異世界に飛ばされたけど『ハコニワ』スキルで無双しながら帰還を目指す

かるぼな

文字の大きさ
74 / 94

74.すり替え

しおりを挟む
 今日は朝からマルティーロさんの商会に向かう。
 魔獣の素材がいくらで売れるのか楽しみだ。

 そういえばコカトリスの素材とドロップアイテムもインベントリに入れっぱなしだ。
 スララが回収してくれたからな。

 本来ならギルドで買い取りなんだろうけど、非会員はそこら辺自由みたいだ。
 ギルドマスターのサーシャもなにも言ってなかった。
 引き取ってもらえるかマルティーロさんに聞いてみるか。

 店内に入ると結構な人数の客がいる。
 朝から道具をそろえて冒険にいく者たちなのかもしれない。

 奥にマルティーロさんが見える。

「おお、レンヤさん! ようこそいらっしゃいました」

 マルティーロさんは快く迎えてくれる。

「セレスさんから連絡を貰ってね」
「そうですか、お待ちしておりました。こちらの部屋にどうぞ」

 そういうと店の奥の部屋に通される。

「こちらで座ってお待ちください。準備して参ります」

 そういうとマルティーロさんは部屋から出ていく。
 通された部屋は前回と同じで大きく綺麗な内装だ。

「店には色々と置いてありましたね」
「そうだな」

 武器、防具、各種道具など多岐にわたる品物がおいてあった。
 ここだけで冒険に必要な物は揃ってしまうのかもしれない。

 するとドアをノックする音が聞こえ、アヤメが入ってくる。

「いらっしゃい。レンヤはん。シーナはんもネネはんも」

 そういうと俺たちの前に飲み物をおいてくれる。

「ああ、ありがとう」
「レンヤはんたちコカトリス倒したんやって?」
「なんだ、もう知っているんだな」

 やっぱりこの街は噂が広がるのが早い。

「男一人女二人の三人組が倒したって色々なお客さんたちが噂しとんよ。そりゃもう、レンヤはんたちだとピンときたね!」

 この店は人の出入りが激しそうだから噂も耳に入りやすいのだろう。
 
「コカトリスの素材はこちらで引き取り可能なのか?」
「もちろんや。喜んで引き取らせて貰います」

 それを聞いて安心した。
 困ったらアヤメのところに持ってくれば何とかしてくれそうだ。
 まあ『ハコニワ』内に入れておけば、お金以外は問題ないのだけどな。
 もしかしたら『ハコニワ』で金貨とか作れるかもしれないけど……。

「レンヤさん、お待たせしました」

 マルティーロさんが台車と共に部屋に入ってくる。

「それはなんだ?」

 台車の上には布が掛けられている。
 するとマルティーロさんは布をとりいう。

「こちらがお預かりした素材の引取り額になります」

 台車の上には金貨が山積みになっている。
 キラキラと金色に光る光景は圧巻だ。

「まあ!」
「す、凄い枚数ですね、レンヤさん!」
「ああ、一体何枚あるんだ?」

 俺はマルティーロさんにたずねる。

「はい。2000枚になります!」

 たしか金貨一枚10万円だったか。
 ということは金貨2000枚で二億円!

 強くなってからはそんなに苦労することもなく魔獣を討伐していた。
 それでこの金額を貰えるんだから凄いことだ。
 まあ、あの島の魔獣が特別だったのだろう。

「ずいぶんと高めに査定してくれたんじゃないか?」
「いえいえ、適性な価格でございます。うちの方で引き取らせていただいてよろしいでしょうか?」
「ああ、全部売らせてもらうよ」

 まだまだ素材はあるからな。
 換金出来てよかった。

「ところで引き取った素材は幾らで売るつもりなんだ?」

 俺は興味本位で聞いてみる。 

「ふふ、レンヤはん、それは秘密に決まっとるやん。いくらレンヤはんだって教えられへんよ」
「まあ、それはそうか」
「ええ、申し訳ありません」

 マルティーロさんは頭を下げる。
 アヤメもマルティーロさんもムフフといった笑みがこぼれているので、俺が思っている以上に儲けがあるのだろう。
 
 しかし2000枚の金貨か。
 はっきり言えば今のところ使い道がない。
 この街で生活するのにこんなにはいらないようだし。
 必要な物は『ハコニワ』で作ることもできる。
 ならば。

「アヤメ! この金貨500枚を運用してみないか?」
「運用?」
「ああ、アヤメに金貨500枚を預けるので、この資金を元手に増やしてもらいたいんだ」
「ふーん、うちの商人としての資質を確かめているんやね……」

 アヤメは考える素振りをみせる。

「レンヤはんの取り分はどれぐらいや?」
「儲けの三割でどうだ?」

 俺は少し吹っ掛けてみる。

「いやいや、ぼったくりやん! せいぜい5%ってところやね」

 アヤメは無理無理といった態度。
 商人モードに入ったようだ。

「じゃあこれを付けるといったらどうだ?」

 インベントリから腕輪を取り出しみせる。

「腕輪……やね?」
「これはマジックバッグだ。以前アヤメが海賊に襲われたとき、運搬していた荷物以上の容量が入る。これをやるといったら?」
「そ、そんなに! そんなら話は別やね……」

 容量があれば一度の取引量が多くなるから効率がいいはず。
 どうやらアヤメは頭の中で計算が始まったようだ。 
 
「そんなら、儲けの10%……いや15%でどうや?」
「……いいだろう。元金が半分になったら契約解除でどうだ?」
「ええ、問題あらへん。必ずプラスにします、オーナーはん」

 俺達は契約の握手をした。
 マルティーロさんも満足そうだ。
 アヤメの契約自体は商人として正しかったみたいだな。
 俺も金額の四分の一の投資だから妥当なところだろう。

「レンヤさん」
「ん? なんだシーナ?」
「難しいことを言っていましたけれど、結局はアヤメさんにマジックバッグをあげることが目的だったのではありませんか?」
「そうですね、シーナ様。独占欲とかマーキングみたいな感じでしょうね」

 とネネも続く。

「……」

 シーナさんネネさん、そういうことは思っても口にしてはいけないんじゃないかな。
 そんなことを思う俺だった。
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

処理中です...