5 / 82
事の始まり
しおりを挟む
瑠璃香が、陽の元の国に渡る少し前。朝廷を3分する騒ぎがあった。大陸の魔導師が香の大元、黄熟香を持ち込んだのだ。時の帝は、大変気に入り、宝仏殿に収めようとしたが、帝の手の渡る頃には、大分、小さくなっていた。香は、天と人間を繋ぐものと考えられており、神職につく者の他、当時の貴族達も、珍しい香物のは、大金を注ぎ込んでいた。朝廷の帝と対立する貴族の美那月と阿多の一族が睨み合いを続けていた。誰もが、手に入れたい。同時の帝は、美那月から、正室を迎えており、どちらかと言うと、美那月よりの政治の采配に、阿多一族は、不満一杯だった。朝廷に使える僧侶は、阿多一族から出ている為、帝は、排斥する事も出来ず、微妙な力関係が、朝廷内にあった。阿多一族から出た僧侶は、鶴白といい、仏門の出でありながら、古典的な事には、縛られず、明るく聡明な男だった。当然、朝廷内に、彼を悪く言う者は、おらず、阿多一族の守り神ともなっていた。
「さて、どうしたものか、この沈香。」
一眼見た時から、すっかり小さくなっている。どのような経路を経て陽の元の国に来たのかは、不明である。かの魔導師も、とうに姿を消している。
「勿論、三華の塔に、納めるべきかと」
口を開いたのは、正室、紗々姫であった。一族と敵対しているとは、いえ、この見目麗しい鶴白を邪険にには、出来ない。三華の塔は、朝廷の宝物殿であり、東塔、西塔、華の塔と、三つに分かれている。
「あそこなら、魔物すら入れませんもの」
紗々姫は、怪しく笑を浮かべる。国の宝を魔物に守らせる。よく或る話である。
「では、ありますが」
鶴白は、躊躇した。仏の道において、魔物が住むという噂の、三華の塔に納める気には、なれない。
「それなら、東宮に預ければよろし」
皇太子の母、側室が声をあげ、紗々姫が顔をしかめた。
「何とも、決まらぬの」
帝は、ため息をついた。
「余計な争いの種を持ってきてくれたものだ。。」
「であれば。。」
仕方がない。鶴白は、ため息をついた。
「私が、しばらく預かりましょう」
そっと、袖から出した紫の手巾にくるくると包んだ。
「一介の僧侶とは、違う故、それで良い」
紗々姫は、小さく頷いた。
鶴白は、阿多一族からの出身と言っても、血の繋がりはない。阿多の今は亡き当主の元許嫁の子であり、血の繋がりはない。当主が戰に行っている間に、許嫁は、政権争いに巻き込まれ、別の一族に嫁いでいた。その一族も、戰で、滅ぼされてしまい1人、生き残った鶴白h、寂れた寺に預けられ、戰から戻った当主が引取ったのだ。亡くなった許嫁によく似ており、当主は、手元に置きたかったが、時代は、戦国故に、周りが反対した。麗しい姿であるのに、髪を剃った。だが、中身は、立派な武士である。
「必ず、守りますゆえ」
懐に大事に仕舞い込む姿を紗々姫は、じっと見ていた。
「さて、どうしたものか、この沈香。」
一眼見た時から、すっかり小さくなっている。どのような経路を経て陽の元の国に来たのかは、不明である。かの魔導師も、とうに姿を消している。
「勿論、三華の塔に、納めるべきかと」
口を開いたのは、正室、紗々姫であった。一族と敵対しているとは、いえ、この見目麗しい鶴白を邪険にには、出来ない。三華の塔は、朝廷の宝物殿であり、東塔、西塔、華の塔と、三つに分かれている。
「あそこなら、魔物すら入れませんもの」
紗々姫は、怪しく笑を浮かべる。国の宝を魔物に守らせる。よく或る話である。
「では、ありますが」
鶴白は、躊躇した。仏の道において、魔物が住むという噂の、三華の塔に納める気には、なれない。
「それなら、東宮に預ければよろし」
皇太子の母、側室が声をあげ、紗々姫が顔をしかめた。
「何とも、決まらぬの」
帝は、ため息をついた。
「余計な争いの種を持ってきてくれたものだ。。」
「であれば。。」
仕方がない。鶴白は、ため息をついた。
「私が、しばらく預かりましょう」
そっと、袖から出した紫の手巾にくるくると包んだ。
「一介の僧侶とは、違う故、それで良い」
紗々姫は、小さく頷いた。
鶴白は、阿多一族からの出身と言っても、血の繋がりはない。阿多の今は亡き当主の元許嫁の子であり、血の繋がりはない。当主が戰に行っている間に、許嫁は、政権争いに巻き込まれ、別の一族に嫁いでいた。その一族も、戰で、滅ぼされてしまい1人、生き残った鶴白h、寂れた寺に預けられ、戰から戻った当主が引取ったのだ。亡くなった許嫁によく似ており、当主は、手元に置きたかったが、時代は、戦国故に、周りが反対した。麗しい姿であるのに、髪を剃った。だが、中身は、立派な武士である。
「必ず、守りますゆえ」
懐に大事に仕舞い込む姿を紗々姫は、じっと見ていた。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
王女と2人の誘拐犯~囚われのセリーナ~
Masa&G
ファンタジー
王女セリーナが連れ去られた。犯人は、貧しい村出身の二人の男。だが、彼らの瞳にあったのは憎しみではなく――痛みだった。
閉ざされた小屋で、セリーナは知る。彼らが抱える“事情”と、王国が見落としてきた現実に。
恐怖、怒り、そして理解。交わるはずのなかった三人の心が、やがて静かに溶け合っていく。
「助けてあげて」。母の残した言葉を胸に、セリーナは自らの“選択”を迫られる。
――これは、王女として生きる前に、人としての答えを、彼女は見つけにいく。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる