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第1幕『半人半蛇(蛇人間)』【真】
第34話『“貢ぐ”とは』
しおりを挟む「えぇ? こんな細身なの入るかなぁ♡♡」
白夜の渡してくれたドレスを広げたが、思った以上に幅がない。
(これデザインした人何考えてんの!? 折れそうなくらい細い人のためにデザインしたやつ? ――もしかしてデザイナーさんがカリカリに細い人? なんだっていいけど身体捩じ込めるかな? 無理じゃない?)
「入らなくても僕が見立てを外しただけだから、着てみてほしいなぁ。全部着てくれるんでしょ?」
「白夜がそこまで言うなら……♡♡」
稀代の激チョロオンナことあたしは着替えに移行した――が、脱ぐ必要もないので、あとは着込むだけだ。そんなの一分もあれば余裕で終わるはずなのに、このあとの呟きで手を止めることになるとは。
「…………着替えてる間にさっき言いそびれたこと言うけど、僕はグミちゃんに貢ぎたいんだ」
「あたしに?♡ 一応の確認だけど――♡♡ 白夜、『貢ぐ』って言葉の意味ちゃんとわかって使ってる?♡」
「グミちゃんが年下の男が好きなのも僕のこと年下みたいに扱うのも許したけど、そこまで年下だと思われるのは心外だなぁ。『金銭的価値のあるものを献上して、その人を助けること』でしょ。簡単だよ、そのくらい」
辞書を引いたかのような返答だ。頭の中に丸々インストールされてるんじゃないかと疑ってしまうような――。彼は普通と呼ばれる人たちが学校に行って他の人たちと学んだり交流したりしているときに辞書と向き合ってきたのかもしれない。
「わぁ……。あたしが思ってたのの百倍くらいしっかりした答え来ちゃったぁ……♡♡」
「もっと色んな人にわかってもらえるように言い直すことも出来るよ。『現代風に言うと、“推しへの課金”みたいなもの』。――“そのもの”って断言しちゃってもいいかもしれないけど」
感心して拍手を送ったら今度はAIみたいな回答が来たから、手をいっそう強く叩いてもっと大きな拍手を送った。
「わかったわかった♡♡ 今ので白夜があたしにお金の面でも援助してくれようとしてる気持ちは十分伝わった♡♡ でも、演者と観客がいくら双方向的に与え合ってるって言っても、演者側が観客側にお金あげちゃうのはまずくない?」
「まだそんなこと言ってるの? 僕たち、とっくにそんな関係じゃなくなってるのに――――……」
白夜はドレスを広げるあたしごと抱き締めて顔を近付けた。重なる寸前になってガバッと開いた口のせいで恐怖と興奮が半々にミックスされたドキドキに侵される。
「んっ!?♡♡♡」
お腹の奥の残り火がちりちりするようなキスだ。
「……あのさぁ、白夜?♡♡ あたしがこれ着てるとこ見たいんだったら、着替えの邪魔しないでよ♡」
「ごめん。着てるとこも見たいけど、キスしたい気分だったから」
胸を隠すようにドレスを当てて抗議したけど、今にも口笛を吹き始めそうな白夜から反省の色は見えない。
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