104 / 128
第104話 1537年 7歳 反乱組に農業を任せるぞ
しおりを挟む俺
『中条藤資の方には別の仕事を頼みたい。
こっちの部屋に来てくれ』
中条藤資を連れて来た部屋には、
事務の真田に頼んでいた農業指導員が五十名並んでいる。
真田
『若様、この度はご婚姻おめでとうございます!』
真田は俺が留守の間に事務員を更に百名程増やしていた。
俺が事務員を大量にもらっているので、増やし過ぎとは言い辛い。
俺
『真田よ、事務員を三十名程、
竹俣清綱と色部勝長に付けて手伝ってやって』
真田は
「また事務員を増やさないとな」
という顔をしているぞ。
俺
『俺は越後に混合農業を導入し、
冷害に強く百万石相当の国にしたい。
まず混合農業とは、
作物栽培と家畜の飼育を組み合わせた農業だ。
混合農業は冷害に強い。
家畜は、まずニワトリを飼う。
それが慣れた頃に牛を飼う。
作物は水が豊富な所は米だ。
水が豊富ではない所は小麦と大豆。
山では養蜂のための
アブラナ・大豆・ベニバナを育てる。
百万石にするため、
新田開発と農業用水も作らないといけない。
これらの総合監督に中条藤資がなる。
中条は農業指導員に農家を回らせ、
どこを治水して米とするか、
小麦とするか決めろ。
農業指導員は
ニワトリの飼育方法も指導してくれ。
農業指導員が報告した結果を、
中条藤資が越後国人衆に説明していけ』
中条
『ニワトリなんてどうするのですか。
卵くらいしか使い道がない。』
俺
『ニワトリほど役に立つ動物はいない。
肉や骨は栄養価も高い。
羽は将来、布団や服の原料となり、
糞は肥料となる。
隣の部屋に鶏の煮込みを用意させてある。
お前達も来い。
竹俣と色部も呼んでやれ』
<鶏鍋試食>
隣の大部屋に行く。
部屋には大鍋が三つある。
一つは米に味噌を入れて煮込んだ鍋。
兵士が戦場で食べる物だ。
二つ目は、
米と鶏の骨と味噌を煮込んだ鍋。
ニワトリが普及したら、
兵士に戦場で食べさせたい物だ。
三つ目は、
鶏肉と野菜と味噌を煮込んだ鍋。
ニワトリが普及したら、
家庭で食べて欲しい物だ。
まず一つ目を食べた竹俣清綱は、
竹俣
『戦場ではこんな物ですな。
生の米をかじる事もありますわい』
次に二つ目を食べた竹俣清綱は、
竹俣
『美味い。骨のクセに良い味出す。』
俺
『栄養価も高い。
ニワトリが農家に普及したら、
兵士の糧食にニワトリを加えたい。
糧食が美味しければ、
兵士もやる気出るだろ。』
色部
『全くそうだ。
若様は何で兵士の気持ちが分かるのか?』
竹俣
『バカだな色部。
若様はみんなお見通しだから、
儂らは若様に負けたんじゃろ。
ガッハッハ』
ケンカになる前に、
俺
『三つ目の鍋も食べてくれ』
皆、口々に美味しいという。
俺
『俺はニワトリを飼う事を全農家に普及させ、
皆が自然にニワトリを食べられる状態にしたい。
皆が肉食しないのは、
殺生は良くないという仏教の教えからだ。
坊主だって植物を食べている。
鶏の命も植物の命も平等だろう。
命は循環する事が自然の摂理だ』
竹俣
『儂は美味ければ何でも良い。
若様、これだけ美味しい物を食べさせて、
酒を飲まんのは自然の摂理に反するぞ』
それはお前個人のルールだぞ。
俺
『まぁ良いぞ。
酒でも飲め。
明日からキチンと働け』
<普及計画と未来布石>
俺は飯を食いながら、
中条とニワトリの普及計画について話す。
ニワトリはこの時代、
一羽二十文程で市場で売られている。
これを毎年五千羽購入し、
越後の農家に配る。
三年は食べるな、卵も売るなとして増やす。
毎年五千羽購入していけば、
三年で全ての農家に行き渡る。
一万五千羽いれば、
毎年五千羽くらい繁殖する。
これらを徴収して国人衆に配ったり、
兵士の糧食に使いたい。
次に農業指導員と話す。
転生前の父の職業は米農家だ。
当時は化学肥料が中心だが、
有機肥料も父から教えられている。
農業指導員に、
鶏糞・人糞の有機肥料への転換方法を詳しく教えていく。
収集:人糞や鶏糞を集める。
堆肥化:好気性微生物で発酵させ、温度を上げて病原菌を殺す。
熟成:水分・臭いを調整し、安全な肥料に仕上げる。
これで土壌に撒ける。
竹俣は色部と外交について喋っている。
後で彼らとも意見交換しておこう。
1
あなたにおすすめの小説
私の名は多米又三郎。三河東部の国境を任されていますが周囲は全て親今川なので安全安心。と思っていたらその今川と揉めた国衆が我が城に……。
俣彦
ファンタジー
超無名でありますが戦国時代に実在した国衆多米又三郎。
三河と遠江の国境地帯に居を構えるも、多米氏を含め周りは全て今川方のため安全安心。
と思っていたら独立心旺盛な牧野氏が今川と喧嘩。ただこれは全盛期の伊勢盛時の力もあり、火の粉が降りかかる事は無かったのでありましたが……。
次に出て来た戸田氏が宣戦布告の地に選んだのが……。
今川より託されている我が居城。船方山城でありました……。
天竜川で逢いましょう 〜日本史教師が石田三成とか無理なので平和な世界を目指します〜
岩 大志
ファンタジー
ごくありふれた高校教師津久見裕太は、ひょんなことから頭を打ち、気を失う。
けたたましい轟音に気付き目を覚ますと多数の軍旗。
髭もじゃの男に「いよいよですな。」と、言われ混乱する津久見。
戦国時代の大きな分かれ道のド真ん中に転生した津久見はどうするのか!!???
そもそも現代人が生首とか無理なので、平和な世の中を目指そうと思います。
【完結】俺が信長で、幼馴染が吉乃と濃姫!? ~転生幼馴染トリオ、本能寺フラグ回避して戦国スローライフ目指します
月影 流詩亜
ファンタジー
事故で転生したのは、まさかの織田信長!?
しかも、隣にいたはずの可愛い幼馴染(双子)も、なぜか信長の側室「吉乃」と正室「濃姫」に!
史実の本能寺フラグを回避するため、うつけの仮面の下、三人は秘密の同盟を結ぶ。
現代知識と絆を武器に、戦国スローライフを目指すサバイバル開幕!
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
中条景泰に転生した私。場所は魚津。目の前には織田の大軍。当主も越後に去り、後は死を待つばかり。今日は天正10年の6月2日……ん!?
俣彦
ファンタジー
ふとした切っ掛けで戦国武将に転生。
しかし場所は魚津城で目の前には織田の大軍。
当主上杉景勝も去り絶望的な状況。
皆が死を覚悟し準備に取り掛かっている中、
暦を見ると今日は天正10年の6月2日。
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
名もなき民の戦国時代
のらしろ
ファンタジー
徹夜で作った卒論を持って大学に向かう途中で、定番の異世界転生。
異世界特急便のトラックにはねられて戦国時代に飛ばされた。
しかも、よくある有名人の代わりや、戦国武将とは全く縁もゆかりもない庶民、しかも子供の姿で桑名傍の浜に打ち上げられる。
幸いなことに通りかかった修行僧の玄奘様に助けられて異世界生活が始まる。
でも、庶民、それも孤児の身分からの出発で、大学生までの生活で培った現代知識だけを持ってどこまで戦国の世でやっていけるか。
とにかく、主人公の孫空は生き残ることだけ考えて、周りを巻き込み無双していくお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる