60 / 94
60.妖精猫
しおりを挟む
しゃべる猫は獣人って奴なのかな。
大きな瞳と耳。
全身にふわふわの毛があり、しっぽも付いている。
「猫か……」
「違うにゃ! ケット・シーにゃ!」
「ケット・シー?」
「お兄さん知らにゃいの?」
「ああ、初めて見た」
洋服を着て剣を装備している猫なんて普通見たことないだろう。
この世界では常識なのか?
ぬいぐるみがしゃべっているみたいだ。
「そのケット・シーさんが俺の船で何をしてたんだ?」
「ケット・シーは名前じゃないにゃ。僕の名前はアルルにゃ」
「アルルニャ?」
「アルル! にゃ」
「で、そのアルルは何してるんだ?」
「えっ! そこはお兄さんも名乗るところじゃにゃいの?」
自分が名乗ったからといって、相手も名乗ってくれるなんて思うなよ。
「俺の船に勝手に乗っている奴に普通は名乗らないだろ?」
「にゃあああ! たしかに! ごめんにゃ、勝手に乗ったのは謝るにゃ。でもでも船を傷つけるつもりなんてなかったにゃ」
ぺこぺこするアルル。
何だかそんな愛らしい顔で謝られると罪悪感が半端ないんだけど。
俺がいじめているみたいじゃないか。
「傷つけようとしていなかったのは分かった。じゃあ何してたんだ?」
「えっと、この船に強い力を感じたにゃ。それが気になって見にきたにゃ」
この船の材料は普通じゃ使わない魔獣の物を使っているし、何か感じるものがあるのだろう。
『鑑定』とは違って感覚的なものなのかもしれない。
「そんなことが分かるんだな?」
「ケット・シーはそういう感覚が鋭い種族にゃ。お兄さんからもとても強い力を感じるにゃ」
『隠蔽』と『偽装』のスキルで本当のステータスは、分からないようにしているはずなんだけど。
本当に鋭いんだな。
「レンヤだ」
「にゃっ?」
「俺の名前」
悪い奴でも無さそうだし名乗ってみた。
見た目の可愛さに、ほだされた部分はおおいにあるけど。
「ああ、レンヤって名前なんにゃ。よろしくにゃ!」
そういうとアルルは背伸びして手を伸ばす。
握手を求めているようだ。
俺は少しかがんでアルルの小さい手を握る。
「よろしく!」
指短いな。
肉球がとても気持ちいい。
でもこんな手で剣を握れるのか不思議だったので聞いてみた。
「けっこう上手くできるにゃ」
そういうとアルルは剣をシャっと抜く。
にゃあにゃあと空中を斬ってみせる。
剣も身体に合わせて小さい。
「へえ、器用なもんだな」
「ふふん。アルルは剣士だからにゃ。剣の扱いには慣れてるにゃ」
たしかにしっかりと握れているみたいだ。
肉球でグリップがいいのかもしれない。
「レンヤはこの街の人じゃないにゃ?」
アルルは剣を鞘に納めるとそんなことを聞いてきた。
「ああ、違うけど、どうしてそう思ったんだ?」
「ん、格好も街の人達と違うし、とても強そうにゃ。大会の参加者かと思ったんにゃ」
「大会?」
「あれ? 違ったかにゃ? 強者はこの街に集まってきてるから、そうだと思ったんにゃけど」
何か勘違いしているみたいだ。
俺は何の大会かも知らないしな。
「いやこの街には観光で来たんだよ」
シーナとネネの国の情報収集という目的も忘れてはいない。
しかし二人にはそれほど急がなくてもいいと言われている。
だから観光がメインで間違いないだろう。
「そうなんだ、観光なんにゃ……」
納得いってない感じだな。
その時二人の男が俺たちに近づいてくる。
「何か問題か? アルル!」
そのうちの一人がアルルに話しかける。
ガタイのいい少し強面の男。
どうやらアルルの連れみたいだ。
服にアルルと同じ円形のマークが見える。
冒険の仲間かチームの証みたいな物なのだろう。
どうやら俺がアルルに絡んでいるようにでも見えたのか。
俺を警戒して二人の男は睨んでいる。
下手なことをすれば飛びかかって来そうだ。
「この人は悪い人じゃないにゃ。ちょっと話してただけにゃ」
アルルは二人をなだめるようにいう。
「そうなのか。すまない兄さん脅かしてしまったな」
男の一人が俺に話しかけてくる。
「ああ、問題ない。これだけ可愛いなら心配にもなるだろう」
「にゃにゃにゃ!」
うちのスララとリトルとまた違う癒し力。
チームのマスコット的存在なんだろう。
「なかなか話が分かるな、兄さん」
「まあな」
可愛いは共通したようだ。
自然と笑顔になる俺たち。
「む、迎えも来たしそろそろ行くにゃ、レンヤ。会えて良かったにゃ」
「ああ、俺もだ」
「でもレンヤとはまた会えそうな気がするにゃ」
「そうか? まあしばらくはこの街にいるからまた会えるかもな」
「じゃあにゃ!」
「ああ」
そういうとアルルは二人の男に連れられて去っていった。
(この世界には人間だけでなく色々な獣人がいるんだな)
魔人もいたしな。様々な人種がいるのだろう。
そういえばアルルは大会がどうとか言ってたな。
男たちがきたから聞きそびれた。
戻ったらマルティーロさんに聞いてみるか。
大きな瞳と耳。
全身にふわふわの毛があり、しっぽも付いている。
「猫か……」
「違うにゃ! ケット・シーにゃ!」
「ケット・シー?」
「お兄さん知らにゃいの?」
「ああ、初めて見た」
洋服を着て剣を装備している猫なんて普通見たことないだろう。
この世界では常識なのか?
ぬいぐるみがしゃべっているみたいだ。
「そのケット・シーさんが俺の船で何をしてたんだ?」
「ケット・シーは名前じゃないにゃ。僕の名前はアルルにゃ」
「アルルニャ?」
「アルル! にゃ」
「で、そのアルルは何してるんだ?」
「えっ! そこはお兄さんも名乗るところじゃにゃいの?」
自分が名乗ったからといって、相手も名乗ってくれるなんて思うなよ。
「俺の船に勝手に乗っている奴に普通は名乗らないだろ?」
「にゃあああ! たしかに! ごめんにゃ、勝手に乗ったのは謝るにゃ。でもでも船を傷つけるつもりなんてなかったにゃ」
ぺこぺこするアルル。
何だかそんな愛らしい顔で謝られると罪悪感が半端ないんだけど。
俺がいじめているみたいじゃないか。
「傷つけようとしていなかったのは分かった。じゃあ何してたんだ?」
「えっと、この船に強い力を感じたにゃ。それが気になって見にきたにゃ」
この船の材料は普通じゃ使わない魔獣の物を使っているし、何か感じるものがあるのだろう。
『鑑定』とは違って感覚的なものなのかもしれない。
「そんなことが分かるんだな?」
「ケット・シーはそういう感覚が鋭い種族にゃ。お兄さんからもとても強い力を感じるにゃ」
『隠蔽』と『偽装』のスキルで本当のステータスは、分からないようにしているはずなんだけど。
本当に鋭いんだな。
「レンヤだ」
「にゃっ?」
「俺の名前」
悪い奴でも無さそうだし名乗ってみた。
見た目の可愛さに、ほだされた部分はおおいにあるけど。
「ああ、レンヤって名前なんにゃ。よろしくにゃ!」
そういうとアルルは背伸びして手を伸ばす。
握手を求めているようだ。
俺は少しかがんでアルルの小さい手を握る。
「よろしく!」
指短いな。
肉球がとても気持ちいい。
でもこんな手で剣を握れるのか不思議だったので聞いてみた。
「けっこう上手くできるにゃ」
そういうとアルルは剣をシャっと抜く。
にゃあにゃあと空中を斬ってみせる。
剣も身体に合わせて小さい。
「へえ、器用なもんだな」
「ふふん。アルルは剣士だからにゃ。剣の扱いには慣れてるにゃ」
たしかにしっかりと握れているみたいだ。
肉球でグリップがいいのかもしれない。
「レンヤはこの街の人じゃないにゃ?」
アルルは剣を鞘に納めるとそんなことを聞いてきた。
「ああ、違うけど、どうしてそう思ったんだ?」
「ん、格好も街の人達と違うし、とても強そうにゃ。大会の参加者かと思ったんにゃ」
「大会?」
「あれ? 違ったかにゃ? 強者はこの街に集まってきてるから、そうだと思ったんにゃけど」
何か勘違いしているみたいだ。
俺は何の大会かも知らないしな。
「いやこの街には観光で来たんだよ」
シーナとネネの国の情報収集という目的も忘れてはいない。
しかし二人にはそれほど急がなくてもいいと言われている。
だから観光がメインで間違いないだろう。
「そうなんだ、観光なんにゃ……」
納得いってない感じだな。
その時二人の男が俺たちに近づいてくる。
「何か問題か? アルル!」
そのうちの一人がアルルに話しかける。
ガタイのいい少し強面の男。
どうやらアルルの連れみたいだ。
服にアルルと同じ円形のマークが見える。
冒険の仲間かチームの証みたいな物なのだろう。
どうやら俺がアルルに絡んでいるようにでも見えたのか。
俺を警戒して二人の男は睨んでいる。
下手なことをすれば飛びかかって来そうだ。
「この人は悪い人じゃないにゃ。ちょっと話してただけにゃ」
アルルは二人をなだめるようにいう。
「そうなのか。すまない兄さん脅かしてしまったな」
男の一人が俺に話しかけてくる。
「ああ、問題ない。これだけ可愛いなら心配にもなるだろう」
「にゃにゃにゃ!」
うちのスララとリトルとまた違う癒し力。
チームのマスコット的存在なんだろう。
「なかなか話が分かるな、兄さん」
「まあな」
可愛いは共通したようだ。
自然と笑顔になる俺たち。
「む、迎えも来たしそろそろ行くにゃ、レンヤ。会えて良かったにゃ」
「ああ、俺もだ」
「でもレンヤとはまた会えそうな気がするにゃ」
「そうか? まあしばらくはこの街にいるからまた会えるかもな」
「じゃあにゃ!」
「ああ」
そういうとアルルは二人の男に連れられて去っていった。
(この世界には人間だけでなく色々な獣人がいるんだな)
魔人もいたしな。様々な人種がいるのだろう。
そういえばアルルは大会がどうとか言ってたな。
男たちがきたから聞きそびれた。
戻ったらマルティーロさんに聞いてみるか。
0
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる