それは、人に憑く。邪神備忘録

蘇 陶華

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鎖環の邪神 晴

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帰路に着いた颯太は、思いの外、大人しい晴に安心していた。
音羽は、宙に隠れているのか、霊道を通って、どこかに行ったのか、ぱったり、気配が無くなっていた。
「それは、それで、いいし」
新幹線の自由席は、始発駅から乗ったせいか、空いていた。
晴も、封印の鎖環が効いていて、静かだった。
いつもの、天然の晴先生に戻っていた。
「いや・・・なんで、ここまで来たのか、覚えてないし」
晴は、颯太から借りて購入した炭酸を、飲んでむせた。
「やっぱり、炭酸は、なれないなぁ」
どう見ても、天然である。音羽が、晴の姿を見せなければ、信じられなかった。
「邪神?」
「おぉ」
「本当に?」
「おぉ」
「嘘でしょう?」
「おぉ!」
「どっち、なんだい!」
音羽は、困った顔をした。
「黙っているつもりはなかったんだ」
「でも、最初に晴の家に行ったぞ」
「邪神とっても、覚醒していない時は、静かなんだ。まだ、自覚もない」
音羽は、眠りにつく、晴を見て言う。
「どうして、人間の器に入ったの?」
颯太は、音羽に聞くが、答えない。
「まだ、聞くな」
険しい顔をして、晴の顔をじっと見ている。
「晴先生が、邪神だとしたら、どうして、あの家に現れたの?」
「儂にも、何故、あの家なのか、わからん」
「わからんって、あのお婆さんに聞けばいいじゃ・・」
「認知症の婆さんにわかるか?」
「そ・・か」
「ただ、この邪神の力は必要になる。混沌と関わっていく以上」
「混沌は、関わらなくてはいけないのか?」
颯太は、ただの除霊師で、霊力は、高くない。人ざる者と戦うには、限界がある。
「お前の身を守る為にも、お前の母親の居所を突き止める為にも、晴は、必要だ」
「母さんの」
母親の事を口にすると、颯太の顔色が変わった。
「助けたいんだろう?」
「そうだね。僕の除霊師の能力は、母さん譲りだし・・」
颯太の母親は、同じ除霊師だが、颯太より遥かに、力を持っていた。
ある日、依頼された霊山の除霊に出かけたまま、行方知れずになった。
「何が、あったか知りたい」
颯太は、何年も、母親の行方を探し、除霊しながら、霊達と会話していた。
母親の行方を知る手掛かりとして「混沌」を知ったのは、最近だった。
「人ざる者か」
音羽は、顔を曇らせた。
「音羽の力で、どうなの?」
「儂か?儂は、無理じゃ」
音羽は、あっさり断る。
「儂は、ただの地縛霊じゃ。お主に取り憑いている」
「威張って言う事じゃ・・」
「とにかく、こやつが、現れたって事は、混沌g広がっているって事じゃ。うまく使えよ」
音羽は、先に用があると言って、2人だけで、新幹線に乗る事になったのだ。しばらく、走行し始めた時に、事件が起こった。
酷く大きな悲鳴と煙を吸った事で、目を覚ました。
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