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僕を見て欲しい
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今すぐにでも、海の居る空港に向かいたい。
このまま、蒼との約束は、反故にしようか。
そう思った。
もしかしたら、海に会えなくなるかも。
だけど。
蒼の声が切羽詰まっていた。
叔母が、また、何かを仕掛けたのかもしれない。
蒼は、ようやく、知り得た海の弟であり、
ほんの少し、知的障害がある。
このまま、
放っておくなんて、
できない。
澪は、蒼の指定した場所に向かった。
「どうして・・・」
何故なのか、
蒼の指定した場所は、
空港とは、反対の場所だった。
「来てくれたの?」
蒼の声は、弾んでいた。
「蒼くん・・・」
澪は、白杖を付きながら、蒼の声の方に向かって行った。
「嬉しい。」
蒼の声が、瞼の奥で、弾ける。
海と同じ色。
兄弟なんだ。
つくづく、思う。
兄弟と気づいてから、本当に、よく似ていると思った。
瞼の中で、弾ける光。
実際、顔を見れたら、どんなにいいのだろう。
海と蒼は、声が似ている。
きっと、顔も似ているのだろう。
「僕が、相談できるのは、澪さんしか居ないんだ」
「誰もが、僕を見てくれない」
「それは、違うわ。また、叔母が何かを言ったの?」
「頼まれた。パパの両親と一緒に住もうって」
「叔母も?」
「一緒に住んで、僕らの面倒見るって」
「面倒を見るって叔母は、そんな人でないけど」
「ママの元には、帰りたくない。一人でも、いいんだ。あちこち、世界を旅しても。澪さん、一緒に行こう!」
「蒼くん、無理よ、私では、あなたの負担になるから」
「どうして?」
蒼は、拒否されたと思い、不機嫌になった。
「どうして、海とは、一緒に行きたがるのに、僕じゃダメなの?僕らは、そんなに変わらないのに。どうして、ママも澪さんも、あいつがいいの?」
「蒼くん。まだ、子供よ。これから、経験する事がたくさんある」
「そんな事ないよ。バイオリンだって、僕が上。あいつのは、バイオリンでない。ただ、パパのサインがあるケースを持っていただけなんだ」
「そんな事、言うもんじゃないわ。ああ他は、間違いなく、海の弟よ」
「弟だから・・・僕は、ダメなの」
蒼は、澪の手に自分の手を重ねた。
「僕は、あなたがいい。あの叔母さんじゃない」
澪の手を引き、抱き寄せようとする。
「止めて!」
抱き寄せる蒼を強く拒否する。
「そんな事を、話しに来たんじゃない」
「あいつに逢いに行くのを、止めて、ここに来たのが、証拠だろう」
「そんなんじゃない」
二人は、人めも気にせず、次第に声が大きくなっていった。
周りの、ざわめきが、大きくなった事に、気が付かなかった。
「嘘でしょう?」
誰かが、携帯を見て大声を上げた。
「墜落って・・・」
「墜落?」
澪の耳が、そばで、呟く声に気がついた。
「何だって?」
蒼は、すかさず、携帯を見る。
「CAL 737便、10時発。離陸3分後に、墜落」
「墜落って・・・」
蒼は、言葉を失った。
澪に聞こえたのか。
彼女が小さく震えているのが、わかった。
このまま、蒼との約束は、反故にしようか。
そう思った。
もしかしたら、海に会えなくなるかも。
だけど。
蒼の声が切羽詰まっていた。
叔母が、また、何かを仕掛けたのかもしれない。
蒼は、ようやく、知り得た海の弟であり、
ほんの少し、知的障害がある。
このまま、
放っておくなんて、
できない。
澪は、蒼の指定した場所に向かった。
「どうして・・・」
何故なのか、
蒼の指定した場所は、
空港とは、反対の場所だった。
「来てくれたの?」
蒼の声は、弾んでいた。
「蒼くん・・・」
澪は、白杖を付きながら、蒼の声の方に向かって行った。
「嬉しい。」
蒼の声が、瞼の奥で、弾ける。
海と同じ色。
兄弟なんだ。
つくづく、思う。
兄弟と気づいてから、本当に、よく似ていると思った。
瞼の中で、弾ける光。
実際、顔を見れたら、どんなにいいのだろう。
海と蒼は、声が似ている。
きっと、顔も似ているのだろう。
「僕が、相談できるのは、澪さんしか居ないんだ」
「誰もが、僕を見てくれない」
「それは、違うわ。また、叔母が何かを言ったの?」
「頼まれた。パパの両親と一緒に住もうって」
「叔母も?」
「一緒に住んで、僕らの面倒見るって」
「面倒を見るって叔母は、そんな人でないけど」
「ママの元には、帰りたくない。一人でも、いいんだ。あちこち、世界を旅しても。澪さん、一緒に行こう!」
「蒼くん、無理よ、私では、あなたの負担になるから」
「どうして?」
蒼は、拒否されたと思い、不機嫌になった。
「どうして、海とは、一緒に行きたがるのに、僕じゃダメなの?僕らは、そんなに変わらないのに。どうして、ママも澪さんも、あいつがいいの?」
「蒼くん。まだ、子供よ。これから、経験する事がたくさんある」
「そんな事ないよ。バイオリンだって、僕が上。あいつのは、バイオリンでない。ただ、パパのサインがあるケースを持っていただけなんだ」
「そんな事、言うもんじゃないわ。ああ他は、間違いなく、海の弟よ」
「弟だから・・・僕は、ダメなの」
蒼は、澪の手に自分の手を重ねた。
「僕は、あなたがいい。あの叔母さんじゃない」
澪の手を引き、抱き寄せようとする。
「止めて!」
抱き寄せる蒼を強く拒否する。
「そんな事を、話しに来たんじゃない」
「あいつに逢いに行くのを、止めて、ここに来たのが、証拠だろう」
「そんなんじゃない」
二人は、人めも気にせず、次第に声が大きくなっていった。
周りの、ざわめきが、大きくなった事に、気が付かなかった。
「嘘でしょう?」
誰かが、携帯を見て大声を上げた。
「墜落って・・・」
「墜落?」
澪の耳が、そばで、呟く声に気がついた。
「何だって?」
蒼は、すかさず、携帯を見る。
「CAL 737便、10時発。離陸3分後に、墜落」
「墜落って・・・」
蒼は、言葉を失った。
澪に聞こえたのか。
彼女が小さく震えているのが、わかった。
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