193 / 379
第1幕『半人半蛇(蛇人間)』【宵】
第7話『到着&驚愕キャレッジ!』
しおりを挟む注文したものは数分で届けられた。その方法というのがまた驚きで、チャイムが鳴らされたかと思うと、なんと注文したメニューを載せたワゴンが部屋のドアを通り抜けてきたのだ!
(某魔法使いもので、学校行き列車が到着するホームに行くために壁に突っ込んでくシーン思い出すなぁ。魔法って本当にあるんだ……。あたしの世界にも……!!)
「言ったでしょ? 『服も部屋も乱れたままで大丈夫だし、ドアも開けなくていい』って」
感激して動けずにいるあたしに代わり、彼は注文品をテーブルに移し替え始めた。
ワゴンの形状はアフタヌーンティーで用いられるケーキスタンドの縮尺をいじり馬車風にアレンジしたといった具合で、魔法の使用者であろう団長のセンスのよさが窺えた。
「うん。まさかこういうファンタジックな意味なんて思ってなかったけど♡ こんな感じで運ばれてくるなら、これ見るためだけにルームサービス頼みたくなっちゃいそう♡ ……あ、言っとくけど白夜を信じてなかったわけじゃないよ? アツアツの料理落としたりしたらって思うととりあえず何か羽織っておきたくて…………。Tシャツ貸してくれてありがと」
――と付け足したのは、あたしが彼の話を聞いてからもルームサービスが届くまでに何か着ておきたいという主張を取り下げなかったからだ。
(無難なセンスしてそうだな~って思ってたけど結構ファッションにはうるさいっぽい? ……いや、逆に『服なんて着れれば何でもいい』と思ってるからこそのこれ……? イマイチわかんないチョイスだな~?)
自分の身体を覗き込む。貸してもらったのは、エイリアンのようなキャラクターがラジオ体操をしているイラストがプリントされたロングTシャツだった。気になるカラーは黄緑。白夜が着ても長めの丈だ。――ということは、あたしが着ればシャツワンピースに早変わりするのは自明で。
(彼シャツにしちゃ色気ないけど、ご飯食べるだけだし気にしちゃ負けだ!)
生地は少し厚めでしっかりしているのでそこそこ値が張りそうだが、タグチェックを忘れたのでどこのブランドから出ている服かは謎だ。
「もしかして、お風呂のあと服着ないでご飯食べて痛い思いしたことある? 落としたら相当痛そうだよね、熱いチーズとか……」
彼は運ばれてきたばかりのピザ二枚をテーブルに移しているところだった。
(美味しそ~♡♡)
湯気こそ目視出来なかったが、クアト……なんとかの上のチーズはぐつぐつぽこぽこ動いている。見たらわかる、美味しいけど火傷に注意しなきゃなんないやつ。
「…………ううん。もう何年も前なんだけどさ、カレシのこと裸エプロンで出迎えてみようと思ったんだけど、急な残業入ったって言うから待ちくたびれてそのまんまキッチンに立ったの――」
沸き立つチーズの海を眺めつつ、少し痛くてかなり怖かった記憶を振り返った。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる