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1章
(35)初代聖騎士国団長はかっこよすぎる
しおりを挟むウァイトはアレグライトの城下町を
散策していた。
さすがに南西の領地で最大規模の街で
ある。
数多くの人が住んでいる。
ここの住民は聖騎士団長の顔を
見たことない人ばかりだ。
誰に話しかけても聖騎士団長だとは
ばれない。
古い町並みだが
何か心地よさを感じる雰囲気の通りを
歩く。
すれ違うたびにみんながみんな挨拶を
してくれる。
スィーが領主として慕われているんだなぁ
と感心をする。
公園にいたおじいさんに声を掛けたら
聖騎士国の成り立ちについて
教えてくれた。
このことを知らなかったら
これから国の運営なんてできなかった
だろうと思ってしまう話だった。
聖騎士国はもともと国ではなかった
そうだ。
法皇国が聖騎士含め西側諸国の
最大領地として君臨していた。
もともとは法皇国の一部として
聖騎士が存在していた。
最初は法皇の下、国民はみんな活き活きと
生活していた。
よくある話で法皇に権力が集中すればするほど法皇に近い人間から悪巧みを考える
人間が生れる。
悪政に変わり、賄賂がはびこり、組織も腐っていき最終的には重税だけではなく、
免罪符という国民からお金を奪い取る政策を打ち出す始末。
また、聖霊による国民の監視と
些細なことでも死刑にされる恐怖政治。
清廉潔白な聖騎士は一部の国民の思いを元に、法皇国を離れ、独立して建国したのが
聖騎士国である。
聖騎士国は国民の光となり、
数多くの人間が聖騎士国へ移住をした。
それを良くは思わない法皇国と悪政者達は
聖騎士団長暗殺未遂事件を起こす。
その際、聖騎士副団長が団長の盾となり
死ぬことになる。
それがきっかけで聖騎士国と法皇国は
断交しているのである。
法皇国のような専制政治は腐敗を生むため
同じ轍は踏まないと聖騎士国は全く違う
国家を作り始める。
1人による独占は悪影響しかないと言うことで全種族による聖騎士国統治を進めていこうと独立した際に取り決めた。
ただし、全種族となると
なかなか国民の理解は得られなかった。
まだまだ道半ばだが徐々に他国の人間も
要職に就けるようになったのがつい最近である。
聖騎士国を興した聖騎士団長の目標は
ゆくゆくは、獣人族や妖狐族など全種族で
要職を分担し、平和な世界をつくることであった。
(妖狐族を滅ぼさなくて良かった)
ウァイトは心の底からそう思った。
この世界に来て何をすればいいかわからなかったが聖騎士国の成り立ちを聞いて
一筋の道が見えた気がしたウァイトで
あった。
ウァイトは満足して城に戻る。
「もう2、3日はここでのんびりしよう」
そう思いながら眠りにつく。
... ....... ..........
それは俯瞰をした空からの千葉県の光景だった。
目に見えるのは父親と母親、そして離婚をした元妻。
(生きていた。死んだのは俺たちだけだっ
たんだ)
(生きていてくれてよかったぁ)
そう思った瞬間、後ろの方から風切り音が聞こえる。
ミサイルが飛んでくる。
空に浮いている満月を透き通り、
みんなの方に飛んでいく
「にげろぉ~!! にげてぇ~!」
声は届かない。
「ドカ~ンッ!!!」
爆発した瞬間に目が覚める。
まだ数日しか異世界にいないにもかかわらず現世のことをすっかりわすれていた満月は夢で現世のことを思い出す。
「いつか帰りたい......」
そう思いながらベランダに出て夜風に
当たる。
興奮した気持ちが少しおさまった。
そしてまた眠りにつく。
・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・
「ゴンッ ゴンッ ゴンッ」
ドアの音が鳴る。
(寝始めたばっかりなのに.......)
「ジュピター様が謀反を起こしまた!!」
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