神様、恋をすれば世界は救われるのですか? 〜余命二年の侯爵令嬢が、選ばれなかった未来の先で最愛を見つける物語〜

お月見ましろ

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《選択の罪》

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 人は、選ばなかったと思いたがる。

 流れに従っただけ。仕方がなかった。
 そうするしかなかった。

 それらはすべて、選択の痕跡を薄めるための言葉だ。

 だが、現実は単純だ。

 守ると決めた。譲ると決めた。
 黙ると決めた。何かを後回しにすると決めた。

 その瞬間ごとに、別の道は存在していた。

 選ばなかったのではない。
 選ばなかった「ふり」をしただけだ。

 選択は、常に同時に起きる。
 誰かを守る選択は、自分を削る選択でもある。

 それを知らなかった者はいない。

 知っていて、選んだ。
 だからこそ、結果は静かに積み重なる。

 これは罰ではない。裁きでもない。

 ただ、選択が続いた先にあるものだ。

 選択は、正しかったかもしれない。
 救われたものも、確かに存在する。

 それでも。

 選択の重さは、選んだ者自身から逃げない。

 忘れてはならない。

 選択したという事実を。

 それを否定した瞬間、次の選択肢は、失われる。

 もっとも静かで、もっとも自覚されにくい罪。

 ――選択の罪


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