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第23話 治療のお手伝いですね
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「今日はバレン兄上の所に行ってくれ」
「バレン様の所ですか?」
この前ちょうど、すれ違ってお叱りを受けたばかりだ。
随分とタイムリーな事だなとレイナは思う。
「メイドのお仕事でしょうか?」
レイナはこれでも一応メイドなので、それしかないと思うのだけれどと考える。
「いや、訓練での怪我の治療業務らしい」
「えっ、怪我の治療ですか!」
(私が怪我の治療を?)
レイナの頭に疑問が浮かぶ。
【ヒール】は使えるがそれ程、威力はない事は自分が一番良く分かっている。
もちろん、ニコラも分かっているはずだ。
だからニコラの話にレイナは驚く。
「バレン兄様と話をしたのだろう?」
「ええ、この前イーサン様と一緒にいらしたので」
まあ、イーサンに対する態度とかで怒られてしまったのだけれど……。
そこら辺の経緯をレイナはニコラに話す。
「ああ、バレン兄様はそういう礼儀とかには厳しいからな」
「はい。でも謝ったら直ぐに許していただけました」
「バレン兄様は、さばさばした性格だからな。謝罪を受け入れたのだろう」
確かに、謝罪後は普通に話して貰えたし後に引かない性格なのはレイナでも直ぐに分かった。
「ニコラ様とは違いますね」
レイナの口からポロっと言葉が飛び出す。
どちらかと言うとニコラは、ねちっとした性格をしている。
そんな想いからかレイナは言葉に出してしまう。
「はああ? どうやらしごきが足りないみたいだな。追加の訓練を考えておく!」
ニコラの目が光ったのではないかとレイナは自分の目を疑う。
「そ、そういうところですよニコラ様!」
レイナは精一杯の主張をする。
「どういうところだ? ふん、まあいい。バレン兄様の所に行ってこい!」
「うっ、分かりました」
バレンのいる第二騎士団は今の時間は訓練所にいるとの事。
バレン王子は第二騎士団の団長だ。
団員を指揮しているだけでなく自ら戦場に赴き剣を取る。
周りの人間達はひやひやしているらしいが、体を張って先頭で戦う王子は団員の中では人気が高い。
騎士団の中でも第二騎士団が一番と言われているほど、士気が高いのはその為だろう。
王子が自分たちと同じ戦場に立って戦ってくれたら、周りの人間もやる気が出るのは間違いない。
自分は安全な場所にいて部下に指示だけするより士気が上がるのは当然の事だろう。
レイナが訓練場に行ってみると団員と思われる人間達がいる。
ちょうど訓練中みたいで剣術の稽古をしている所だ。
「剣のスピード早っ!」
やはり団員は鍛えられているからか、動きの切れが違う。
さすがは国を守る人達だとレイナは納得する。
中でもバレンの動きは運を抜いていて凄い。
素人のレイナが見ても一目瞭然だ。
レイナもサムエルに剣術を訓練して貰っているからか、バレン達が自分とはレベルが違うというのが分かる。
団長ともなると、これぐらい出来ないといけないのかとレイナは自分の未熟さを知った。
でもここまでは出来なくてもレベルアップしたいとレイナは思う。
するとレイナに気が付いたバレンが近づいてくる。
「やあ、レイナ嬢よくきたな。今日はよろしく頼む」
「こんにちはバレン様。こちらこそよろしくお願いいたします」
バレンはあれだけ剣を振って汗一つかいていない。
これが騎士の実力かとレイナは感心する。
気持ちを切り替えてレイナは質問する事にした。
「本日は治療のお手伝いと聞いたのですけれど」
「ああ、訓練には怪我が付きものだからな。治療を頼みたい」
「はい。でも何故私なのでしょうか?」
不思議に思っていた事をレイナは口にする。
自分より回復魔法に長けた人間なんて結構いるだろう。
王宮内なら優秀な人が多いはずだとレイナは考えた。
そんな思いをレイナはバレンにぶつけてみる。
すると帰ってきた答えはこうだ。
「レイナ嬢は【ヒール】が使えるのだろう? それに兄上が気に入っているレイナ嬢に興味があってな」
(うわっ。単なる興味本位でしたか!?)
そんな理由にレイナは愕然とする。
「団長。誰ですかその可愛い人は?」
「団長の恋人ですか?」
団員達がレイナの事を見て興味深そうに集まってきた。
皆の目が集まると緊張してしまうのは、いつもの事だとレイナは諦める。
「訓練の回復要員として来てもらった。ちなみに兄上の想い人だから、お前ら手は出すなよ!」
「本当ですか!」
「イーサン様の!」
「い、いえ。違うんですけれど……」
レイナはそんな関係じゃないんですと続けたかったが周りの喧騒にかき消される。
だが言いたいことは言った方がいいだろうと思い直しバレンに主張した。
「バレン様、前にも言いましたけれどイーサン様とは雇用関係です」
「ん? あー、そうだったな」
(うわっ、全然信じてないし響いていない!?)
レイナは更に愕然とする。
「まあいい。今日はよろしく頼む」
この事に関してはバレンの中ではレイナの意見など、どうでもいいらしい。
仕方がなくレイナは答える。
「は、はい。お願いいたします」
レイナはとりあえず頷くしかなかった。
「バレン様の所ですか?」
この前ちょうど、すれ違ってお叱りを受けたばかりだ。
随分とタイムリーな事だなとレイナは思う。
「メイドのお仕事でしょうか?」
レイナはこれでも一応メイドなので、それしかないと思うのだけれどと考える。
「いや、訓練での怪我の治療業務らしい」
「えっ、怪我の治療ですか!」
(私が怪我の治療を?)
レイナの頭に疑問が浮かぶ。
【ヒール】は使えるがそれ程、威力はない事は自分が一番良く分かっている。
もちろん、ニコラも分かっているはずだ。
だからニコラの話にレイナは驚く。
「バレン兄様と話をしたのだろう?」
「ええ、この前イーサン様と一緒にいらしたので」
まあ、イーサンに対する態度とかで怒られてしまったのだけれど……。
そこら辺の経緯をレイナはニコラに話す。
「ああ、バレン兄様はそういう礼儀とかには厳しいからな」
「はい。でも謝ったら直ぐに許していただけました」
「バレン兄様は、さばさばした性格だからな。謝罪を受け入れたのだろう」
確かに、謝罪後は普通に話して貰えたし後に引かない性格なのはレイナでも直ぐに分かった。
「ニコラ様とは違いますね」
レイナの口からポロっと言葉が飛び出す。
どちらかと言うとニコラは、ねちっとした性格をしている。
そんな想いからかレイナは言葉に出してしまう。
「はああ? どうやらしごきが足りないみたいだな。追加の訓練を考えておく!」
ニコラの目が光ったのではないかとレイナは自分の目を疑う。
「そ、そういうところですよニコラ様!」
レイナは精一杯の主張をする。
「どういうところだ? ふん、まあいい。バレン兄様の所に行ってこい!」
「うっ、分かりました」
バレンのいる第二騎士団は今の時間は訓練所にいるとの事。
バレン王子は第二騎士団の団長だ。
団員を指揮しているだけでなく自ら戦場に赴き剣を取る。
周りの人間達はひやひやしているらしいが、体を張って先頭で戦う王子は団員の中では人気が高い。
騎士団の中でも第二騎士団が一番と言われているほど、士気が高いのはその為だろう。
王子が自分たちと同じ戦場に立って戦ってくれたら、周りの人間もやる気が出るのは間違いない。
自分は安全な場所にいて部下に指示だけするより士気が上がるのは当然の事だろう。
レイナが訓練場に行ってみると団員と思われる人間達がいる。
ちょうど訓練中みたいで剣術の稽古をしている所だ。
「剣のスピード早っ!」
やはり団員は鍛えられているからか、動きの切れが違う。
さすがは国を守る人達だとレイナは納得する。
中でもバレンの動きは運を抜いていて凄い。
素人のレイナが見ても一目瞭然だ。
レイナもサムエルに剣術を訓練して貰っているからか、バレン達が自分とはレベルが違うというのが分かる。
団長ともなると、これぐらい出来ないといけないのかとレイナは自分の未熟さを知った。
でもここまでは出来なくてもレベルアップしたいとレイナは思う。
するとレイナに気が付いたバレンが近づいてくる。
「やあ、レイナ嬢よくきたな。今日はよろしく頼む」
「こんにちはバレン様。こちらこそよろしくお願いいたします」
バレンはあれだけ剣を振って汗一つかいていない。
これが騎士の実力かとレイナは感心する。
気持ちを切り替えてレイナは質問する事にした。
「本日は治療のお手伝いと聞いたのですけれど」
「ああ、訓練には怪我が付きものだからな。治療を頼みたい」
「はい。でも何故私なのでしょうか?」
不思議に思っていた事をレイナは口にする。
自分より回復魔法に長けた人間なんて結構いるだろう。
王宮内なら優秀な人が多いはずだとレイナは考えた。
そんな思いをレイナはバレンにぶつけてみる。
すると帰ってきた答えはこうだ。
「レイナ嬢は【ヒール】が使えるのだろう? それに兄上が気に入っているレイナ嬢に興味があってな」
(うわっ。単なる興味本位でしたか!?)
そんな理由にレイナは愕然とする。
「団長。誰ですかその可愛い人は?」
「団長の恋人ですか?」
団員達がレイナの事を見て興味深そうに集まってきた。
皆の目が集まると緊張してしまうのは、いつもの事だとレイナは諦める。
「訓練の回復要員として来てもらった。ちなみに兄上の想い人だから、お前ら手は出すなよ!」
「本当ですか!」
「イーサン様の!」
「い、いえ。違うんですけれど……」
レイナはそんな関係じゃないんですと続けたかったが周りの喧騒にかき消される。
だが言いたいことは言った方がいいだろうと思い直しバレンに主張した。
「バレン様、前にも言いましたけれどイーサン様とは雇用関係です」
「ん? あー、そうだったな」
(うわっ、全然信じてないし響いていない!?)
レイナは更に愕然とする。
「まあいい。今日はよろしく頼む」
この事に関してはバレンの中ではレイナの意見など、どうでもいいらしい。
仕方がなくレイナは答える。
「は、はい。お願いいたします」
レイナはとりあえず頷くしかなかった。
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