上 下
48 / 76
1章

(48)厨二病真っ最中だっていいじゃない!

しおりを挟む

次々と殺されていく聖騎士兵。

「やはり先の大戦で兵を失っていたのか。

 農民を徴兵したのだな......」

シンドラーは聖騎士兵のレベルの低さに安堵する。

(これならウァイトに集中できる)

右軍ではスカイ・フライと
水のシュトラウス・雷のアウグストが
戦闘を繰り広げている。

スカイ・フライは
愛馬『可憐な稲妻がほとばしる』
愛馬『ラブリーライトニングバースツアウツ』に乗馬して戦っている。

スカイ・フライは14歳である。
ただいま厨二病真っ最中である。

スカイは雷属性の雷聖魔法を使う。
フライは風属性の風聖魔法を使う。

疾風迅雷のごとく連携して戦うのが
二人の特徴である。

スカイとフライは双子だけあって
手慣れた連携で戦っている。

シュトラウスもアウグストも追い込まれてる。

「やはり風神雷神がごときと
 うたわれているだけのことはあるな」

アウグストがぼつりとつぶやく。

「シュトラウス、あやつらが油断するまで
 スピード勝負を仕掛けるぞ」

そう聞くとシュトラウスは詠唱を唱える。

聖霊召喚 :ウォーターリーパー
水聖魔法陣:ケルピー
水聖魔法 :アクアスフィア

水の化身が馬となって2体現れる。

シュトラウスとアウグストは馬にまたがり
スカイとフライに対抗する。

水の化身となった馬のような怪獣ケルピーは口から高圧の水による攻撃を仕掛ける。

辺り一面を水浸しにしながら
攻撃を仕掛けるケルピー。

スピードを持ったシュトラウスと
アウグストは戦況を盛り返す。

激しい戦闘が繰り広げられる。

スカイとフライは劣勢になっていく。

双子だからこそ編み出せた必殺技で
一気に盤上をひっくり返そうと試みる。

「疾風迅雷のごとく、我、電光石火」

スカイフライによる最速の必殺技を繰り出す。

「来るぞ!変形しろ」

シュトラウスは水の化身に命令をする。

ケルピーは自らを消滅させて
最大の量の水を噴射することにより
疾風迅雷のごとく、我、電光石火を
止めようとする。

それでも止まらない。止められない。
スカイとフライはシュトラウスにたどり着き
一撃にてほうむる。

聖霊召喚 :トール
雷聖魔法陣:フェスティバル
雷聖魔法 :スパーク

もう1人のアウグストは
すばやく詠唱を済ませていた。

「もうきみ1人だよ。降参しなよ」

スカイとフライが地上に降り立ち
アウグストと視線が交わる。

その瞬間、

「バババババッパチパチ」

スカイとフライに電流が走る。

アウグストは少し宙に浮いている。

スカイとフライは一瞬にして
戦闘不能に陥る。

「シュトラウスの命を賭した作戦、
 感謝する。

 まさかシュトラウスが死に至るとは
 おもわなかったがよくやってくれた」

「シュトラウスは水の化身で
 この大地を水浸しにすることが目的だったのだ。

 おまえ達が油断して地上に降り立ったのが運の尽きだ。

 わたしの聖霊トールによる
 スパークフェスティバルは
 いかがだったかね。

 雷聖魔法は水と相性がいいからね」

「おやっ、もう死んだかね」

動かない2人を見てアウグストは
中央の戦地へ向かった。
しおりを挟む

処理中です...