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1章

(36)ウィークスはやっぱり頭がいい

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「ジュピターが謀反....... ......」

「ジュピターが謀反!! ええっ!?」

ウァイトは頭が回らない。

「ジュピター様が首都アストロフィライト
 で反旗を翻したようです」

情報局長のドキが息を切らしながら
伝える。

「それでいまの状況は?」

「コンチネント様が重傷です。
 
 スカイ様フライ様が中心となり、
 ジュピター様と戦っております」

ウァイトはすぐにディーナシーを
召喚する。

「ジュピター!何が起こっている?

 いますぐ戦闘を停止しろ!」

「団長!通話が遮断された。

 ジュピターに通話障害の聖霊が
 ついているかも」

ディーナシーが驚いた声で伝えてくる。

「じゃあ、次だ!」

「スカイ・フライ、聖騎士国の者達よ。

 ジュピターを殺してはならぬ。

 捕らえられるなら捕らえよ。

 それが無理なら私が着くまでの間、
 戦況を停滞させろ」

矢継ぎ早に伝令を発すると
すぐさま出立の準備をする。

「ウィークス、ジュピターが反旗を
 翻した。

 いまだ信じられないが

 すぐにアストロフィライトに戻る。

 すぐにでる。準備せよ」

ウァイトとウィークスにとっては
つかの間の休暇だった。


・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・


ウァイトとウィークスは
アストロフィライトに向かって
飛行をしている。

「ウィークス、おまえは今回のこと
 どう思う」

「ジュピターが反旗を翻すとは
 考えられません。

 なにか理由があるかと思います。

 私の勝手な推測ですが、
 妖狐族の件も含めて
 すべてつながっている気がします.......」

「続けよ」

「妖狐族の侵攻は聖霊を使って
 法皇国が裏で糸を引いておりました。

 ジュピターは法皇国出身。
 なにか弱みを握られている等
 考えるのが妥当かと思います。

 ただ、ジュピターは弱み等だけで
 聖騎士国を裏切る人間だとは
 思えません」


「なるほど。するどい推察だな。

 ところで体調はよくなったのか?」

「はい。定期的に頭痛が起こり、
 意識がなくなりますが
 いまのところ大丈夫です。

 妖狐族の件は私が体調不良だったと
 聞いております。

 ご迷惑をおかけいたしました。

 今は全力で戦えます」

「無理はするなよ」

「ありがとうございます。

 もう一つ気になっていることが
 あります。

 ジュピター1人で反旗を翻したとすると
 その先は何を企んでいるのでしょうか。

 1人では最終的に殺されてジュピターに
 とってのメリットが見いだせません」

(ウィークス、すごいぞ。
 すごく頭の回転がはやい!)

「その通りだ。
 だから生かして捕らえようと
 思っているのだ」

ウァイトはまったくそんなことを
想像していなかったが
見事なまでウィークスに乗っかった。

「まずは捕まえて話を聞こう.......」
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