノイズ。その全てが、彼女の繊細すぎる心を苛み、部屋から一歩も出られないという、見えない檻に閉じ込めていた。
いきなり学校へ通わせるよりは、と考えたフリースクールへの通学も、まだ見通しが立っていない。このままでは、せっかく東京へ来た意味がない。何より、潤葉の心が、再び孤独に閉ざされてしまう。
「……というわけで、今週末、潤葉ちゃんを連れて、お出かけをしようと思います!」
平日の夕方。プロジェクトの定例ブリーフィングが終わった後、美生奈さんは、残っていた僕に向かって、高らかにそう宣言した。その手には、都内の有名スポットが満載された観光ガイドブックが握られている。
「……なぜ、僕にそれを言うんですか」
潤葉が自分に全く懐いていないどころか、むしろ怯えていることは、僕自身が誰よりもよく分かっている。
「彼女はあなたにさえ懐いていればそれで十分でしょう。僕が同行する合理的な理由が見当たらない」
「大ありですよ」と、美生奈さんは少しも怯まない。彼女はガイドブックを閉じると、悪戯っぽく笑いながら、目の前にずいっと顔を近づけた。
「まず、セキュリティ上の問題です。私たち女の子二人で歩いてて、また前みたいに、不良にでも絡まれたらどうするんですか? 潤葉ちゃんに、怖い思いはさせられません」
「……その時は、僕よりもあなたの戦闘力の方が、よほど頼りになると思いますが」
かつて腕相撲で負けたりしたときのことを含めて、皮肉を込めて返す。だが、美生奈さんは柳に風と受け流した。
「それに、荷物持ちをしてくれる男の人だっていりますし。あれから数ヶ月、蟹江教授の地獄のトレーニングのおかげで、物部君も見違えるほど鍛えられてるんですから。今こそ、その成果を活かす時ですよ!」
「……僕の体力は、荷物持ちのためにあるんじゃない」
「それから、それから!」
美生奈さんは反論を遮ると、最後に、とっておきの切り札を切った。
「潤葉ちゃんが、そう望んでいるんです」
「……は?」
予想外の言葉だった。その時、ブリーフィングルームの入り口から、小さな影が、おずおずと顔を覗かせた。潤葉だった。母親に連れられて、父親の職場見学に来ていたらしい。
彼女は、美生奈さんの後ろに半分隠れるようにしながら、もじもじと、小さな声で言った。
「……愛都、さんは……美生奈お姉ちゃんに比べると、まだ、ちょっとだけ怖いけど……」
潤葉は、そこで一度言葉を切ると、勇気を振り絞るように、愛都の目をまっすぐに見つめた。
「……でも、悪い人じゃないのは、分かった、から。私も……もっと、愛都さんのこと、知りたい……な」
その、あまりに健気な言葉。自分に向けられる、純粋な好意と好奇心。それはこれまでの人生で、ほとんど経験したことのない感情の奔流だった。
「…………仕方が、ありませんね」
数秒間の沈黙の後、観念したように、大きなため息をついた。その横で、美生奈さんと潤葉が、顔を見合わせて、嬉しそうに微笑んでいた。
週末、三人で向かったのは、新宿御苑だった。
都心の喧騒が嘘のような、広大な緑の楽園。そこは、潤葉が抱いていた都会のイメージとは、全くかけ離れた場所だった。
「すごい…東京にも、こんなに木がたくさんあるんだ…」
入り口のゲートをくぐった瞬間から、潤葉の表情は、ぱっと明るくなった。マンションの部屋で塞ぎ込んでいたのが、まるで嘘のようだ。彼女は、車が行き交う音や、人々の雑多な思考のノイズから解放され、木々のざわめき、鳥のさえずり、風の匂いといった、心地よい声に、全身を浸していた。
最初は、まだ美生奈さんの後ろに隠れるようにして歩いていた潤葉だったが、美しく手入れされた日本庭園の松の木々や、色鮮やかな花壇の花々と対話を始めるうちに、少しずつ、その足取りは軽くなっていった。
「美生奈お姉ちゃん、あのお花の木、なんだかすごく喜んでるよ。『お日様の光が気持ちいい』って!」
「ふふ、あれはね、ハナミズキっていうの。春に、綺麗な花をたくさん咲かせてくれるんだよ」
美生奈さんは、植物に関する豊富な知識を交えながら、潤葉の言葉に、優しく相槌を打つ。その光景は、まるで本当の姉妹のようで、微笑ましい。
一方、その数歩後ろを歩く僕は、完全に手持ち無沙汰だった。二人の会話に加わることもできず、かといって、興味のない植物を眺めても、心は少しも動かない。ただ、美生奈さんから押し付けられた、女の子二人分の荷物を両手にぶら下げて、黙々とその後をついていくだけだった。
(……やはり、僕が来たのは間違いだった)
何度目かのため息をついた、その時だった。
「さあ、着きました! 今日のメインイベントです!」
美生奈さんが、弾むような声で指さした先に、太陽の光を反射して銀色に輝く、巨大なガラスのドームが見えた。大温室。今日の、そして、このお出かけの、本当の目的地。
一歩、その中に足を踏み入れると、むわりとした、湿度の高い空気が包み込んだ。そこは、外の日本の気候とは全く違う、亜熱帯のジャングルが、丸ごと再現されたかのような、異世界だった。見たこともないような巨大な葉を持つシダ植物、人の背丈ほどもあるサボテン、そして、滝のように蘭の花が咲き乱れる様は、圧巻の一言だった。
「うわぁ……!」
潤葉は、その幻想的な光景に、完全に心を奪われていた。彼女は、生まれて初めて見る熱帯の植物たちの、力強く、エキゾチックな声に、夢中になって耳を傾けている。
僕もさすがにこの非日常的な空間には、わずかながら興味を引かれた。巨大なヤシの木を見上げながら、その完璧に管理された環境を、分析するかのように観察していた。
「……見事なものですね。温度、湿度、そして光量。全てが、ここにいる植物の種類に合わせて、最適化されている」
その独り言のような呟きに、潤葉がぴくりと反応した。彼女は、僕の方を振り返ると、不思議そうな顔で、首を傾げた。
「お兄ちゃんも、この子たちの声が、聞こえるの?」
「声?……声じゃない。法則ですよ」
ぶっきらぼうにそう言うと、温室のガラス張りの天井を指さした。
「例えば、あのガラス。あれは、ただのガラスじゃないんですよ。人間の目には見えないですが、植物の光合成に有害な特定の波長の紫外線だけをカットし、逆に、成長を促進する赤色光や青色光は、より多く透過させるように設計された、特殊な光学フィルターガラスです。ドームのあの滑らかな曲線も、デザイン性だけじゃない。内部の暖められた空気が、自然な対流を起こし、全ての植物に均等に行き渡るように計算され尽くした、完璧な物理モデルなんですよ」
それは、いつもの僕のやり口だった。物理法則と数式に基づいた、無味乾燥な解説。だが潤葉は、その言葉を、目を輝かせながら聞いていた。
「……そっか。だから、この子たち、こんなに元気なんだね」
潤葉が、納得したように呟いた。僕はただ、自分の専門知識をひけらかしただけだ。子供に理解できるとは思っていなかった。だが、目の前の少女は、僕の言葉の本質を、確かに受け止めていた。そんな風に見えた。
二人の間に、それまであった、見えない壁が、少しだけ、溶けたような気がした。
温室を出て、広大な芝生の上で、美生奈が用意してくれたお弁当を広げる。心のこもったサンドイッチや唐揚げを頬張りながら、三人は、穏やかな時間を過ごした。
帰り道。駅へと向かう並木道で、潤葉は、それまでずっと繋いでいた美生奈さんの手を、そっと離した。そして、おずおずと、数歩前を歩く僕の元へと、駆け寄った。背後から近づいてくる小さな気配に気づき、いぶかしげに振り返る。
すると、潤葉は、照れたように俯きながら、僕の着ていたパーカーの裾を、小さな指で、きゅっと掴んだ。
「……お兄ちゃんの話、また、聞きたい……な」
その予期せぬ行動と、か細い、しかし確かな信頼を宿した言葉。心臓が、トクン、と、非合理的な音を立てる。どう反応していいか分からず、ただ、戸惑いながら、その小さな手を、振り払うこともできずに、立ち尽くすしかなかった。
その、不器用な二人の姿を、少し後ろから見ていた美生奈さんは、まるで自分のことのように、嬉しそうに、そして、優しく微笑んでいた。
潤葉の、東京での第一歩。それは、まだ、ほんの小さな一歩かもしれない。
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