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第六話「生ける霊」
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夜の帳が静かに江戸の町を包み込んでいた。風は止み、虫の音さえも遠慮するかのようにひそやかだ。神田明神の裏手、黒塀の先にある明神そばは、暖簾を半ばまで下ろしていた。
その軒先に、榊原新右衛門は一人、立ち尽くしていた。
――夢かもしれぬ。
そう思いたかった。だが、そこに立つその姿は、確かに彼の名を呼んだ。
「……新右衛門様」
おせんだった。
淡く、透けるような輪郭。夜気に溶け込みそうな白い頬。その眼差しはいつものように真っ直ぐで、だが、どこかひどく寂しげだった。
「……おせん、なのか」
新右衛門の喉が乾いていた。絞り出した声は掠れ、足元から冷たいものが這い上がるのを感じた。
「……はい。わたし、どうやら……もう、生きていないみたいです」
その言葉に、胸を抉られるような痛みが走った。
おせんが、死んだ。妖刀の辻斬りに、祈りの帰り道、無残にも斬られたのだ。
だが、今、彼の前にこうしている。いや、いるように“見える”。
新右衛門は、そっと一歩踏み出した。おせんは逃げなかった。彼女の姿が淡く揺れた。風ではない。これは、霊だ――。
「なぜ……おれにだけ、見える?」
おせんは答えず、首をかしげた。彼女もまた、困惑しているのだった。
「おかしいな、と……ずっと思っていたんです。誰にも、見えていないんだって。誰も、返事をしてくれなくて……でも、新右衛門様だけが……」
おせんはそう言って、口元に微かな笑みを浮かべた。
「やっぱり、嬉しいです。会えて」
新右衛門は何かを言おうとしたが、喉が塞がれてしまったように声が出なかった。
この数日、おせんの姿を求めて歩き回った。湯島の坂も、神田の橋も。だが、どこにもいなかった。ただ、虚空に彼女の名を呼ぶばかりだった。
「おせん……どうして……」
「……わからないんです。でも、もしかしたら……あの符、のせいかもしれません」
おせんが、そっと胸に手を当てる。そこには、何もなかった。
「あのとき、和尚様が言っていましたよね。“恋愛成就の符は、思う相手に持たせないと、かなわぬぞ”って。だから、わたし……新右衛門様に、持ってもらいたかった」
新右衛門は、思い出した。あの夜、おせんが「お守りをもらってきました」と言って、ふたつの紙包みを渡してくれた。身を守るものと、もうひとつ。
そのうちのひとつは――。
「まさか……」
「はい。きっと、間違えたんです。和尚様、護符と一緒に……“死しても添い遂げられる符”を」
新右衛門の眉間に深い皺が寄った。
「そんなことが……」
だが、あり得る。あの和尚のことだ。人を見抜く力はあるが、どこか間の抜けたところもある。
「それで、わたし……ここに」
おせんの声が風に紛れるように細くなった。新右衛門は、そっと手を伸ばしかけたが、指先は虚空を切るばかりだった。
「……苦しくはないのか」
「わかりません。でも、怖くはありません。新右衛門様がいてくれるから」
その一言に、新右衛門は肩の力が抜けたように膝をついた。涙が頬をつたう。だが、それは静かな、温かい涙だった。
「おれは……護れなかった」
「そんなこと、ありません」
おせんは、ふわりと近づいて、新右衛門の隣に腰を下ろした。座った“つもり”かもしれない。けれど、その仕草があまりに自然で、新右衛門は肩を震わせた。
「あなたがいたから、わたしは、最後まで怖くなかったんです」
「おれは……」
「だから、これからも、そばにいさせてください」
その願いが、どこまでも澄んでいた。切ないほどに純粋だった。
新右衛門は、ただうなずいた。
夜は深まっていた。だが、ふたりを包む空気には、どこか温もりがあった。
――おせんは、確かにそこにいた。
朝になっても、空はどこか鈍く曇っていた。
南町奉行所の一角、新右衛門は机の前で筆を止めたまま、虚空を見つめていた。
昨夜――いや、今もなお、頭の中にはおせんの声が響いている。
「ここに、いますよ」
それは夢ではない。
彼女の姿も、声も、確かに“見えた”。
あの静かな笑み、佇まい――。
彼女は死んだ。だが、その存在は、今も自分の傍にいる。
そして、それが“おれにしか見えない”という現実。
「……呪符の、力?
」
そう呟いたとき、ふすまの外から声がした。
「旦那。すみません、ちとよろしいですか」
鬼瓦面の藤吉が、小さく障子を開けて頭を突っ込んだ。
「昨夜の件、やっぱり気になりますぜ。明神裏の橋の下、妙な血の跡と、足跡のない女の噂……やっぱり、あの女、幽霊だったんじゃねえですか?」
「藤吉」
新右衛門は顔を上げた。その声音は普段より低く、静かだった。
「おまえに見えたか?……女の姿が」
「いえ、それが……あっしには、影も形も。ただ、旦那が……誰かと話しているようだったんで……」
「……そうか」
藤吉は気まずそうに頭をかいた。
「旦那、あれです。拝み屋の道明って山伏、江戸に戻ってきてるらしいっすよ。湯島の坂で見かけたって話もある」
「……道明が?」
「ええ。もし、おせん様のこと、本当に霊だとすれば、あの山伏に見てもらうのがいいんじゃ――」
「言うな」
新右衛門は、静かにだが強く遮った。
「……おせんは、ただ、そこにいるだけだ。悪さをするわけでも、取り憑くわけでもない」
「でも、旦那……」
「いいか。おまえには見えないだろうが、おれには見える。話もできる。……それだけで、いいんだ」
藤吉は何も言わなかった。ただ、頭を下げて去っていった。
残された部屋には、再び静寂が満ちる。
そのときだった。
「……怒ってますか?」
ふいに、耳元で声がした。驚かずとも、その声の主はわかっていた。
新右衛門は、そっと目を閉じる。
「怒ってるわけじゃない。……ただ、気持ちの整理がつかんだけだ」
「……ごめんなさい」
「謝るな。おまえが悪いわけじゃない」
そう言いながら、彼は立ち上がり、部屋の片隅に飾られた一輪挿しの水を替えに向かった。
「おれは……あの夜、なぜ、おまえが来たのか、わからなかった。危ないってわかっていたはずなのに……」
「……新右衛門様のことが、気になったんです」
それは、まるで夕暮れ時の灯籠の火のような、温かく切ない声だった。
「あなたが心配で、祈りのあと……様子だけでも見ようと……」
「それで……死んだのか」
新右衛門の声は、かすれていた。
「おれが、引き寄せた」
「違います」
おせんの声が、凛と響いた。
「わたしが、自分の意志で行ったんです。誰のせいでもない。……ただ、あなたに何かあったら、って、それだけで……」
新右衛門は振り返る。そこには、淡く揺れるおせんの姿があった。
「では、いま……おまえは後悔していないと?」
「していません。……生きたままで、あなたと歩けたら、それはそれで嬉しかった。でも、こうして――見えるだけでも、話せるだけでも、充分です」
彼女の声は、まっすぐだった。胸の奥に刺さるほどに。
新右衛門は、何かが込み上げてくるのを抑えきれず、拳を握りしめた。
「おれは……」
言葉が出ない。
「おれは、おまえを護れなかった。……もう二度と、誰の命も無駄にはしたくない」
おせんはそっと微笑んだ。
「じゃあ、そばにいさせてください。あなたが進む先に、わたしもついていく。あなたが光を見失わぬように」
その言葉に、新右衛門は静かにうなずいた。
まるで、かつて共に歩いた日々が、形を変えて戻ってきたかのようだった。
その夜。
新右衛門は焔の灯る灯籠の下、ひとり、ある橋のたもとに立った。
風が吹く。草が揺れる。だが、そこに立つ新右衛門の隣には、もうひとつの影があった。
「……おせん。おまえの声は、おれにだけ届く。だからこそ――きっと、おれがやるべきことがある」
闇夜に溶け込む声。
だが、それに答えるように、微かな鈴の音が、確かに鳴った。
その軒先に、榊原新右衛門は一人、立ち尽くしていた。
――夢かもしれぬ。
そう思いたかった。だが、そこに立つその姿は、確かに彼の名を呼んだ。
「……新右衛門様」
おせんだった。
淡く、透けるような輪郭。夜気に溶け込みそうな白い頬。その眼差しはいつものように真っ直ぐで、だが、どこかひどく寂しげだった。
「……おせん、なのか」
新右衛門の喉が乾いていた。絞り出した声は掠れ、足元から冷たいものが這い上がるのを感じた。
「……はい。わたし、どうやら……もう、生きていないみたいです」
その言葉に、胸を抉られるような痛みが走った。
おせんが、死んだ。妖刀の辻斬りに、祈りの帰り道、無残にも斬られたのだ。
だが、今、彼の前にこうしている。いや、いるように“見える”。
新右衛門は、そっと一歩踏み出した。おせんは逃げなかった。彼女の姿が淡く揺れた。風ではない。これは、霊だ――。
「なぜ……おれにだけ、見える?」
おせんは答えず、首をかしげた。彼女もまた、困惑しているのだった。
「おかしいな、と……ずっと思っていたんです。誰にも、見えていないんだって。誰も、返事をしてくれなくて……でも、新右衛門様だけが……」
おせんはそう言って、口元に微かな笑みを浮かべた。
「やっぱり、嬉しいです。会えて」
新右衛門は何かを言おうとしたが、喉が塞がれてしまったように声が出なかった。
この数日、おせんの姿を求めて歩き回った。湯島の坂も、神田の橋も。だが、どこにもいなかった。ただ、虚空に彼女の名を呼ぶばかりだった。
「おせん……どうして……」
「……わからないんです。でも、もしかしたら……あの符、のせいかもしれません」
おせんが、そっと胸に手を当てる。そこには、何もなかった。
「あのとき、和尚様が言っていましたよね。“恋愛成就の符は、思う相手に持たせないと、かなわぬぞ”って。だから、わたし……新右衛門様に、持ってもらいたかった」
新右衛門は、思い出した。あの夜、おせんが「お守りをもらってきました」と言って、ふたつの紙包みを渡してくれた。身を守るものと、もうひとつ。
そのうちのひとつは――。
「まさか……」
「はい。きっと、間違えたんです。和尚様、護符と一緒に……“死しても添い遂げられる符”を」
新右衛門の眉間に深い皺が寄った。
「そんなことが……」
だが、あり得る。あの和尚のことだ。人を見抜く力はあるが、どこか間の抜けたところもある。
「それで、わたし……ここに」
おせんの声が風に紛れるように細くなった。新右衛門は、そっと手を伸ばしかけたが、指先は虚空を切るばかりだった。
「……苦しくはないのか」
「わかりません。でも、怖くはありません。新右衛門様がいてくれるから」
その一言に、新右衛門は肩の力が抜けたように膝をついた。涙が頬をつたう。だが、それは静かな、温かい涙だった。
「おれは……護れなかった」
「そんなこと、ありません」
おせんは、ふわりと近づいて、新右衛門の隣に腰を下ろした。座った“つもり”かもしれない。けれど、その仕草があまりに自然で、新右衛門は肩を震わせた。
「あなたがいたから、わたしは、最後まで怖くなかったんです」
「おれは……」
「だから、これからも、そばにいさせてください」
その願いが、どこまでも澄んでいた。切ないほどに純粋だった。
新右衛門は、ただうなずいた。
夜は深まっていた。だが、ふたりを包む空気には、どこか温もりがあった。
――おせんは、確かにそこにいた。
朝になっても、空はどこか鈍く曇っていた。
南町奉行所の一角、新右衛門は机の前で筆を止めたまま、虚空を見つめていた。
昨夜――いや、今もなお、頭の中にはおせんの声が響いている。
「ここに、いますよ」
それは夢ではない。
彼女の姿も、声も、確かに“見えた”。
あの静かな笑み、佇まい――。
彼女は死んだ。だが、その存在は、今も自分の傍にいる。
そして、それが“おれにしか見えない”という現実。
「……呪符の、力?
」
そう呟いたとき、ふすまの外から声がした。
「旦那。すみません、ちとよろしいですか」
鬼瓦面の藤吉が、小さく障子を開けて頭を突っ込んだ。
「昨夜の件、やっぱり気になりますぜ。明神裏の橋の下、妙な血の跡と、足跡のない女の噂……やっぱり、あの女、幽霊だったんじゃねえですか?」
「藤吉」
新右衛門は顔を上げた。その声音は普段より低く、静かだった。
「おまえに見えたか?……女の姿が」
「いえ、それが……あっしには、影も形も。ただ、旦那が……誰かと話しているようだったんで……」
「……そうか」
藤吉は気まずそうに頭をかいた。
「旦那、あれです。拝み屋の道明って山伏、江戸に戻ってきてるらしいっすよ。湯島の坂で見かけたって話もある」
「……道明が?」
「ええ。もし、おせん様のこと、本当に霊だとすれば、あの山伏に見てもらうのがいいんじゃ――」
「言うな」
新右衛門は、静かにだが強く遮った。
「……おせんは、ただ、そこにいるだけだ。悪さをするわけでも、取り憑くわけでもない」
「でも、旦那……」
「いいか。おまえには見えないだろうが、おれには見える。話もできる。……それだけで、いいんだ」
藤吉は何も言わなかった。ただ、頭を下げて去っていった。
残された部屋には、再び静寂が満ちる。
そのときだった。
「……怒ってますか?」
ふいに、耳元で声がした。驚かずとも、その声の主はわかっていた。
新右衛門は、そっと目を閉じる。
「怒ってるわけじゃない。……ただ、気持ちの整理がつかんだけだ」
「……ごめんなさい」
「謝るな。おまえが悪いわけじゃない」
そう言いながら、彼は立ち上がり、部屋の片隅に飾られた一輪挿しの水を替えに向かった。
「おれは……あの夜、なぜ、おまえが来たのか、わからなかった。危ないってわかっていたはずなのに……」
「……新右衛門様のことが、気になったんです」
それは、まるで夕暮れ時の灯籠の火のような、温かく切ない声だった。
「あなたが心配で、祈りのあと……様子だけでも見ようと……」
「それで……死んだのか」
新右衛門の声は、かすれていた。
「おれが、引き寄せた」
「違います」
おせんの声が、凛と響いた。
「わたしが、自分の意志で行ったんです。誰のせいでもない。……ただ、あなたに何かあったら、って、それだけで……」
新右衛門は振り返る。そこには、淡く揺れるおせんの姿があった。
「では、いま……おまえは後悔していないと?」
「していません。……生きたままで、あなたと歩けたら、それはそれで嬉しかった。でも、こうして――見えるだけでも、話せるだけでも、充分です」
彼女の声は、まっすぐだった。胸の奥に刺さるほどに。
新右衛門は、何かが込み上げてくるのを抑えきれず、拳を握りしめた。
「おれは……」
言葉が出ない。
「おれは、おまえを護れなかった。……もう二度と、誰の命も無駄にはしたくない」
おせんはそっと微笑んだ。
「じゃあ、そばにいさせてください。あなたが進む先に、わたしもついていく。あなたが光を見失わぬように」
その言葉に、新右衛門は静かにうなずいた。
まるで、かつて共に歩いた日々が、形を変えて戻ってきたかのようだった。
その夜。
新右衛門は焔の灯る灯籠の下、ひとり、ある橋のたもとに立った。
風が吹く。草が揺れる。だが、そこに立つ新右衛門の隣には、もうひとつの影があった。
「……おせん。おまえの声は、おれにだけ届く。だからこそ――きっと、おれがやるべきことがある」
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