トモダチとツイスターしてたらついつい流されちゃった話♡

片喰 一歌

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Love Me Tender

Love Me Tender【21】


「覚えてるよ♡♡ お腹に出せば良いんだよね……っ♡♡」

 最初に確認を取ったときよりも頭文字が明瞭に発音されたことに安心して、浅い呼吸が一往復だけ深くなった。

「そうよ。……あたしちゃんと伝えたからね……♡ 約束はちゃんと守ってね……?♡」

 その隙を突いて最深部を目指す響は、あたし以上に本能に支配されているのかもしれない。
 
 どんなに可愛くても騙されちゃいけない。こいつは男。唯一あたしが好きになる可能性のある性別を持った他人。暴力的で一方的で無責任な感情をぶつける事を『愛』だと信じ切っている側の性。

 だから、どんなに好きでも心底惚れていても、奥底まで信用してはいけないのに、カラダが言う事を聞いてくれない。

(あたしのカラダは響の事離す気ないみたいだけど♡♡ ……女の力なんて大した事ないんだから振り解いてくれるわよね?)

 水の中に引き摺り込もうとする手のように、襞が凹凸を駆使して異物であるはずのモノを裡へ裡へと招いている。

 大切なお客様にはいっとう良い席を、一番奥の個室を宛てがうのが定石だ。あたしのカラダ――少なくとも下半身――はその定石を律儀に遵守しようとしているらしい。

 それじゃあ、暴走するカラダを制御出来るはずの――あたしの脳は今どこにあるんだろう。

 きちんと定位置にあるけど、諸事情で稼働停止、全権を視床下部あたりに委譲あけわたしてしまったんだろうか。

 それとも、脳のほとんどすべての機能がやっぱり視床下部とか、あるいは子宮そのものに移行しうつってしまっているんだろうか。

「…………ぅ♡♡ ごめん奏……っ、……♡♡」

 待てど暮らせど来ない返事を待つのをやめてしばらく、子ども用のシロップと同じ香りのする毒々しくも甘い声が、あたしの意識を急浮上させた。

「ま、間に合わないって…………!?♡♡」

「…………ぅ、っく♡♡ ぁあぁ…………っ♡♡」

 泡を食って聞き返したけど、返ってきたのは返答ではなく意味をなさない音の列だった。

「……ぁあっ♡♡ ちょっと響!?♡♡ これ……中に出てるわよね!??♡♡」

 間を置かずして訪れたのは、派手ではないけど他の行為では代替不能なできない感覚。
 
 カラダの中心部から末端にかけて細かく張り巡らされた放射線状の水脈にちょろちょろとぬるま湯が流されて染み渡っていくみたいな。

 体温よりもぬるいけれど確かに熱を持った液体が浴びせられている。深いキスをせがんでだらしなく開いた口みたいに隙間を開けた、子宮の入り口に。

「う…………ん……っ♡」

「『うん♡』じゃなくて!」

 抵抗したい感じをなんとなく出してはいるものの、あたしの脚はよりいっそう強く響の腰に巻き付いて離れない。

 あたしの襞は、溜め込んだ種を吐き出す性器を抱き締めて離さない。
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