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眠れる魂が向かうのは、虹の橋
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犀花は、眠り続けていた。あの日から10年。事故の前からの記憶はない。父親は、事故で亡くなったと聞いていた。そのせいか、母親は、自分に当たり散らしていた。その記憶も、今となっては、誰かに受けつけられた記憶なのか、定かではない。一緒にいた母親は、自分を監視する母親の依代だった。本当の母親は、どこにいるのか?否、元々、本当に母親は、いないかも知れない。この体が誰の物なのか、自分がどこから来て、どこにいくのか、わからなかった。目を覚ますと、どっと涙が溢れてきた。現在の自分が誰なのか、わからないが、明確なのは、自分の中にある強大な喪失感だった。それと同じ位の憎悪感。喪失感。ネガティブな感情に自分の気持ちが押しつぶされそうだった。
「私は・・・」
占いが、好きで、ルーン文字占いをしていた。それは、間違いない。クラスの中で、地味で、目立たない。目立つ子達からは、イジメの対象として見られる冴えない子。誰も、味方してくれない。新月の夜に眷属達と出会ってから、異性界に足を踏み入れてしまったようだ。自分に残された記憶を一つ一つ、だどっていく。自分が何者か、確認していくように。
「ここにいるのは、私。犀花。誰でもない。キリアスなんて、知らない」
下唇を噛み締め、犀花は、いつの間にか、校舎に向かっていた。惨めな思いをした学生生活であっても自分にとっては、平凡な日々だった。ヒスの強い母親も、自分には、優しい日もあって。それが、偽りだったなんて。学校の近くの花屋も、いつもと変わらず、外には、たくさんの花束や鉢植えが並んでいた。ショーゥインドウには、色とりどりに、咲き乱れた花が映っていて。
「犀花?」
突然、ガラスの中から、声がして、犀花は、どこかで、聞いた声だと思って、振り返った。前にも、後ろにも、誰もいない。
「誰?」
声は、ガラスの中からだった。目を凝らすと、ガラスに映る花々の中にいたのは、真冬だった。
「あの・・」
苦手な女にあった・・・。犀花は、無視をして通り過ぎようとしたが
「待って!」
真剣な声に引き留められてしまった。
「お願い!」
それでも、無視をしようと先を急ごうとすると、突然、虹色に光が砕け、目の前に眷属の姫、真冬が姿を現した。
「なんですか?」
犀花は、警戒して応えた。
「私の事は、ほっといてください。今まで通り、普通に生活したいんです。過去の事とか、私には、わからないんで」
「ごめんなさい。それでも、私が、勇気を出して、ここに来たの。その位、困っている事をわかってほしい」
いつになく、しおらしい真冬の態度に、少し、話を聞いてみようかと犀花は、思った。
「助けてほしい。」
「私が?」
真冬の顔は、真剣だ。
「誰を?」
「あなたも、よく知っている人よ。」
犀花は、嫌な予感がした。
「まさか?」
真冬は、うなづき、両手で、円を描いた。宙に描かれた円は、白く光り、目の前に鏡となって現れた。
「柊雨が・・・白夜狐が・・・」
見ると鏡の奥底に、倒れている銀髪の少年の姿が見える。
「これは?」
犀花は、息を呑んだ。
「柊雨・・・いえ。白夜狐が、消えてしまいそうなの」
目を見張る真冬は、今にも、崩れ落ちてしまいそうだった。
「私は・・・」
占いが、好きで、ルーン文字占いをしていた。それは、間違いない。クラスの中で、地味で、目立たない。目立つ子達からは、イジメの対象として見られる冴えない子。誰も、味方してくれない。新月の夜に眷属達と出会ってから、異性界に足を踏み入れてしまったようだ。自分に残された記憶を一つ一つ、だどっていく。自分が何者か、確認していくように。
「ここにいるのは、私。犀花。誰でもない。キリアスなんて、知らない」
下唇を噛み締め、犀花は、いつの間にか、校舎に向かっていた。惨めな思いをした学生生活であっても自分にとっては、平凡な日々だった。ヒスの強い母親も、自分には、優しい日もあって。それが、偽りだったなんて。学校の近くの花屋も、いつもと変わらず、外には、たくさんの花束や鉢植えが並んでいた。ショーゥインドウには、色とりどりに、咲き乱れた花が映っていて。
「犀花?」
突然、ガラスの中から、声がして、犀花は、どこかで、聞いた声だと思って、振り返った。前にも、後ろにも、誰もいない。
「誰?」
声は、ガラスの中からだった。目を凝らすと、ガラスに映る花々の中にいたのは、真冬だった。
「あの・・」
苦手な女にあった・・・。犀花は、無視をして通り過ぎようとしたが
「待って!」
真剣な声に引き留められてしまった。
「お願い!」
それでも、無視をしようと先を急ごうとすると、突然、虹色に光が砕け、目の前に眷属の姫、真冬が姿を現した。
「なんですか?」
犀花は、警戒して応えた。
「私の事は、ほっといてください。今まで通り、普通に生活したいんです。過去の事とか、私には、わからないんで」
「ごめんなさい。それでも、私が、勇気を出して、ここに来たの。その位、困っている事をわかってほしい」
いつになく、しおらしい真冬の態度に、少し、話を聞いてみようかと犀花は、思った。
「助けてほしい。」
「私が?」
真冬の顔は、真剣だ。
「誰を?」
「あなたも、よく知っている人よ。」
犀花は、嫌な予感がした。
「まさか?」
真冬は、うなづき、両手で、円を描いた。宙に描かれた円は、白く光り、目の前に鏡となって現れた。
「柊雨が・・・白夜狐が・・・」
見ると鏡の奥底に、倒れている銀髪の少年の姿が見える。
「これは?」
犀花は、息を呑んだ。
「柊雨・・・いえ。白夜狐が、消えてしまいそうなの」
目を見張る真冬は、今にも、崩れ落ちてしまいそうだった。
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