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第二章 ウィルとアルと山頂に棲む竜
祈りを捧げて
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使えそうなスコップを見つけて地面に深い穴を掘っていく。遺体は大小様々。女性や子供、生まれたばかりのような幼子までいた。母親であろう女性が我が子を守るように身体を丸めて、その背中には剣が突き刺さっており、親子共々櫛刺しとなり絶命していた。一家全員が家の壁に磔にされ、心臓に一寸の狂いなく、剣が突き刺さっている。
凄惨な村の状況に胃の中が逆流しそうになるが、何とか耐えて凌いだ。
何がそこまで、狂気に走らせたのか、俺には理解できなかった。
ふいにウィルのほうへ視線を流した。ウィルも魔族と神族の混血児だ。
しかし、見た目からしても、俺ら人間となんら変わらない。始末が悪いのは、彼の両親を殺したのは実の両親というから、この村の人たちとは異なるが、それでも壮絶で、悲しい真実だ。
種族が違う、ただそれだけで。
この村を襲った多種族の連中は魔族の末裔であるエルフ族がどう見えていたのだろう。
アルも彼らと同じ魔族の末裔であるエルフ族であると言っていたっけ。
見た目はやはり、俺らよりかは美しい容姿はしていると思う。あとはそうだな。やたら魔力が強いってことくらいか。それ以外はなんとも、普通の奴のはずなのに。
理解しきれない部分が多分にある。それは俺がまだ子供だからなのだろうか。
俺たちは黙々と作業を続けて、その日、ニクルクロスの廃村にいくつもの十字架が並び立った。その光景は異様にも見えたが、村の住人がそこに立って存在しているかのようにも見えた。
祈りを捧げ、彼らの冥福を願った。
数千年経った今、ようやく彼らを深い眠りにつかせることができた。
それが彼らにとって幸福であることなのか、わからないけど。
悲しみの中、全ての作業を終えた生者である俺たちは、立ち止まることなく足を前に進め、静かにその場を後にした。
凄惨な村の状況に胃の中が逆流しそうになるが、何とか耐えて凌いだ。
何がそこまで、狂気に走らせたのか、俺には理解できなかった。
ふいにウィルのほうへ視線を流した。ウィルも魔族と神族の混血児だ。
しかし、見た目からしても、俺ら人間となんら変わらない。始末が悪いのは、彼の両親を殺したのは実の両親というから、この村の人たちとは異なるが、それでも壮絶で、悲しい真実だ。
種族が違う、ただそれだけで。
この村を襲った多種族の連中は魔族の末裔であるエルフ族がどう見えていたのだろう。
アルも彼らと同じ魔族の末裔であるエルフ族であると言っていたっけ。
見た目はやはり、俺らよりかは美しい容姿はしていると思う。あとはそうだな。やたら魔力が強いってことくらいか。それ以外はなんとも、普通の奴のはずなのに。
理解しきれない部分が多分にある。それは俺がまだ子供だからなのだろうか。
俺たちは黙々と作業を続けて、その日、ニクルクロスの廃村にいくつもの十字架が並び立った。その光景は異様にも見えたが、村の住人がそこに立って存在しているかのようにも見えた。
祈りを捧げ、彼らの冥福を願った。
数千年経った今、ようやく彼らを深い眠りにつかせることができた。
それが彼らにとって幸福であることなのか、わからないけど。
悲しみの中、全ての作業を終えた生者である俺たちは、立ち止まることなく足を前に進め、静かにその場を後にした。
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