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83.飛行
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せっかくアヤメのところに来たので、マルティーロさんにシーナとネネの国の新しい情報がないか聞きたかった。
でも商談で留守にしているらしい。
アヤメは目を合わせてそう答えたので、本当のことを言っていると思う。
じゃべり方も普通に戻っていたから間違いないだろう。
「じゃあ、これが今回の依頼の報酬やね」
アヤメが何もないテーブルに左手をかざすと金貨の山が現れる。
俺があげた左手のマジックバッグから金貨を出したようだ。
気に入っているみたいだな。
「いいのか?」
「もちろんや。成功報酬やからね。今回はほんまに助かりました」
きっちりとお辞儀をするアヤメ。
役に立てたようで良かった。
ありがたく貰っておこう。
「ギルドからも報酬が出るから忘れずに貰いに行ってなぁ」
「たしかそんなこと言ってたな。二重で報酬を貰っていいのか?」
「今回に関しては貰えるはずやね。未解決案件やったのでギルドからもいくらか出るんよ」
「そうなんだな」
まあ貰えるなら貰っておこう。
「協賛金から出されるとは思うんやけどね」
「協賛金? 出資者がいるってことか?」
「せやね。意外にそういうことにお金を使う金持ちがいるんよ」
「へえ」
未解決案件をなくそうとギルドに出資するなんて、この世界も捨てたもんじゃないな。
まあ税金対策なのかもしれないけど。
ちなみにこちらの税制がどうなっているかは知らない。
「とりあえずギルドマスターに会いに行ってみるよ」
アヤメと別れてギルドに向かうことにした。
「あっ、そういえばギルドに行く前に実験したいことがあるんだ」
シーナとネネに俺はいう。
属性スキルを見ていたときに思いついたことがあったので試したくなってきた。
「レンヤさんは検証とか実験が好きですわね」
「まあな。新しいことは試したくなるだろ?」
「ふふ、お時間が掛かりそうなのでしょうか?」
「そうだな、一、二時間ってところかな」
シーナは少し考えてからいう。
「でしたらわたくしたちは買い物に行ってもよろしいでしょうか?」
「ああ、構わないよ。金は共有から出してくれていいから、楽しんできてくれ」
「ありがとうございますわ。じゃあネネ行きましょうか」
「はい、シーナ様。レンヤさんありがとうございます」
二人はここまで戦いの連続だったからな。
女同士で羽を伸ばしてきてほしい。
今の二人をどうこうできる相手もいないだろう。
俺がいなくても大丈夫なはずだ。
「じゃあ後でギルド集合ってことで」
「「はい」」
とりあえず俺は実験ができる広くて誰もいないところに向かう。
街を出ると結構そんな場所はあるみたいだ。
『探知』で確認すると近くに人気はない。
「よし、やるか」
まあ実験といってもスキルの確認なんだけどな。
新しく覚えたスキルが気になっている。
それは『重力』だ。
重力調整できる弾が撃てたのなら纏ったらどうなるのか?
想像は付くけど、やってみたくなった。
「『重力纏』!」
ふわっと体が浮かび上がる。
「おおっ、成功だ!」
俺は魔力を調整しながらゆっくりと高度を上げていく。
周りから見られるのも嫌なので『隠蔽』で姿を消す。
これで安心だな。
このスキルは重力の調整が出来るので上がったり下がったりが可能だ。
魔力を高めれば上がり、少なくすれば下がる。
まあ上下にしか動けない。
だから一気に魔力を高めると……。
「はっ!」
ドン! と凄いスピードで上に打ち上げられる。
みるみる地面から離れあっという間に雲まで到達した。
魔力を纏っているからか空気抵抗も平気だし、苦しくもない。
生身でやったら体が壊れるとおもう。
(凄いなこれ)
しばらくは上下動を楽しみながらスキルに慣れていく。
ゆっくりと寝そべりながら浮かぶのもいいし、下を見ながら景色を楽しむのもいい。
いいスキルが手に入った。
「『風纏』!」
重力と共に風の魔力を纏う。
これにより水平に飛べるはずだ。
俺は魔力を高める。
「はっ!」
シュン! と先程よりも速いスピードで水平方向に移動する。
「なっ! 早すぎだろ!」
あっという間に先程の場所から遠ざかる。
街は見えなくなった。
重力がないとはいえ、なんて速さだ。
空気抵抗がなかったらもっと速いのかもしれない。
でもこのままじゃ使いにくいので調整が必要だ。
『並列』スキルを発動して重力と風を別々に調整してみる。
(うーん)
悪くはないんだけど動きがカクカクする。
直線的すぎるな。
『封印』を同時に発動して魔力の微調整をおこなってみる。
すると。
「おお、いいかも!」
動きも滑らかで思った通りの飛行ができるようになった。
魔力で三半規管を守れば酔うこともないだろう。
ゲームのように空中で技を繰り出すこともできる。
『重力纏』、『風纏』、『並列』、『封印』とスキルを4つも使うけど飛行スキルは完成した。
しかし問題が発生した。
調整に時間が掛かったから、どこをどう飛んできたのか分からない。
「街はどっちだ?」
俺はこの世界に来て初めて迷子になった。
でも商談で留守にしているらしい。
アヤメは目を合わせてそう答えたので、本当のことを言っていると思う。
じゃべり方も普通に戻っていたから間違いないだろう。
「じゃあ、これが今回の依頼の報酬やね」
アヤメが何もないテーブルに左手をかざすと金貨の山が現れる。
俺があげた左手のマジックバッグから金貨を出したようだ。
気に入っているみたいだな。
「いいのか?」
「もちろんや。成功報酬やからね。今回はほんまに助かりました」
きっちりとお辞儀をするアヤメ。
役に立てたようで良かった。
ありがたく貰っておこう。
「ギルドからも報酬が出るから忘れずに貰いに行ってなぁ」
「たしかそんなこと言ってたな。二重で報酬を貰っていいのか?」
「今回に関しては貰えるはずやね。未解決案件やったのでギルドからもいくらか出るんよ」
「そうなんだな」
まあ貰えるなら貰っておこう。
「協賛金から出されるとは思うんやけどね」
「協賛金? 出資者がいるってことか?」
「せやね。意外にそういうことにお金を使う金持ちがいるんよ」
「へえ」
未解決案件をなくそうとギルドに出資するなんて、この世界も捨てたもんじゃないな。
まあ税金対策なのかもしれないけど。
ちなみにこちらの税制がどうなっているかは知らない。
「とりあえずギルドマスターに会いに行ってみるよ」
アヤメと別れてギルドに向かうことにした。
「あっ、そういえばギルドに行く前に実験したいことがあるんだ」
シーナとネネに俺はいう。
属性スキルを見ていたときに思いついたことがあったので試したくなってきた。
「レンヤさんは検証とか実験が好きですわね」
「まあな。新しいことは試したくなるだろ?」
「ふふ、お時間が掛かりそうなのでしょうか?」
「そうだな、一、二時間ってところかな」
シーナは少し考えてからいう。
「でしたらわたくしたちは買い物に行ってもよろしいでしょうか?」
「ああ、構わないよ。金は共有から出してくれていいから、楽しんできてくれ」
「ありがとうございますわ。じゃあネネ行きましょうか」
「はい、シーナ様。レンヤさんありがとうございます」
二人はここまで戦いの連続だったからな。
女同士で羽を伸ばしてきてほしい。
今の二人をどうこうできる相手もいないだろう。
俺がいなくても大丈夫なはずだ。
「じゃあ後でギルド集合ってことで」
「「はい」」
とりあえず俺は実験ができる広くて誰もいないところに向かう。
街を出ると結構そんな場所はあるみたいだ。
『探知』で確認すると近くに人気はない。
「よし、やるか」
まあ実験といってもスキルの確認なんだけどな。
新しく覚えたスキルが気になっている。
それは『重力』だ。
重力調整できる弾が撃てたのなら纏ったらどうなるのか?
想像は付くけど、やってみたくなった。
「『重力纏』!」
ふわっと体が浮かび上がる。
「おおっ、成功だ!」
俺は魔力を調整しながらゆっくりと高度を上げていく。
周りから見られるのも嫌なので『隠蔽』で姿を消す。
これで安心だな。
このスキルは重力の調整が出来るので上がったり下がったりが可能だ。
魔力を高めれば上がり、少なくすれば下がる。
まあ上下にしか動けない。
だから一気に魔力を高めると……。
「はっ!」
ドン! と凄いスピードで上に打ち上げられる。
みるみる地面から離れあっという間に雲まで到達した。
魔力を纏っているからか空気抵抗も平気だし、苦しくもない。
生身でやったら体が壊れるとおもう。
(凄いなこれ)
しばらくは上下動を楽しみながらスキルに慣れていく。
ゆっくりと寝そべりながら浮かぶのもいいし、下を見ながら景色を楽しむのもいい。
いいスキルが手に入った。
「『風纏』!」
重力と共に風の魔力を纏う。
これにより水平に飛べるはずだ。
俺は魔力を高める。
「はっ!」
シュン! と先程よりも速いスピードで水平方向に移動する。
「なっ! 早すぎだろ!」
あっという間に先程の場所から遠ざかる。
街は見えなくなった。
重力がないとはいえ、なんて速さだ。
空気抵抗がなかったらもっと速いのかもしれない。
でもこのままじゃ使いにくいので調整が必要だ。
『並列』スキルを発動して重力と風を別々に調整してみる。
(うーん)
悪くはないんだけど動きがカクカクする。
直線的すぎるな。
『封印』を同時に発動して魔力の微調整をおこなってみる。
すると。
「おお、いいかも!」
動きも滑らかで思った通りの飛行ができるようになった。
魔力で三半規管を守れば酔うこともないだろう。
ゲームのように空中で技を繰り出すこともできる。
『重力纏』、『風纏』、『並列』、『封印』とスキルを4つも使うけど飛行スキルは完成した。
しかし問題が発生した。
調整に時間が掛かったから、どこをどう飛んできたのか分からない。
「街はどっちだ?」
俺はこの世界に来て初めて迷子になった。
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