53 / 92
第52話 安定のニコラ様ですね
しおりを挟む
国王への謁見は明日の朝からという事でレイナは暇を持て余す。
病後という事もありイーサンからは今日は休んでいればいいと言われているが、アルティアーク家でもゆっくりしていたレイナは体を動かしたいと思いニコラの元に向かう。
「やっぱり私、恵まれているよね」
魔法の師匠とはいえ、ニコラはこの国の第五王子だ。
そんな人物にふらっと行って会えるなど通常はあり得ない。
ちょっと話をしに行こうぐらいの感覚でレイナは考えているが、専属のメイドとして仕えているのだから彼のお世話をしなければならない。
レイナはその事をすっかり忘れている。
それを指摘されない時点で恵まれている環境にいるのは間違いない。
以前の国では目立つ容姿の為迫害されていたので、この国に連れてきて貰って良かったとレイナはイーサンに感謝する。
ニコラの事は王子ではあるが師匠としてか見ておらず自分の方が年上であるがレイナは敬語を使う事に全くと言っていいほど違和感を感じていない。
ニコラとしてはイーサンと話す様にフランクに話して貰いたいと思っている部分はあるが、師匠という立場なので仕方がないと少なからずそんな気持ちを持っている。
勿論、レイナはニコラのそんな想いに全く気づいてはいない。
そしてニコラの性格からすると心の内をレイナには絶対に言わないだろう。
「ニコラ様、ただいま戻りました」
「おう、随分と活躍だったみたいだな」
「……はい。何とかシールズ様の治療をする事が出来ました」
はいと答えるのも自分のおかげだと誇る様で恥ずかしいが、他に言葉が思い浮かばずレイナはそう答えた。
「シールズ様の予後も問題ない様なので戻って来ました」
「そうか。それは良かった。しかし何だか周りが騒がしいみたいじゃないか?」
ニコラもレイナの境遇は知っている。
「そ、そうなんですよ! 明日なんて国王様に呼ばれているんですから」
「まあ、仕方がないだろう。お前は目立ち過ぎたからな」
「ええ~、そうですかね?」
レイナとしてはただシールズを助けたいだけだったので目立つつもりなど無かった。
実際には国王から招集されるのだから、レイナは国として興味深いと判断されたのは間違いない。
「ところで国王様ってどんな方なのですか?」
国王はニコラの父親でもあるので丁度いいと、レイナはニコラに質問する。
「あー、まあ有能であり厳格な人だな。国のトップだからな。子供の躾にも厳しい」
「そうなんですね……」
子供の躾と言われレイナはニコラの自分への今までの態度を思い出してみるも、とても女性にやらない様な事ばかりやられてるなと思い返す。
しかしレイナは、紳士として問題があるのではないですかとは口が裂けてもニコラには言わない。
「ん? 何だ、その微妙そうな顔は?」
「いえ、何でもありませんよ!」
そんな気持ちを察したのかニコラは疑いの目を向けるが、レイナは力強く返答して何もない事をアピールする。
しかしクリスティーナに関してはニコラは紳士的だったので弟子である自分には心を開いてくれているのだとレイナはいい方向に解釈する事にした。
ニコラはやれば出来る人なのだろうと。
「でもそれほど厳しい方なら私の事もシビアに考えられるでしょうね……」
利用価値の高いレイナを国の為に使わない理由はない。
有能な人間ならば尚更そうであろう。
「まあな、これまでの様な自由は制限される可能性は高いな」
「ですよね……」
レイナは明日の謁見に不安を覚える。
病後という事もありイーサンからは今日は休んでいればいいと言われているが、アルティアーク家でもゆっくりしていたレイナは体を動かしたいと思いニコラの元に向かう。
「やっぱり私、恵まれているよね」
魔法の師匠とはいえ、ニコラはこの国の第五王子だ。
そんな人物にふらっと行って会えるなど通常はあり得ない。
ちょっと話をしに行こうぐらいの感覚でレイナは考えているが、専属のメイドとして仕えているのだから彼のお世話をしなければならない。
レイナはその事をすっかり忘れている。
それを指摘されない時点で恵まれている環境にいるのは間違いない。
以前の国では目立つ容姿の為迫害されていたので、この国に連れてきて貰って良かったとレイナはイーサンに感謝する。
ニコラの事は王子ではあるが師匠としてか見ておらず自分の方が年上であるがレイナは敬語を使う事に全くと言っていいほど違和感を感じていない。
ニコラとしてはイーサンと話す様にフランクに話して貰いたいと思っている部分はあるが、師匠という立場なので仕方がないと少なからずそんな気持ちを持っている。
勿論、レイナはニコラのそんな想いに全く気づいてはいない。
そしてニコラの性格からすると心の内をレイナには絶対に言わないだろう。
「ニコラ様、ただいま戻りました」
「おう、随分と活躍だったみたいだな」
「……はい。何とかシールズ様の治療をする事が出来ました」
はいと答えるのも自分のおかげだと誇る様で恥ずかしいが、他に言葉が思い浮かばずレイナはそう答えた。
「シールズ様の予後も問題ない様なので戻って来ました」
「そうか。それは良かった。しかし何だか周りが騒がしいみたいじゃないか?」
ニコラもレイナの境遇は知っている。
「そ、そうなんですよ! 明日なんて国王様に呼ばれているんですから」
「まあ、仕方がないだろう。お前は目立ち過ぎたからな」
「ええ~、そうですかね?」
レイナとしてはただシールズを助けたいだけだったので目立つつもりなど無かった。
実際には国王から招集されるのだから、レイナは国として興味深いと判断されたのは間違いない。
「ところで国王様ってどんな方なのですか?」
国王はニコラの父親でもあるので丁度いいと、レイナはニコラに質問する。
「あー、まあ有能であり厳格な人だな。国のトップだからな。子供の躾にも厳しい」
「そうなんですね……」
子供の躾と言われレイナはニコラの自分への今までの態度を思い出してみるも、とても女性にやらない様な事ばかりやられてるなと思い返す。
しかしレイナは、紳士として問題があるのではないですかとは口が裂けてもニコラには言わない。
「ん? 何だ、その微妙そうな顔は?」
「いえ、何でもありませんよ!」
そんな気持ちを察したのかニコラは疑いの目を向けるが、レイナは力強く返答して何もない事をアピールする。
しかしクリスティーナに関してはニコラは紳士的だったので弟子である自分には心を開いてくれているのだとレイナはいい方向に解釈する事にした。
ニコラはやれば出来る人なのだろうと。
「でもそれほど厳しい方なら私の事もシビアに考えられるでしょうね……」
利用価値の高いレイナを国の為に使わない理由はない。
有能な人間ならば尚更そうであろう。
「まあな、これまでの様な自由は制限される可能性は高いな」
「ですよね……」
レイナは明日の謁見に不安を覚える。
43
あなたにおすすめの小説
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!
寿明結未(旧・うどん五段)
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。
皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。
この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。
召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。
確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!?
「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」
気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。
★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします!
★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる