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第43話:香りの罠と、ヒロインたちの勉強スタイル
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美月の家で始まった期末試験前・勉強会。
テーブルを囲むのは、僕と3人のヒロインたち。
時刻は午後3時。
香りの温度が、徐々に上がりはじめる時刻でもある。
ルナはソファに寝転びながら、片耳イヤホンをつけていた。
「英語ってリズムだよねー。BPM合わせてやると覚えやすいんだよ?」
彼女の周囲には、軽やかなミルクティーとミントの香りが滞留。
動くたびに空気を撹拌し、僕の鼻を撫でていく。
「な、なんかリスニングCDの香り版みたいになってないか……」
その横では、紅葉が静かに筆を動かしている。
「私は……書くことで記憶するタイプ。だから筆が一番いいの」
机の上には筆ペンと和紙のようなノート。
彼女の香りは、墨と紅茶と……淡い抹茶。紙に染み込んだ香りまで違う。
(書くたびにふわっと香る……! これは“文字で香る罠”だ……!)
さらに美月。
「私はこっちの方が効率いいの」
タブレットとカラー資料。グラフとチャート、問題集にコメント機能付きのメモ。
その香りは、クールで整然。ウッディベースにマグノリア。
(でも……さっきより香りが濃くなってる……? スマートな外見の下に潜む、香りの圧迫感……)
そして僕。
「……っ、うぅ……」
鼻が、やられていた。
ミルクティー、ミント、抹茶、墨、紅茶、ウッディ、マグノリア。
知識より香りの記憶が優先され、ページをめくるたびに鼻が反応する。
目で読む→香りが来る→鼻が働く→脳が香り処理へ→学習破綻!
「なんで俺、鼻だけで偏差値下がってんの!?」
ルナが笑いながら僕の肩を叩いた。
「しらけん、まさかの鼻疲労!? はいはい、お鼻冷やしてやろうか?」
「それ、逆効果だと思う……」
紅葉が小声で言った。
「……これだけ香りが重なると、確かに脳が混乱するかも」
美月はクールに一言。
「白井くんは香りに集中しすぎ。
そろそろ“知識の香り”にも慣れてもらわないと」
いや、その“知識の香り”が僕にとって一番強敵なんですが!?
嗅覚探偵、ふたたび香りの波に飲まれかけている。
だがこの時はまだ、翌日の“未知なる香り”との遭遇を、僕は知らなかった。
テーブルを囲むのは、僕と3人のヒロインたち。
時刻は午後3時。
香りの温度が、徐々に上がりはじめる時刻でもある。
ルナはソファに寝転びながら、片耳イヤホンをつけていた。
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彼女の周囲には、軽やかなミルクティーとミントの香りが滞留。
動くたびに空気を撹拌し、僕の鼻を撫でていく。
「な、なんかリスニングCDの香り版みたいになってないか……」
その横では、紅葉が静かに筆を動かしている。
「私は……書くことで記憶するタイプ。だから筆が一番いいの」
机の上には筆ペンと和紙のようなノート。
彼女の香りは、墨と紅茶と……淡い抹茶。紙に染み込んだ香りまで違う。
(書くたびにふわっと香る……! これは“文字で香る罠”だ……!)
さらに美月。
「私はこっちの方が効率いいの」
タブレットとカラー資料。グラフとチャート、問題集にコメント機能付きのメモ。
その香りは、クールで整然。ウッディベースにマグノリア。
(でも……さっきより香りが濃くなってる……? スマートな外見の下に潜む、香りの圧迫感……)
そして僕。
「……っ、うぅ……」
鼻が、やられていた。
ミルクティー、ミント、抹茶、墨、紅茶、ウッディ、マグノリア。
知識より香りの記憶が優先され、ページをめくるたびに鼻が反応する。
目で読む→香りが来る→鼻が働く→脳が香り処理へ→学習破綻!
「なんで俺、鼻だけで偏差値下がってんの!?」
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紅葉が小声で言った。
「……これだけ香りが重なると、確かに脳が混乱するかも」
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「白井くんは香りに集中しすぎ。
そろそろ“知識の香り”にも慣れてもらわないと」
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