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第6話「発見」
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朝の空気が、異様なほど静かだった。
ヨウジはホテルのロビーで、薄いアイスコーヒーを飲みながら、時計を三度見直していた。
集合時間をとうに過ぎても、サリーが姿を現さない。
「まだ部屋にいないんですか?」
スタッフの一人が、ロケ表を握りしめて訊いてきた。
ヨウジは首を振った。
「ノックしても反応ないって。部屋の電話も、つながらないらしい」
「昨夜、どこか出かけてたとか?」
「それも不明。関係者誰も見てない」
スタッフ同士が目を合わせる。そこには、少しずつ“ただならぬ空気”が忍び込んでいた。
ヨウジの胸にも、名状しがたいざらつきが広がっていた。
何かが、引っかかっている。
何かが、昨日の現場から今朝にかけて――確実に“起きた”。
現場への出発が遅れ、スケジュール調整でロビーにいた全員が、落ち着かない時間を過ごしていたそのとき、一本の電話が鳴った。
受け取ったスタッフの顔が、数秒の間で変わった。
「……今、警察から連絡が……浜辺の岩場のあたりで、遺体が……見つかったそうです」
言葉の端が震えていた。
「女性で、該当する可能性があると」
時間が止まったようだった。
ホテルのロビーから、冷房の音すら消えてしまったかのように、すべてが凍りついた。
***
現場は、ワイキキビーチの南端――カイマナ・ビーチのさらに外れた岩場だった。
海水浴客のほとんど訪れない、波打ち際にごつごつとした玄武岩が並ぶ場所。
朝の散歩をしていた地元の男性が、そこに人が倒れているのを見つけ、通報したという。
ヨウジが到着したときには、すでにパトカーが2台、救急車が1台停まっており、黄色い規制テープが張られていた。
「……嘘だろ」
岩場の陰にシートをかけられた人影があった。
目を凝らすまでもなく、それが誰であるか、ヨウジにはわかっていた。
現地警察の制服を着た警官が、英語で何かを伝えている。
スタッフの中にいる通訳が慌ただしく対応し、その後ろでようこが言葉を失ったように立ち尽くしていた。
「サリーさんだって……」
誰かがつぶやいた。
何人かがその場で顔を伏せ、ある者は遠くを見つめていた。
涙があったかもしれない。だが、それよりも先に、誰もが口を閉じた。
あまりにも、突然すぎた。
遺体は波打ち際に横たわるようなかたちで発見された。
外傷はほとんど見られず、衣服も整っていた。
だが、首元には、かすかに赤く締めつけられたような痕があった。
「事故かもしれない」「足を滑らせたのかも」
そんな憶測もあったが、救急スタッフが顔を曇らせ、警官が手帳を閉じるのを見たとき、
ヨウジは胸の内で、何かが“違う”と確信していた。
サリーは――誰かに殺されたのではないか。
なぜ、彼女は夜の海辺にいたのか。
なぜ、誰にも見つからず、朝までそこにいたのか。
現地の警察は、慎重というよりも、どこか“手順通り”でしか動かないように見えた。
「調査中です」
「事件性があるかは、まだ判断できません」
警官の言葉は、まるでマニュアルの読み上げだった。
ヨウジは、近くで何かを記録していた男性警官に声をかけた。
「彼女は、昨夜の何時ごろに……」
「現時点での検死結果はまだです。正式には“状況調査中”の扱いです。
詳しい死因や時間については、後日改めてご連絡します」
そう言ってから、警官は淡々とメモを続けた。
ヨウジは一歩引き、海を見た。
波が寄せては返す。その音は昨日と変わらないのに、何かが決定的に違っていた。
その“違い”の正体が何なのか――まだ、誰も知らなかった。
「事故、だって?」
控室に戻ったあとも、その言葉が耳の奥で反響していた。
ようこが目を伏せたまま、小さくうなずく。
「そう言ってた。警察も、医療スタッフも……今のところ“事件性なし”って」
「遺体、見たのか?」
「……少しだけ」
ヨウジは黙った。
サリーの遺体は、岩場の陰で見つかった。
衣服に乱れはなく、靴も片方は履いたままだったという。
見た目には転倒か溺死――もしくは疲労による失神が原因にも思える。
だが、ひとつだけ、気にかかることがあった。
「首元にね……線があったの」
「線?」
「うん。赤く、輪みたいに……でも、はっきりじゃない。痣っていうより、押しあとみたいな。
スタッフの子が言ってた。“ストールか何かで、きつく巻かれてた感じだった”って」
ヨウジの指先がぴくりと動いた。
何かが、脳裏に結びついていく感覚。
サリーは、たしかに昨日、不安定だった。
誰かを探すように何度も振り返り、休憩中もひとりで控室にこもっていた。
誰かに脅されていたのか? あるいは、揉めていたのか?
そんなそぶりを見せたのは、一体いつからだっただろう。
ようこが横顔で訊いた。
「警察、ちゃんと捜査してくれると思う?」
ヨウジは答えられなかった。
現地の対応は、決して迅速ではなかった。
日本から来た撮影班に対する扱いは、現地の警察から見ると「観光客の延長線」のようだった。
その傍らで、受け入れ側として奔走するヨウジには、彼らの“いい加減な距離感”が見て取れた。
通訳もなく、マニュアル的な事情聴取で済ませようとするその姿勢に、胸の奥で苛立ちが募っていた。
本当に“事故”で片付けられてしまうのか――。
ヨウジは頭のなかで、時間を巻き戻していた。
昨日のロケ終了後、サリーの姿を見た者はいるか。
彼女がひとりで浜辺へ向かったとき、その背中を誰かが見ていなかったか。
あるいは――誰かが後を追っていなかったか。
「……サリーが最後にいた場所、誰か見てる?」
「スタッフは全員、機材の積み込みだったって」
「君島葵は?」
ようこの表情が固まった。
「……あの子、昨日の夜、部屋に戻るの少し遅かったらしい。ヘアメイクの子が言ってた。“コンビニ行ってた”って」
「それ、本当か?」
「わからない。でも、どこか浮いてた。亮二さんと話してるときも、なんか……無理してる感じだった」
亮二――サリーの恋人。だが、彼の振る舞いにも不自然なところがあった。
葵と一緒にいるところをようこが目撃していた。それも、控室の裏で。
彼らが隠している何か。その延長線に、サリーの死があるのではないか。
考えたくはなかった。だが、状況はそう導いていた。
ヨウジはロケ表を手に取った。
昨日の行動記録、撮影スケジュール、スタッフの出入り。
自分が記録してきたそれらを、ひとつひとつ洗いなおす。
犯行があったとされる時間帯は、日没後だった。
現場の照明はすでに撤収されており、誰がどこにいたかの記録も曖昧だ。
警察は「事故の可能性」を繰り返す。
だが、ヨウジは信じられなかった。
首元――あの、うっすらと残る赤い痕。
それは“絞められた”としか思えなかった。
ストールのようなもので、首を締めつけられたような――
それは、転倒や波では絶対につかない痕だ。
「事故じゃない。これは……誰かの手だ」
声には出さなかった。
だが、その瞬間から、ヨウジのなかで何かが変わった。
「サリーさん、ほんとは何を言いたかったんだろうね」
ようこの言葉が、ロケ表の上に落ちた。
「最後に会ったとき、少しだけ……何か、迷ってるみたいだった。怖がってた。でも、それを口にしなかった。
たぶん……誰にも言えなかったんだと思う」
ヨウジは目を閉じた。
あの夜、誰も止められなかった命の足音が、今も砂の上に残っているような気がした。
静かな風が、ロケバスの窓を鳴らした。
その音に、サリーの気配を探してしまう自分がいた。
ヨウジはホテルのロビーで、薄いアイスコーヒーを飲みながら、時計を三度見直していた。
集合時間をとうに過ぎても、サリーが姿を現さない。
「まだ部屋にいないんですか?」
スタッフの一人が、ロケ表を握りしめて訊いてきた。
ヨウジは首を振った。
「ノックしても反応ないって。部屋の電話も、つながらないらしい」
「昨夜、どこか出かけてたとか?」
「それも不明。関係者誰も見てない」
スタッフ同士が目を合わせる。そこには、少しずつ“ただならぬ空気”が忍び込んでいた。
ヨウジの胸にも、名状しがたいざらつきが広がっていた。
何かが、引っかかっている。
何かが、昨日の現場から今朝にかけて――確実に“起きた”。
現場への出発が遅れ、スケジュール調整でロビーにいた全員が、落ち着かない時間を過ごしていたそのとき、一本の電話が鳴った。
受け取ったスタッフの顔が、数秒の間で変わった。
「……今、警察から連絡が……浜辺の岩場のあたりで、遺体が……見つかったそうです」
言葉の端が震えていた。
「女性で、該当する可能性があると」
時間が止まったようだった。
ホテルのロビーから、冷房の音すら消えてしまったかのように、すべてが凍りついた。
***
現場は、ワイキキビーチの南端――カイマナ・ビーチのさらに外れた岩場だった。
海水浴客のほとんど訪れない、波打ち際にごつごつとした玄武岩が並ぶ場所。
朝の散歩をしていた地元の男性が、そこに人が倒れているのを見つけ、通報したという。
ヨウジが到着したときには、すでにパトカーが2台、救急車が1台停まっており、黄色い規制テープが張られていた。
「……嘘だろ」
岩場の陰にシートをかけられた人影があった。
目を凝らすまでもなく、それが誰であるか、ヨウジにはわかっていた。
現地警察の制服を着た警官が、英語で何かを伝えている。
スタッフの中にいる通訳が慌ただしく対応し、その後ろでようこが言葉を失ったように立ち尽くしていた。
「サリーさんだって……」
誰かがつぶやいた。
何人かがその場で顔を伏せ、ある者は遠くを見つめていた。
涙があったかもしれない。だが、それよりも先に、誰もが口を閉じた。
あまりにも、突然すぎた。
遺体は波打ち際に横たわるようなかたちで発見された。
外傷はほとんど見られず、衣服も整っていた。
だが、首元には、かすかに赤く締めつけられたような痕があった。
「事故かもしれない」「足を滑らせたのかも」
そんな憶測もあったが、救急スタッフが顔を曇らせ、警官が手帳を閉じるのを見たとき、
ヨウジは胸の内で、何かが“違う”と確信していた。
サリーは――誰かに殺されたのではないか。
なぜ、彼女は夜の海辺にいたのか。
なぜ、誰にも見つからず、朝までそこにいたのか。
現地の警察は、慎重というよりも、どこか“手順通り”でしか動かないように見えた。
「調査中です」
「事件性があるかは、まだ判断できません」
警官の言葉は、まるでマニュアルの読み上げだった。
ヨウジは、近くで何かを記録していた男性警官に声をかけた。
「彼女は、昨夜の何時ごろに……」
「現時点での検死結果はまだです。正式には“状況調査中”の扱いです。
詳しい死因や時間については、後日改めてご連絡します」
そう言ってから、警官は淡々とメモを続けた。
ヨウジは一歩引き、海を見た。
波が寄せては返す。その音は昨日と変わらないのに、何かが決定的に違っていた。
その“違い”の正体が何なのか――まだ、誰も知らなかった。
「事故、だって?」
控室に戻ったあとも、その言葉が耳の奥で反響していた。
ようこが目を伏せたまま、小さくうなずく。
「そう言ってた。警察も、医療スタッフも……今のところ“事件性なし”って」
「遺体、見たのか?」
「……少しだけ」
ヨウジは黙った。
サリーの遺体は、岩場の陰で見つかった。
衣服に乱れはなく、靴も片方は履いたままだったという。
見た目には転倒か溺死――もしくは疲労による失神が原因にも思える。
だが、ひとつだけ、気にかかることがあった。
「首元にね……線があったの」
「線?」
「うん。赤く、輪みたいに……でも、はっきりじゃない。痣っていうより、押しあとみたいな。
スタッフの子が言ってた。“ストールか何かで、きつく巻かれてた感じだった”って」
ヨウジの指先がぴくりと動いた。
何かが、脳裏に結びついていく感覚。
サリーは、たしかに昨日、不安定だった。
誰かを探すように何度も振り返り、休憩中もひとりで控室にこもっていた。
誰かに脅されていたのか? あるいは、揉めていたのか?
そんなそぶりを見せたのは、一体いつからだっただろう。
ようこが横顔で訊いた。
「警察、ちゃんと捜査してくれると思う?」
ヨウジは答えられなかった。
現地の対応は、決して迅速ではなかった。
日本から来た撮影班に対する扱いは、現地の警察から見ると「観光客の延長線」のようだった。
その傍らで、受け入れ側として奔走するヨウジには、彼らの“いい加減な距離感”が見て取れた。
通訳もなく、マニュアル的な事情聴取で済ませようとするその姿勢に、胸の奥で苛立ちが募っていた。
本当に“事故”で片付けられてしまうのか――。
ヨウジは頭のなかで、時間を巻き戻していた。
昨日のロケ終了後、サリーの姿を見た者はいるか。
彼女がひとりで浜辺へ向かったとき、その背中を誰かが見ていなかったか。
あるいは――誰かが後を追っていなかったか。
「……サリーが最後にいた場所、誰か見てる?」
「スタッフは全員、機材の積み込みだったって」
「君島葵は?」
ようこの表情が固まった。
「……あの子、昨日の夜、部屋に戻るの少し遅かったらしい。ヘアメイクの子が言ってた。“コンビニ行ってた”って」
「それ、本当か?」
「わからない。でも、どこか浮いてた。亮二さんと話してるときも、なんか……無理してる感じだった」
亮二――サリーの恋人。だが、彼の振る舞いにも不自然なところがあった。
葵と一緒にいるところをようこが目撃していた。それも、控室の裏で。
彼らが隠している何か。その延長線に、サリーの死があるのではないか。
考えたくはなかった。だが、状況はそう導いていた。
ヨウジはロケ表を手に取った。
昨日の行動記録、撮影スケジュール、スタッフの出入り。
自分が記録してきたそれらを、ひとつひとつ洗いなおす。
犯行があったとされる時間帯は、日没後だった。
現場の照明はすでに撤収されており、誰がどこにいたかの記録も曖昧だ。
警察は「事故の可能性」を繰り返す。
だが、ヨウジは信じられなかった。
首元――あの、うっすらと残る赤い痕。
それは“絞められた”としか思えなかった。
ストールのようなもので、首を締めつけられたような――
それは、転倒や波では絶対につかない痕だ。
「事故じゃない。これは……誰かの手だ」
声には出さなかった。
だが、その瞬間から、ヨウジのなかで何かが変わった。
「サリーさん、ほんとは何を言いたかったんだろうね」
ようこの言葉が、ロケ表の上に落ちた。
「最後に会ったとき、少しだけ……何か、迷ってるみたいだった。怖がってた。でも、それを口にしなかった。
たぶん……誰にも言えなかったんだと思う」
ヨウジは目を閉じた。
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