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第十話「おせん、助けを乞う」
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夜の空気が、乾いた竹の葉のように鳴っていた。
榊原新右衛門は、橋のたもとに立っていた。月は雲に隠れ、地の端にしか光を落とさず、そこかしこに闇が濃く沈んでいる。神田明神下からそう遠くない、小さな橋。古びた木組みの欄干が、まるで何かを拒むように軋んでいた。
「……来ないな」
呟いた声は、自分の耳にだけ届く。だがすぐ後ろで、その声に応じるように、もうひとつの声がした。
「新右衛門さま……」
振り返れば、そこにいたのはおせんだった。
「また出たのです。あの女……足のない、白い着物の、目のない女が……」
おせんの声は、震えていた。霊となった今でも、その女の姿は、見てはいけないもののようだった。
新右衛門は、そっと彼女の傍らに立った。
「今夜は……その者の声、聞こえたか?」
「聞こえません。でも、近くにいる気がした。……それだけじゃないんです。橋の下、川の流れの中……斬られた者たちの気配が、ざわざわと……」
彼女の顔は蒼ざめていた。死んでいるはずの身体に、まだ恐怖が宿っていることが、新右衛門には不思議でもあり、哀しくもあった。
「藤吉は、このあたりに張り込みを出している。いざとなれば奴が……」
そう言いかけたとき、おせんがかぶりを振った。
「だめ。人の目には、あの女は見えない。……あたしと、あなただけです。見えるのは」
その言葉に、新右衛門の胸が重く沈んだ。いつの間にか、彼はこうした「異」の世界へと足を踏み入れていた。影切りの刀を帯び、霊と対峙する日々。だが、それでも。
「おれは、おまえがそう言ってくれる限り、どこにでも出向くさ。……たとえ、見えないものを斬るとしてもな」
「……ありがとう」
おせんは微笑んだ。だが、その笑みの奥に、深い苦悩があった。
その夜、新右衛門は夢を見た。
血の匂い。湿った土。風に舞う髪と、落ちる斬撃の影。
橋の上。女が立っている。白い着物。足がない。目がない。けれど、口だけが開き、叫ぶように、笑っている。
――おまえも……いっしょに……
刃が、音もなく振り下ろされた。新右衛門はそれを受け止めようとするが、影切りの刀が、まるで重く動かない。
「だめだ……斬れぬ……」
その瞬間、夢の中で声が響いた。
「――憎しみは、消せない」
夢から覚めたとき、天井の梁が黒く浮かび上がっていた。額には汗が滲んでいた。
翌朝、霊雲寺を訪ねた。道明が寺に詰めていた。
「足のない女、か……ふむ、それだけじゃ済まぬな。おせん殿の話によれば、“斬られた者たち”が集まりつつあるらしい」
道明は、山伏姿のまま、巻物をひらいて言った。
「ひとつ考えられるのは、辻斬りの“刀”そのものが、怨霊の核になっておるということ。……もはや、人を介さずとも、あれは、殺すために浮かぶ存在になっているかもしれん」
「刀に……霊が取り憑いたというのか」
「いや、宿ったんだ。そういうものもある。……霊刀、とも妖刀とも呼ばれる類じゃ」
「それで……斬られた者たちが、“目覚める”?」
「このまま放置すれば、怨念は次々と地に滲む。なぜなら“斬られた者”の想念は、刀の中で削がれ、散らされ、そして形を変えて……別の霊になる」
「……おせんが見たものも、その“変わった霊”か」
「かもしれん。ただ、これは始まりに過ぎぬ。……奴らが一つに集まる前に、刀の根を絶たねばならぬ」
新右衛門は、霊雲寺の縁側に座り、庭の苔を見つめていた。
傍らにはおせんがいる。足音もなく、影もなく、けれど確かにそこにいる。
「……ねぇ。私、思うんです」
「なんだ」
「辻斬りに斬られた人たち、あの刀に、何かを奪われた気がする。記憶とか、名前とか……それすらも、飲み込まれて、誰にも伝えられないまま……」
「……残されたものは、ただの怨念、か」
おせんはゆっくりと、首を振った。
「……違う。きっと、“何かを伝えたい”気持ちが、あるはず。……だから、斬られたあとも……こうして、残ってるのかも」
新右衛門はその言葉を、心に留めた。
「それを……聞けるのは、おまえだけだな」
おせんは微笑み、でも少しだけ、寂しそうに頷いた。
「うん。だから、きっと、私が――やらなくちゃいけないのよ」
夜の町は、あまりにも静かだった。人々が眠りについたあとの江戸は、音もなく、まるで息を潜めているかのようだった。新右衛門は、薬研堀橋のたもとに立っていた。
そばにはおせんの姿。
「……ここ、あの女が出たというのは?」
「うん。何度もここで見かけたの。夜が深くなった頃、橋の中央に……誰にも気づかれないように、すっと現れるのよ。真っ白な顔、だけど目は空っぽで……足が、ないの」
おせんの声はささやくように小さかった。だが、その声には確かな恐怖と、切実さがあった。
新右衛門は橋に一歩踏み出し、欄干に手をかける。
橋の下から、微かな水の音がした。何かを洗うような、いや、何かを引きずるような音。
「……いるのか」
新右衛門は目を凝らす。だが、そこには何もいなかった。ただ、かすかに風が吹いた。
「旦那……」
背後で藤吉が声を低くした。彼もまた、どこかの影に霊の気配を感じているらしい。だが、藤吉には見えない。新右衛門にも、まだ、見えてはいない。
そのときだった。
一陣の風が、ざっと吹き抜けた。水面が騒ぎ、夜の空気がひときわ重くなる。と――
橋の中央。そこに、影が立っていた。
女だ。おせんが言っていたとおりの、足のない、白い着物の女。髪は濡れたように垂れ下がり、顔は闇に沈んで、目のあるはずの位置がぽっかりと虚ろだった。
新右衛門は、すぐさま手を柄にかけた。今は影切りの刀として霊を斬る力を帯びている。
だが、女は動かない。ただ、静かに、こちらを見ていた。
「……斬るか?」
おせんが、小さく問うた。新右衛門は答えなかった。刀に込められた霊を滅する力、それは斬れば消えるというだけで、救いにはならない。
そのとき、女の口が開いた。
――あたしを……返して……。
声だった。音にならないほど小さく、けれど確かに、新右衛門の耳に届いた。
「返せ……? 何を……?」
「名だと思う」
おせんが、そっと囁いた。「きっと、自分の名前も、何もかも……辻斬りのあの刀に奪われて……だから、何も残せないまま、ここに立ってるんだわ」
「……おまえには、声が聞こえるのか?」
「感じるの。すぐそばで、ずっと泣いてるような気持ちが……あの女から、流れ込んでくるの」
新右衛門は、しばらく考えた。
斬ることはできる。だが、それは、ただの“消去”に過ぎない。何も知らずに、ただ一つの存在を斬る――それは、死をもって声を封じる行為に他ならない。
「この女……何を訴えたいのか、それだけでも、聞いてやれぬか」
「……あたし、聞いてみる」
おせんは橋に歩を進めた。幽霊であるがゆえに、女の霊に近づける。けれど、今にも吸い込まれそうなその気配に、新右衛門は思わず身を乗り出す。
「気をつけろ」
「大丈夫。あたし……もう死んでるから」
その言葉に、新右衛門は言葉を失った。おせんの笑みは、どこか儚かった。
おせんが霊に近づいたとき、空気が揺れた。霊の裾がふわりと舞い、女の口が、また音もなく開く。
おせんが、耳を寄せるようにして立ち止まった。
――さよ……。
その名が、おせんの口を通して、空にこぼれた。
すると、女の霊がかすかに震えた。白い着物の裾がふわりと揺れ、目のない顔が、まるで涙を流すように、空に解けてゆく。
「名を……思い出せたのね……」
おせんが、ぽつりと呟く。
だが、霊は成仏したわけではなかった。残る想いは、まだ夜に溶けずに残っていた。姿は消えたが、怨念の残り香だけが、風に混じっていた。
「旦那、あれは……」
「斬らなかった」
「え?」
「……名を、取り戻させた。それだけで、あの女は……少し、楽になったように思う」
「じゃあ、あの“妖刀”ってのは……」
「刀に斬られた者の名も、思いも、すべて飲み込んでるのかもしれない」
「まるで……腹の中に霊をためてるみてぇなもんだな」
藤吉の言葉に、新右衛門は小さく頷いた。
「次に出会うときは……斬らなければならん霊もいるだろうな」
その言葉に、おせんが寂しそうにうなずいた。
「でも、できる限り……その人たちの声、ちゃんと聞いてあげてね」
新右衛門は、まっすぐに彼女を見た。
「……おまえが、そうしてくれるならな」
おせんは、はにかんだように微笑んだ。そして、その姿はまた、月の影の中に溶けていった。
翌朝、霊雲寺で天明和尚が一枚の絵を見せた。女の姿。白無垢、裸足。顔のないその絵は、かつて描かれた地獄草紙の断片だったという。
「これが……その“足のない女”か?」
「ああ。名を呼ぶと、霊の姿がやや変わる。……やはり、“名”は、魂の結び目に通じるのだ」
和尚の声に、新右衛門は目を閉じた。
「なら、名を思い出させ、語らせることで、少しでもその魂の結び目がほどけるかもしれぬ」
「……そういうことだな」
そして、新右衛門は、刀の柄に手を添えながら思った。
まだ、戦いは終わらぬ。だが、今夜――名も知られずに斬られた者の、たった一つの「声」は、確かに届いた。
それだけでも、たしかに意味があった。
榊原新右衛門は、橋のたもとに立っていた。月は雲に隠れ、地の端にしか光を落とさず、そこかしこに闇が濃く沈んでいる。神田明神下からそう遠くない、小さな橋。古びた木組みの欄干が、まるで何かを拒むように軋んでいた。
「……来ないな」
呟いた声は、自分の耳にだけ届く。だがすぐ後ろで、その声に応じるように、もうひとつの声がした。
「新右衛門さま……」
振り返れば、そこにいたのはおせんだった。
「また出たのです。あの女……足のない、白い着物の、目のない女が……」
おせんの声は、震えていた。霊となった今でも、その女の姿は、見てはいけないもののようだった。
新右衛門は、そっと彼女の傍らに立った。
「今夜は……その者の声、聞こえたか?」
「聞こえません。でも、近くにいる気がした。……それだけじゃないんです。橋の下、川の流れの中……斬られた者たちの気配が、ざわざわと……」
彼女の顔は蒼ざめていた。死んでいるはずの身体に、まだ恐怖が宿っていることが、新右衛門には不思議でもあり、哀しくもあった。
「藤吉は、このあたりに張り込みを出している。いざとなれば奴が……」
そう言いかけたとき、おせんがかぶりを振った。
「だめ。人の目には、あの女は見えない。……あたしと、あなただけです。見えるのは」
その言葉に、新右衛門の胸が重く沈んだ。いつの間にか、彼はこうした「異」の世界へと足を踏み入れていた。影切りの刀を帯び、霊と対峙する日々。だが、それでも。
「おれは、おまえがそう言ってくれる限り、どこにでも出向くさ。……たとえ、見えないものを斬るとしてもな」
「……ありがとう」
おせんは微笑んだ。だが、その笑みの奥に、深い苦悩があった。
その夜、新右衛門は夢を見た。
血の匂い。湿った土。風に舞う髪と、落ちる斬撃の影。
橋の上。女が立っている。白い着物。足がない。目がない。けれど、口だけが開き、叫ぶように、笑っている。
――おまえも……いっしょに……
刃が、音もなく振り下ろされた。新右衛門はそれを受け止めようとするが、影切りの刀が、まるで重く動かない。
「だめだ……斬れぬ……」
その瞬間、夢の中で声が響いた。
「――憎しみは、消せない」
夢から覚めたとき、天井の梁が黒く浮かび上がっていた。額には汗が滲んでいた。
翌朝、霊雲寺を訪ねた。道明が寺に詰めていた。
「足のない女、か……ふむ、それだけじゃ済まぬな。おせん殿の話によれば、“斬られた者たち”が集まりつつあるらしい」
道明は、山伏姿のまま、巻物をひらいて言った。
「ひとつ考えられるのは、辻斬りの“刀”そのものが、怨霊の核になっておるということ。……もはや、人を介さずとも、あれは、殺すために浮かぶ存在になっているかもしれん」
「刀に……霊が取り憑いたというのか」
「いや、宿ったんだ。そういうものもある。……霊刀、とも妖刀とも呼ばれる類じゃ」
「それで……斬られた者たちが、“目覚める”?」
「このまま放置すれば、怨念は次々と地に滲む。なぜなら“斬られた者”の想念は、刀の中で削がれ、散らされ、そして形を変えて……別の霊になる」
「……おせんが見たものも、その“変わった霊”か」
「かもしれん。ただ、これは始まりに過ぎぬ。……奴らが一つに集まる前に、刀の根を絶たねばならぬ」
新右衛門は、霊雲寺の縁側に座り、庭の苔を見つめていた。
傍らにはおせんがいる。足音もなく、影もなく、けれど確かにそこにいる。
「……ねぇ。私、思うんです」
「なんだ」
「辻斬りに斬られた人たち、あの刀に、何かを奪われた気がする。記憶とか、名前とか……それすらも、飲み込まれて、誰にも伝えられないまま……」
「……残されたものは、ただの怨念、か」
おせんはゆっくりと、首を振った。
「……違う。きっと、“何かを伝えたい”気持ちが、あるはず。……だから、斬られたあとも……こうして、残ってるのかも」
新右衛門はその言葉を、心に留めた。
「それを……聞けるのは、おまえだけだな」
おせんは微笑み、でも少しだけ、寂しそうに頷いた。
「うん。だから、きっと、私が――やらなくちゃいけないのよ」
夜の町は、あまりにも静かだった。人々が眠りについたあとの江戸は、音もなく、まるで息を潜めているかのようだった。新右衛門は、薬研堀橋のたもとに立っていた。
そばにはおせんの姿。
「……ここ、あの女が出たというのは?」
「うん。何度もここで見かけたの。夜が深くなった頃、橋の中央に……誰にも気づかれないように、すっと現れるのよ。真っ白な顔、だけど目は空っぽで……足が、ないの」
おせんの声はささやくように小さかった。だが、その声には確かな恐怖と、切実さがあった。
新右衛門は橋に一歩踏み出し、欄干に手をかける。
橋の下から、微かな水の音がした。何かを洗うような、いや、何かを引きずるような音。
「……いるのか」
新右衛門は目を凝らす。だが、そこには何もいなかった。ただ、かすかに風が吹いた。
「旦那……」
背後で藤吉が声を低くした。彼もまた、どこかの影に霊の気配を感じているらしい。だが、藤吉には見えない。新右衛門にも、まだ、見えてはいない。
そのときだった。
一陣の風が、ざっと吹き抜けた。水面が騒ぎ、夜の空気がひときわ重くなる。と――
橋の中央。そこに、影が立っていた。
女だ。おせんが言っていたとおりの、足のない、白い着物の女。髪は濡れたように垂れ下がり、顔は闇に沈んで、目のあるはずの位置がぽっかりと虚ろだった。
新右衛門は、すぐさま手を柄にかけた。今は影切りの刀として霊を斬る力を帯びている。
だが、女は動かない。ただ、静かに、こちらを見ていた。
「……斬るか?」
おせんが、小さく問うた。新右衛門は答えなかった。刀に込められた霊を滅する力、それは斬れば消えるというだけで、救いにはならない。
そのとき、女の口が開いた。
――あたしを……返して……。
声だった。音にならないほど小さく、けれど確かに、新右衛門の耳に届いた。
「返せ……? 何を……?」
「名だと思う」
おせんが、そっと囁いた。「きっと、自分の名前も、何もかも……辻斬りのあの刀に奪われて……だから、何も残せないまま、ここに立ってるんだわ」
「……おまえには、声が聞こえるのか?」
「感じるの。すぐそばで、ずっと泣いてるような気持ちが……あの女から、流れ込んでくるの」
新右衛門は、しばらく考えた。
斬ることはできる。だが、それは、ただの“消去”に過ぎない。何も知らずに、ただ一つの存在を斬る――それは、死をもって声を封じる行為に他ならない。
「この女……何を訴えたいのか、それだけでも、聞いてやれぬか」
「……あたし、聞いてみる」
おせんは橋に歩を進めた。幽霊であるがゆえに、女の霊に近づける。けれど、今にも吸い込まれそうなその気配に、新右衛門は思わず身を乗り出す。
「気をつけろ」
「大丈夫。あたし……もう死んでるから」
その言葉に、新右衛門は言葉を失った。おせんの笑みは、どこか儚かった。
おせんが霊に近づいたとき、空気が揺れた。霊の裾がふわりと舞い、女の口が、また音もなく開く。
おせんが、耳を寄せるようにして立ち止まった。
――さよ……。
その名が、おせんの口を通して、空にこぼれた。
すると、女の霊がかすかに震えた。白い着物の裾がふわりと揺れ、目のない顔が、まるで涙を流すように、空に解けてゆく。
「名を……思い出せたのね……」
おせんが、ぽつりと呟く。
だが、霊は成仏したわけではなかった。残る想いは、まだ夜に溶けずに残っていた。姿は消えたが、怨念の残り香だけが、風に混じっていた。
「旦那、あれは……」
「斬らなかった」
「え?」
「……名を、取り戻させた。それだけで、あの女は……少し、楽になったように思う」
「じゃあ、あの“妖刀”ってのは……」
「刀に斬られた者の名も、思いも、すべて飲み込んでるのかもしれない」
「まるで……腹の中に霊をためてるみてぇなもんだな」
藤吉の言葉に、新右衛門は小さく頷いた。
「次に出会うときは……斬らなければならん霊もいるだろうな」
その言葉に、おせんが寂しそうにうなずいた。
「でも、できる限り……その人たちの声、ちゃんと聞いてあげてね」
新右衛門は、まっすぐに彼女を見た。
「……おまえが、そうしてくれるならな」
おせんは、はにかんだように微笑んだ。そして、その姿はまた、月の影の中に溶けていった。
翌朝、霊雲寺で天明和尚が一枚の絵を見せた。女の姿。白無垢、裸足。顔のないその絵は、かつて描かれた地獄草紙の断片だったという。
「これが……その“足のない女”か?」
「ああ。名を呼ぶと、霊の姿がやや変わる。……やはり、“名”は、魂の結び目に通じるのだ」
和尚の声に、新右衛門は目を閉じた。
「なら、名を思い出させ、語らせることで、少しでもその魂の結び目がほどけるかもしれぬ」
「……そういうことだな」
そして、新右衛門は、刀の柄に手を添えながら思った。
まだ、戦いは終わらぬ。だが、今夜――名も知られずに斬られた者の、たった一つの「声」は、確かに届いた。
それだけでも、たしかに意味があった。
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【登場人物】
帰蝶(きちょう):美濃の戦国大名、斎藤道三の娘。通称、濃姫(のうひめ)。
織田信長:尾張の戦国大名。父・信秀の跡を継いで、尾張を制した。通称、三郎(さぶろう)。
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