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Mistake
Mistake【29】
「――――響が教師と生徒の禁断ラブに萌えるタイプだって事も、お昼は絶対外食派って事もわかったし、覚えとくわ。だから、今はとりあえず『百聞は一見にしかず』の続きを教えてくれない? さっきからもやもやしてしょうがないのよ」
視界の隅ではち切れる寸前のモノが震えた。回答を催促する際に膝の皿を撫でたのは悪手だったろうか。
「ああ、そうだったね♡♡ 『百聞は一見にしかず』の続きはね~……♡ 『百見は一考にしかず、一考は一行にしかず、百行は一果にしかず、百果は一幸にしかず、百幸は一皇にしかず』――だったと思うよ♡♡」
「……えぇと……? ちょっと待ってくれる? …………所々普段使わない単語混じってなかった? 所々ってより、後半に行くにつれ漢字表記わかんなくなってったんだけど。最後なんて響き完全に同じじゃなかった?」
「ん?♡♡ 僕、名前呼ばれた?♡♡」
「そっちの響じゃなくて♡ ……まぁそれも最後らへんの文と一緒で響き同じだけど……って色々ややこしいわね♡ あとでいくらでも呼ぶから、とりあえず質問に答えて頂戴」
「はいはい♡♡ 奏姫の仰せのままに♡♡」
瞼を閉じた響は膝の皿に円を描いていた手を左手で掬い、軽快な音を立てて手の甲の真ん中あたりに口付けた。
「えーっと、普段使わない単語が混じってるかどうか? ……そうだねぇ♡ そういうのもそこそこ混じってたけど、奏の類推力に免じて許して?♡♡」
「なんであたしがあたしのスキルに免じて響を許さなきゃ――……まぁ良いけど。同音異義語が複数思いつくせいで半分くらいしか理解出来てないんだけど、『実際に見るだけでも全然足りない』って事が言いたいのはなんとなくわかったわ。……やっぱりそうよね。ちゃんと読んだ事ないけどすごいのね、荘子って。……横道だし今更だけど、著者名と書籍名同じなのめちゃくちゃ紛らわしくない?」
「それだけわかってくれてたら花丸満点♡♡」
「…………まだ教師ごっこ続いてたの?♡」
「丁度スーツ着てるし♡ 本当の自分とは別のキャラになりきってするのって楽しくない?♡♡」
響がひらひらさせている前立てから覗いた肌は、強い日差しにさらされてもすぐに元の色に戻ってしまうであろう白。シャツとは異なる肌の色。充血した男性器とも異なる肌の――白いけれどきちんと肉の色。
「言いたい事はわからなくもないけど、スーツは半分以上脱げちゃってるし……♡ なんていうか、コスプレえっちをこよなく愛する男の台詞って感じね……♡ 響なら警官とか医者みたいなお仕事系コスだけじゃなくて、奇抜な色合いとデザインのアニメキャラのコスもイケそうだけど♡♡」
「コスプレしてするのも好きだけど♡ 僕は奏とならどんなセックスでも楽しめるよ?♡♡」
「……『どんなえっちでも良い』って本気で言ってる男はあれこれ理由付けて避妊キャンセルしないでしょ……♡♡ ゴムえっちも生えっちも同じえっちなんだし♡ 普段は着ないような服着てしようとか言い出す前に、裸のちんぽにゴム着けるほうが先なんじゃないの……♡♡」
先のほうに出来た溝から白濁液が伝うさまを幻視しつつも、甘いマスクを睨め上げた。
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