死神の守人

蘇 陶華

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Dr市神は、神なのか

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僕が、嫌いなタイプ。そうこいつ、市神。僕の欲しい物は、何でも、持っている。勿論、容姿、家柄、頭。そして、こいつ、医者の癖に、僕とは、違う能力を持っている。医師だから?いやいや、違うだろう。こいつは、術師でも、なんでもない。西洋医学の放射線とか、使用する現代的な理系の医師だ。そいつが、地域を周り医療と称して、払っている。ちなみに、僕とは、合わない。お互いに、会った瞬間に電気が流れる。あの看護師とは、違う。真逆だ。僕は、自分の気配を消しながらあいつの背後で、様子を見ているのに、空間に、電気が伝わり、互いの気配を結びつけていく。僕は、奴に尻尾を掴まれたくない。どうして、僕は、ここにいるのか、わからない。いろんな仕事をした。もっと、日の当たる場所明るい仕事だって、選べた。けど、この世界が気持ちがいい。その人を見ると、僕は、その後ろにあるストーリーが見えてしまう。その家の中の、霊的な場所。祀られている物。動き回る物。普通に、家族の様に、動き回っているのを、当たり前のように目にしてしまう。市神は、そいつらを、消してしまう。その家に、渦巻く者達を、一瞬で消し去ってしまう。なんなんだ。こいつは。僕は、払いたくても、払えない。妬ましく、僕は、思っていたのかもしれない。
「近寄るな」
あの看護師には、叫ばなかった僕の本能が囁いた。市神は、危険。そう、思っていたのに、僕は、医院でのカンファレンスで、あろう事か市神と二人きりになってしまった。僕の存在を知られてはいけない。僕は、待合室の隅っこで、文字通り小さくなって、息する事さえ、控えていた。
「どうか、気づきませんように」
僕は、毛穴からさえも、僕の息が漏れないようにじっとし、そして、願った。
「あぁ。。君か」
市神は、診察室から、出てくるとまっすぐ、僕の前に立っていた。惨めだ市神は、神々しく、美しく彫像のように立っていた。着ている白衣さえ輝いている。それに比べて、僕は、ジャージ地のジャケットを着、急に寒い外から、中に入った為に、メガネまで、曇らせて、髪は、あちこち寝癖がついていた。
「一度、会いたいと思っていたんだ」
市神の声が雷鳴の様に轟いた。
「へ?僕にですか?」
僕は、間抜けそうに装った。あの悪意の天使なら、どう答えるんだろう。ぼんやりと、僕は、思っていた。
「ちょっと、気になる事があってね」
割って入って来ようとする看護師長を、市神は、手で制した。僕と2人で話したいとの合図だった。あぁ。。どうか、厄介ごとに、巻き込まれませんように。僕は、ちっぽけな、ちょっと、見えるだけの人間なんです。僕は、わざと、肩をすくめて見せた。
「あの。。。なんでしょう。」
絶対、悟られるな。僕は、ますます小さく見せていた。
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