「匂いを嗅ぐ名探偵は、高校生活に巻き込まれる! 臭気判定士の能力で転校生の秘密を嗅ぎ取る青春ラブコメ」

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第53話:香りは、日常に戻る──青春再開!

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期末試験が終わり、いつもの日常が教室に戻ってきた。

ルナの爆音の笑い声。
紅葉の静かな読書時間。
美月の鋭い一言ツッコミ。

そして、香り。

ミルクティー、墨と紅茶、ウッディとマグノリア。
香りは“静けさ”から再び、“騒がしさ”へと形を変えて教室に充満していた。

「しらけーん、これ見て! 新しい柔軟剤試してみたんだ~! ちょっと嗅いで!」

「……俺、期末テストより“香りの試練”のほうが疲れた……」

僕の呟きに、紅葉がふっと笑い、

「でもその“試練”も、あなたの鼻なら越えられるでしょ?」

美月は小さく頷いた。

「嗅ぎ分け男子、継続中ってわけね」

笑いと香りに満ちた昼休み。

香りは騒がしい。でも、心地いい。

放課後。

僕が教室で鞄を片付けていると、背後から静かな気配が近づいた。

「白井くん」

その声を聞くだけで、僕の中にひんやりとした静けさが広がる。

七瀬いぶき。

彼女は制服の袖を少しだけ指先で摘みながら、視線をそらして言った。

「今日……“無香”で、会いにきてくれる?」

その言葉は、小さくて、でも確かな響きを持っていた。

僕は少しだけ考えて、そして笑って頷いた。

「もちろん」

香りが、日常を取り戻していく。

でも、あの静かな香りは、僕の中にちゃんと残っている。

騒がしさも、静けさも、
全部“香り”として、心のどこかに息づいている。

だからまた。

嗅覚探偵・白井健太の青春ラブコメは、香りとともに再始動する──!

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