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四章 魔導師隊と幸せな夢
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しおりを挟む酒盛りは日が傾くまで続けられ、会議を終えたライオルとホルシェードが戻ってきたときも、まだ飲んで騒いでいる真っ最中だった。
「あ、隊長……」
ライオルが帰ってきたことに気づいた隊員が呟くと、全員がライオルのほうを向いて凍りついた。何時間も経っていたことに誰一人気づかなかった。ライオルは執務室の惨状に一瞬固まったが、その中にルイも混ざっているのを見てため息をついた。
「……今日だけだぞ。黙っててやるから俺にも酒をよこせ」
「あ……はい。どうぞ」
カドレックは冷や汗をかきながらライオルとホルシェードに酒瓶を渡した。真面目なカドレックは宴を終わらせようとしたが、ほかの隊員たちはライオルが怒らなかったのをいいことに再び喋りだした。カドレックも仕方なく席に戻った。
ライオルは少し離れたところの椅子に座り、再開された宴を片目に酒瓶をあおった。その横にホルシェードが酒瓶を持ったまま突っ立っている。
「……ライオル様、ほっといていいんすか? なんかいろいろ食わされてますよ」
「命を預ける仲間になるんだから、歓迎されてるなら問題ないだろ。疲れただろうしお前も飲め。今日の仕事は終わりだ」
「はあ……」
「あいつ、この国に来てから笑うようになったと思わないか?」
「……そうっすね。出会った頃は表情乏しかったですから……あんな環境で育っていれば無理もないかもしれませんが」
「ああ。あのまま城にいたら、オヴェンが手を下さなくても死んでただろうな」
「……どういうことですか」
きな臭い話にホルシェードは眉をひそめた。ライオルは声をあげて笑うルイを見ながら言った。
「あいつは王女が結婚するまでのつなぎの王だった。王女が伴侶を得ると同時に退位して、王位継承権を放棄するという約束だった。でも周りの連中はそれでも心配だからって、退位したあいつを体よく葬り去る計画をこっそり練ってたんだよ。王位継承権を放棄するとはいえ立場は先代の王だ。民があいつの復権を望んだりしたら面倒だから、事故に見せかけて消してしまおうってさ」
「そんな……あまりにひどすぎます。なんて国だ……」
「オヴェンの言う通り、腐った国だよな。あいつは田舎に引っこんで穏やかに暮らすことを望んでたけど、到底叶わぬ夢だったな」
ホルシェードは醜悪な権力争いの一端を知り、嫌悪に顔をゆがめた。
「ここに連れてくるしかなかったんだよ」
ライオルは酒を飲みながらぽつりと言った。
ルイはライオルが歓迎会を止めなかったことに気をよくして、新しい仲間たちとの話に花を咲かせた。海の国育ちの隊員の話はルイには物珍しいものばかりで、任務で遠征した話や地方の実家の話などを興味深く聞いた。酒のまわった隊員たちの話は尽きず、そのうち夕刻の鐘が鳴った。
ライオルはがたりと椅子から立ち上がり、鐘の音などまったく聞こえていない様子の部下たちに声をかけた。
「おい、鐘が鳴ったぞ。いい加減に終わりにしろ。ルイ、帰るぞ」
ある隊員の失敗談に笑っていたルイは、水を差されて顔をしかめた。
「今いいところなんですよ、隊長」
「夕方の仕事はどうした」
「でもこれから宿舎に連れて行ってもらう約束ですし」
ライオルはルイを囲む隊員たちにきつい視線を送った。急激に酔いが覚めたらしい隊員は顔の前で大仰に手を振った。
「いや別に他意はないですよ! 駐在隊員は普通宿舎で寝泊まりするから、新入りを案内するのはいつものことじゃないですか」
「こいつは今後も俺のところで暮らすから必要ない」
ライオルは動こうとしないルイの腕を引っ張って立たせた。ルイは仕方なく食べかすが散乱する机の上にコップを置いた。
「痛いなあ、強引なんだよお前は……」
酔ったルイは敬語も忘れていた。
「まだこのあいだのこと許してないからな。いやって言ったのに全然やめ――」
ライオルはルイの口をばんと手でふさぎ、そのまま引きずって執務室を去った。残された隊員たちは互いに顔を見合わせ、ひそひそと話し合った。
「なんかあの感じ……」
「……ただの居候じゃないな」
「まあ、確かにあいつかわいいもんな……兵士にしとくにはもったいないと思う」
「えー……でも隊長って特定の相手作らないんじゃ……なんかショック」
「でもどう見ても……だろ」
カドレックはひそひそ話に耳をそばだてた。
「え? なんだ? あの二人がなんだって?」
「班長、わからないんですか?」
カドレック班の班員は半笑いでカドレックに言った。
「だから、ザリシャは隊長のお手つきだって話ですよ!」
カドレックはきょとんとしたあと、口端を引きつらせて赤くなった。
「隊長が……? えっ、本当に……?」
「班長は本当にお堅いなあ」
周囲の隊員たちはカドレックをからかい、まだ残っていたホルシェードに声をかけた。
「ねえ、ホルシェード隊長補佐。そうなんですよね?」
ホルシェードは黙って視線をそらした。
「あの、言うべきかずっと迷ってたんだけど」
一人の隊員がおずおずと口を開いた。
「俺、守衛師団の依頼で狩りの日に闘技場の警備を担当してたんだ。人手が足りないからって」
「へえ」
「そうしたら、隊長がザリシャを連れてやってきて、中に入れてくれって頼まれたんだよ」
「え? 魔導師のショーに二人で来たってこと?」
「そう」
「完全にデートじゃねえか」
「やっぱりそうだよなあ」
「なるほどな……というか隊長なに職権濫用してんだ」
◆
ルイは珍しく明け方に目を覚ました。まだ窓の外は暗く、屋敷は静寂に包まれている。ルイは水を飲むため起き上がろうとして、ベッドのそばに黒い影が立っていることに気がついた。ルイは上体を起こしたまま、びっくりして動けなくなった。
黒い影は人だった。だが頭部は灰色の毛に覆われた兎のような形をしていて、巨大な一つの目玉が顔の中心についている。ぎょろりとしたアーモンド型の目に見下ろされ、ルイは恐怖に声も出なかった。
兎の頭をした何者かはベッドの脇に立ったままじっと動かなかった。しばらくのあいだ、二人は静かににらみ合った。
次に気づいたときは朝だった。窓の外は明るくなっていて、ルイはいつもと変わらずベッドに横たわっていた。
ルイはゆっくりと起き上がった。体中にじっとりと汗をかいている。
「いやな夢を見たな……」
ルイは夜着の胸元をつかんでぱたぱたと動かし、服の中に空気を入れた。まもなくテオフィロがやってきたので、湯浴みの支度をしてもらった。
汗を流して身支度を整えると、ルイは朝の仕事のため王宮に向かった。王宮につくとすっかり慣れた道を歩き、一人で手際よく風を吹かせた。今まではこれで帰宅していたが、今日からはそのまま騎馬師団第九部隊に合流する生活になる。
訓練用広場に着いたとき、すでに点呼は終わっていて朝の鍛錬の準備が始まったところだった。ルイは訓練用のシャツとズボンに着替え、カドレック班のところに行った。
カドレック班は広場の外周を走るところから訓練を始めた。カドレックが先頭に立ち、二列になって広場を囲む塀沿いに走った。ルイは列の一番後ろで、慣れない長距離走にぜえぜえ言いながらもなんとかついて行った。
ルイと併走したのはファスマーという名の隊員だった。栗色の髪にいたずらっぽい顔立ちの、ルイと同じくらいの年頃の青年だ。
ファスマーはルイと速度を合わせて走った。ファスマーは人の魔力を見ることができ、魔力欠乏や魔導の不調などの診断ができるため、魔導師の救護を主に担当している。ルイは彼の世話になるまいと必死に前方集団に食らいついた。
走りこみの次は二人一組になり体術の訓練だった。ルイはファスマーと組み、敵と相対した際の動き方を教わった。
「大丈夫か?」
訓練が一段落した際にファスマーが聞いてきた。ルイは額を流れる汗を拭い、軽く手を上げた。
「大丈夫だよ。まだ慣れないだけ」
「ザリシャは朝にひと仕事してきてるだろ? 任務のある奴はそっちを優先させるから、お前もそうすればいいのに。鍛錬なんかやりたい奴だけやればいいんだ」
「そうも行かないだろ……」
「真面目だねえ」
「ファスマー!」
ファスマーは笑っておどけてみせたが、聞きつけたカドレックに怒鳴られて飛び上がった。
「勝手なことを言うな! 体力作りをおろそかにする奴があるか!」
「すみません、カドレック班長」
「ザリシャ、なにか問題でもあったか?」
「ないです」
「ならいい。これくらいで音を上げられては困る」
「はい」
ルイはカドレックの号令で次の訓練場所に向かった。今度は少し広いスペースで魔導の訓練だった。使える魔導はそれぞれ違うので、皆自分流の訓練をしている。ルイはファスマーに木の棒を投げてもらい、自分に当たる前に風でたたき落とすやり方を試してみた。アクトールでさんざん修行したので、自分めがけて投げられた木の棒はすべて遠くに吹き飛ばすことができた。かなり太い棒も風の刃で斬りつければ地面に落ちた。
「すっげえ」
ファスマーは切れこみが入った木の棒を手にとって観察した。
「遠くのものも切れるのかよ。怖い魔導だな。なかなか攻撃力があるんじゃないか?」
「いや、人は動くから攻撃には向かないよ。ホルシェード隊長補佐みたいに魔導で戦ったりはできないかな。ほかの魔導と組み合わせれば戦えなくもないけど」
「ふうん?」
ファスマーは生返事をしながらルイにひょいと棒を投げつけた。ルイは慌てて剣を振って風を起こした。
その日の夜、ルイは再び同じ夢を見た。一つ目の兎の頭をした男が枕元に立っている夢だ。ルイが横たわったままじっと男を見ていると、しゃがれた声がした。
「起きろ」
ルイはおとなしくベッドの上で上半身を起こした。兎頭はゆっくりとした口調でルイに語りかけた。
「このことは誰にも話してはいけないよ……」
兎頭は確かに言葉を発したが、毛むくじゃらの頭部についている口は動いていなかった。ルイは黙ってこくりとうなずいた。
また気づくと朝になっていて、ルイはいつも通り温かい布団の中で目を覚ました。ルイは目頭をもみながら体を起こした。ちっとも疲れがとれておらず、体が重かった。昨日の鍛錬が厳しすぎたのだろうか。
洗面室で顔を洗うと少しは気分が晴れた。入隊してすぐにきついからと鍛錬をやめるわけにはいかない。ルイは自分を叱咤し、二日目の鍛錬に臨んだ。体の細いルイにとって筋力トレーニングは辛かったが、ほかの隊員と同じ量をこなせないほどではなかった。第九部隊以外の隊なら早々に脱落していただろうが、魔導師の部隊なので鍛錬は比較的楽だった。
ルイは毎晩のように同じ夢を見るようになっていた。夜更けごろになると兎頭に起こされ、いろいろ語りかけられた。ルイは兎頭の命令に黙ってうなずき、違えることはしなかった。
ある晩、ルイは目を覚ますとすっと体を起こしてベッドの脇を見た。そこには誰もいない。だがルイが見ているうちに空気が揺らめき、一人の男がどこからともなく現れた。今度は一つ目の兎の頭をした男ではなく、普通の人間だった。赤い髪で目つきの悪い青年だ。
「やっと来られた……あん?」
赤い髪の男はルイの顔をしげしげと眺めた。
「あの店に来た魔導師じゃねえか! おいてめえ、あの能なしを捕まえちまったな? おかげで置いておいたジェドニスがぱあになっただろうが。クソ野郎、てめえのせいで怒られたぞ」
赤い髪の男は至近距離ですごんだが、ルイは瞬き一つしなかった。男はつまらなそうに鼻を鳴らすと部屋を見回した。
「なんだこの部屋、金持ちかよ……。それにしても、てめえ魔導師のくせに大したことないな。あっさり術にかかりやがって。ははっ、どうしてやろうかな」
ルイは赤い髪の男に前髪をつかまれても、布団の上に置いた手を動かそうともしなかった。
「まあいいや。いいか、俺のことは忘れろ。今後も俺が来たら起きて道を開け」
ルイが静かにうなずくと、赤い髪の男はルイの顔を離して背筋を伸ばした。
「お前はこんなところだな。よし、次だ」
赤い髪の男はにやりと笑うと暗闇にすっと消えた。ルイは男がいなくなると再び枕に頭を預けて眠りについた。
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