69 / 92
第68話 実践訓練ですね
しおりを挟む
「お前には今度、魔物と戦ってもらう」
「えっ!?」
例の魔法訓練場で特訓中にニコラはそんなことを言い始めた。
ニコラの衝撃的な発言にレイナは驚く。
想像はしていたが魔物がどんなものかはレイナは見たことがない。
だからからか戦うと言われても不安がある。
「訓練ばかりでは意味がないからな」
「そうなんですけれど、必要なんでしょうか?」
レイナは強くなりたいとは思ってはいるが、積極的に魔物と対決したい訳ではない。
自分の身が守れて危険から逃げられる力が欲しいだけだ。
「王宮の外で生きていくのなら魔物と遭遇する事もあるだろう。その時に経験しておけば良かったと言っても遅いからな。実践は必要だ」
「な、なるほど」
その台詞をいったニコラの顔が一瞬寂しさを帯びた様な気がしたのは気のせいではないだろう。
いつかレイナがここから出ていく、そんな予感がしているのかもしれない。
レイナはニコラの言葉を噛み締めるように頷く。
「分かりました、よろしくお願いします。そう言えばバレン様達第二騎士団も魔物討伐に向かわれたのですよね?」
「ああ。あれは調査と討伐が目的だからな規模が違う。これからお前が戦うのは、まあ比較的弱い魔物だ」
いきなり強い魔物と戦わされてもレイナとしても困ってしまう。
ただニコラの言い方にレイナは引っ掛かる。
「弱いではなく比較的弱いですか?」
「ん? そうだ弱いとはいえ魔物だからな。侮っていたらやられるぞ」
「は、はい!」
人間を見れば襲うのが習性らしいので油断は出来ないと言う事だろう。
弱い魔物でもゲームの様な経験値稼ぎの相手とはいかないのかもしれないとレイナは気を引き締めた。
その時ニコラはレイナに指を向ける。
これは二人の間で決まっている約束事になっているのでレイナも反応する。
ニコラの指から放たれた雷撃はレイナに向かう。
慣れたもので回避出来るものは躱し、避けきれないものは魔力を纏い防御する。
ニコラは複数の雷撃を放っているのにもかかわらず、完璧に処理するレイナに頼もしさを感じる反面、どこか苛立ちに似た感情を抱く。
「あっさりと処理しやがって!」
ニコラが雷撃を選択しているのは速度があるからだ。
魔法の天才と言われているニコラが魔物ですら葬れる程の雷撃を複数放っているのにもかかわらず、ここまで完璧に防御出来る人間は少ないだろう。
そんなレイナの成長を感じ取ったニコラはレイナを魔物と戦わせてみようと決意したのだ。
だがレイナは納得していない。
仮にも女性である自分に向かってポンポン魔法を放ってくるニコラの人間性をいつもながら疑ってしまう。
だからレイナは毎回の様に言う。
「他の女性に雷撃なんて撃っては駄目ですよ!」
「はあ? 当たり前だろ!!」
更に苛烈な攻撃をニコラは放つ。
怒りたいのはこっちですと言いたいが、何故か怒っているニコラの気持ちが分からずレイナは悩むのであった。
「えっ!?」
例の魔法訓練場で特訓中にニコラはそんなことを言い始めた。
ニコラの衝撃的な発言にレイナは驚く。
想像はしていたが魔物がどんなものかはレイナは見たことがない。
だからからか戦うと言われても不安がある。
「訓練ばかりでは意味がないからな」
「そうなんですけれど、必要なんでしょうか?」
レイナは強くなりたいとは思ってはいるが、積極的に魔物と対決したい訳ではない。
自分の身が守れて危険から逃げられる力が欲しいだけだ。
「王宮の外で生きていくのなら魔物と遭遇する事もあるだろう。その時に経験しておけば良かったと言っても遅いからな。実践は必要だ」
「な、なるほど」
その台詞をいったニコラの顔が一瞬寂しさを帯びた様な気がしたのは気のせいではないだろう。
いつかレイナがここから出ていく、そんな予感がしているのかもしれない。
レイナはニコラの言葉を噛み締めるように頷く。
「分かりました、よろしくお願いします。そう言えばバレン様達第二騎士団も魔物討伐に向かわれたのですよね?」
「ああ。あれは調査と討伐が目的だからな規模が違う。これからお前が戦うのは、まあ比較的弱い魔物だ」
いきなり強い魔物と戦わされてもレイナとしても困ってしまう。
ただニコラの言い方にレイナは引っ掛かる。
「弱いではなく比較的弱いですか?」
「ん? そうだ弱いとはいえ魔物だからな。侮っていたらやられるぞ」
「は、はい!」
人間を見れば襲うのが習性らしいので油断は出来ないと言う事だろう。
弱い魔物でもゲームの様な経験値稼ぎの相手とはいかないのかもしれないとレイナは気を引き締めた。
その時ニコラはレイナに指を向ける。
これは二人の間で決まっている約束事になっているのでレイナも反応する。
ニコラの指から放たれた雷撃はレイナに向かう。
慣れたもので回避出来るものは躱し、避けきれないものは魔力を纏い防御する。
ニコラは複数の雷撃を放っているのにもかかわらず、完璧に処理するレイナに頼もしさを感じる反面、どこか苛立ちに似た感情を抱く。
「あっさりと処理しやがって!」
ニコラが雷撃を選択しているのは速度があるからだ。
魔法の天才と言われているニコラが魔物ですら葬れる程の雷撃を複数放っているのにもかかわらず、ここまで完璧に防御出来る人間は少ないだろう。
そんなレイナの成長を感じ取ったニコラはレイナを魔物と戦わせてみようと決意したのだ。
だがレイナは納得していない。
仮にも女性である自分に向かってポンポン魔法を放ってくるニコラの人間性をいつもながら疑ってしまう。
だからレイナは毎回の様に言う。
「他の女性に雷撃なんて撃っては駄目ですよ!」
「はあ? 当たり前だろ!!」
更に苛烈な攻撃をニコラは放つ。
怒りたいのはこっちですと言いたいが、何故か怒っているニコラの気持ちが分からずレイナは悩むのであった。
36
あなたにおすすめの小説
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!
寿明結未(旧・うどん五段)
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。
皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。
この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。
召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。
確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!?
「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」
気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。
★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします!
★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる