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長い物と女難の相
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龍伝河の水元に向かう一行は、近くの宿場町で、何頭かの馬を手に入れていた。当然、術を使用して一度に水元に移動する事ができたが、河の主に気付かれる事を、懸念し、自分達の足で、移動する事にしたのだ。阿と吽も、いつもの通り、下働きの童子に身を変え、皆に付き添った。
「浮かない顔ね。紫鳳」
瑠璃光の後ろを走る紫鳳に、吽は、声をかけた。何か、考え深い表情の紫鳳が気になる。
「何となくだけど。。嫌な予感がする」
気になる事があると、紫鳳は、仕切りに鼻の頭をかく癖がある。
「嫌な予感?紗々姫は、いないわよ」
紫鳳にとって、瑠璃光が、紗々姫ではなく、紫鳳を置いて行った事は、トラウマになっていた。
「瑠璃光は、紗々姫を今回は、置いてきたでしょ」
阿が、後ろから声を掛けてきた。
「紗々姫が、瑠璃光を諦めるとは、思わないなぁ。それに、瑠璃光は紗々姫を、どう思ってると思う?」
吽が、ピョンピョン跳ねながら、話している。
「武器庫くらいに、思っているみたいだよ」
「武器庫?まぁ。。。確かに」
陽の元の国の妖の姫は、妖器を集めている。三華の塔は、爆破されたが、まだまだ、隠し持っているに違いなかった。
「だから」
紫鳳は、眉間に皺を寄せた。
「試してみたら?」
阿は、瑠璃光と入れ替わり、確認しろと言うが、主導権は、瑠璃光だけが持つ。
「龍伝河だが」
紫鳳は、ますます、眉間の皺が酷くなった。
「女難のお匂いがする」
「まぁ。。瑠璃光の側にいると、色の難が多い」
阿と吽は、楽しそうに、ピョンピョン跳ねながら、紫鳳と瑠璃光の馬の脇を、行ったり来たりしながら、口さずんでいた。
「静かに」
瑠璃光が、何かに気づいて、馬の足を止めるように合図をした。
「あれぇ」
後ろの方で、青嵐が、突拍子もない声をあげていた。こんな時は、ろくな事になりやしないと紫鳳と瑠璃香は、ひたすら前を向いていた。
「兄貴ぃ」
青嵐は、いつの間にか、紫鳳を兄貴と呼び慕っていた。何度も、しつこく呼ぶ物だから、仕方なく、紫鳳は、振り返る事にした。
「何だって、何度も呼び止める?」
紗々姫でも、現れたら縁起でもないと思っていたが、目にしたのは、道沿いを流れる龍伝河の水面に揺れる一面の着物だった。色様々な着物が、何枚も、多量に流れていく。それぞれに、袖を広げ、まるで花筏のようだった。
「これは。。。」
瑠璃光の眉間の皺が、少し、深くなった。その様子は、まるで、紫鳳の姿とも似ていた。
「何に、見える?」
瑠璃光は、紫鳳に振り返った。
「青嵐。何に、見える?」
2人に聞かれて青嵐は、少し、焦った。
「えっと。。。」
自分の目が、よく見えないのか、何度も目を擦った。
「たくさんの、着物に見えます」
「着物か。。」
紫鳳は、ふっと笑い瑠璃光の顔を覗き込んだ。
「それなら、いいのだが」
瑠璃光は、懐から、香を取り出し、宙に巻くと、いつもの様に、口の中で、小さく術を唱えた。
「着物に見えるか?」
紫鳳は、改めて青嵐を見下ろすと、青嵐は、顔色悪く、口を抑えていた。
「ウェ。。」
着物と見えたのは、たくさんの動物の死骸であった。上流で、何かが、起きている。死骸であるのに、美しく飾り立て、人に見せている。瑠璃光は、道を急ぐ事にした。
「浮かない顔ね。紫鳳」
瑠璃光の後ろを走る紫鳳に、吽は、声をかけた。何か、考え深い表情の紫鳳が気になる。
「何となくだけど。。嫌な予感がする」
気になる事があると、紫鳳は、仕切りに鼻の頭をかく癖がある。
「嫌な予感?紗々姫は、いないわよ」
紫鳳にとって、瑠璃光が、紗々姫ではなく、紫鳳を置いて行った事は、トラウマになっていた。
「瑠璃光は、紗々姫を今回は、置いてきたでしょ」
阿が、後ろから声を掛けてきた。
「紗々姫が、瑠璃光を諦めるとは、思わないなぁ。それに、瑠璃光は紗々姫を、どう思ってると思う?」
吽が、ピョンピョン跳ねながら、話している。
「武器庫くらいに、思っているみたいだよ」
「武器庫?まぁ。。。確かに」
陽の元の国の妖の姫は、妖器を集めている。三華の塔は、爆破されたが、まだまだ、隠し持っているに違いなかった。
「だから」
紫鳳は、眉間に皺を寄せた。
「試してみたら?」
阿は、瑠璃光と入れ替わり、確認しろと言うが、主導権は、瑠璃光だけが持つ。
「龍伝河だが」
紫鳳は、ますます、眉間の皺が酷くなった。
「女難のお匂いがする」
「まぁ。。瑠璃光の側にいると、色の難が多い」
阿と吽は、楽しそうに、ピョンピョン跳ねながら、紫鳳と瑠璃光の馬の脇を、行ったり来たりしながら、口さずんでいた。
「静かに」
瑠璃光が、何かに気づいて、馬の足を止めるように合図をした。
「あれぇ」
後ろの方で、青嵐が、突拍子もない声をあげていた。こんな時は、ろくな事になりやしないと紫鳳と瑠璃香は、ひたすら前を向いていた。
「兄貴ぃ」
青嵐は、いつの間にか、紫鳳を兄貴と呼び慕っていた。何度も、しつこく呼ぶ物だから、仕方なく、紫鳳は、振り返る事にした。
「何だって、何度も呼び止める?」
紗々姫でも、現れたら縁起でもないと思っていたが、目にしたのは、道沿いを流れる龍伝河の水面に揺れる一面の着物だった。色様々な着物が、何枚も、多量に流れていく。それぞれに、袖を広げ、まるで花筏のようだった。
「これは。。。」
瑠璃光の眉間の皺が、少し、深くなった。その様子は、まるで、紫鳳の姿とも似ていた。
「何に、見える?」
瑠璃光は、紫鳳に振り返った。
「青嵐。何に、見える?」
2人に聞かれて青嵐は、少し、焦った。
「えっと。。。」
自分の目が、よく見えないのか、何度も目を擦った。
「たくさんの、着物に見えます」
「着物か。。」
紫鳳は、ふっと笑い瑠璃光の顔を覗き込んだ。
「それなら、いいのだが」
瑠璃光は、懐から、香を取り出し、宙に巻くと、いつもの様に、口の中で、小さく術を唱えた。
「着物に見えるか?」
紫鳳は、改めて青嵐を見下ろすと、青嵐は、顔色悪く、口を抑えていた。
「ウェ。。」
着物と見えたのは、たくさんの動物の死骸であった。上流で、何かが、起きている。死骸であるのに、美しく飾り立て、人に見せている。瑠璃光は、道を急ぐ事にした。
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