妄想美少女脳内ポエム

本能寺から始める常陸之介寛浩

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『夏の水泳授業とスクール水着』

ツンデレ女子  「スク水なんて、好きで着てるわけじゃ……ないから!」

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 📘題名:スク水なんて、好きで着てるわけじゃ……ないから!

 💡設定:ツンデレ女子とスクール水着

 ・主人公は、夏の水泳授業が苦手なツンデレ系女子。
 ・外では強気でぶっきらぼうだが、心の中では人一倍繊細で恥ずかしがり屋。
 ・スクール水着への抵抗感と、密かな「自分だけのドキドキ」を抱えている。
 ・男子に見られることが嫌なのに、なぜか気にしてしまう矛盾。
 ・「スク水」×「恋」×「ツンデレ」の感情交錯を描く。

  *

「べ、別に……スク水なんて、好きで着てるわけじゃ……ないから!」

 そう言い放った自分の声が、更衣室の壁に跳ね返る。
 誰も突っ込んでこないのは、今はひとりだから。
 でも、ひとりでいるのに、顔が熱いのはどうして?

 ──スクール水着なんて。

 あの、生地。
 ぴったり体に張りつく。
 濡れて、伸びて、貼りついて。
 まるでわたしの弱点を、世界に晒しているみたいで──

 本当に、恥ずかしい。
 でも。
 ほんの少しだけ、心が跳ねるのはなんで?

  *

 六月の午後、蝉の声がまだ遠慮気味に鳴いている。
 教室で「水泳の準備してー!」という先生の声が上がると、
 周りの女子たちは楽しそうに笑いながら更衣室へと流れていく。

 わたしも、その流れに巻き込まれるように歩く。
 スクール水着が入った袋を手に握りしめたまま。

(あーあ、行きたくない……けど、さぼるのは悔しいし……)

 更衣室に入る。

「あっ、〇〇ちゃん、その水着新しいじゃん~!」
「えへへ~お母さんが勝手に買ってきたの」

 そんな明るいやりとりの横で、わたしは黙って壁際の席に荷物を置く。

 制服を脱ぎ、そっとスクール水着を手に取る。
 その瞬間、指先がピクリと反応した。

 ──ひんやりしてる。

 まだ濡れてもいないのに。
 まだ誰にも見られていないのに。
 もう、心がドキドキしてる。

(べ、別に……こんな水着にドキドキしてるわけじゃないから)

 脚を通す。
 太ももをなぞる布。
 腰でぴたりと止まる感触。

 背中のストラップを引き上げるとき、
 胸のあたりがぎゅっと締め付けられる。

「ぴしっ」

 その音に、心臓が反応した。

  *

 プールサイド。
 男子たちの視線を感じる。
 でも見ない。
 見たら負けだと思ってる。

(わたしなんか、見ても楽しくないでしょ……)

 そう心の中で毒づく。
 けど、すこしだけ……ちょっとだけ。

(誰か……見てるかな)

「おーい〇組、ストレッチしてー」

 先生の声に紛れて、男子の声が響く。
「〇〇って意外と、細いんじゃね?」

 一瞬、頭が真っ白になる。
 それ、聞こえてるから!!

(……バカ、見ないでよ!)
(ていうか……え、細いって、ほんとに?)

  *

 泳ぐ番が来た。
「位置についてー」

 ドキドキが加速する。
 心音が、耳の奥で響く。

「スタート!」

 飛び込んだ。

 水の中は、静かだった。
 けれど、頭の中はうるさかった。

 スクール水着が水を含み、
 体に吸い付くような感覚になる。

「すっ」「ぴたり」

 布が肌をなぞるたび、
 心の中に何かが走る。

 あの音。
 わたししか知らない音。

(好きで着てるわけじゃ……ないのに……)

 泳ぎ終えたわたしは、プールサイドに手をついて息を吐く。
 ふと、見上げた先。

 あの男子が、わたしの方を見ていた。
 目が合った。

 一瞬、時間が止まる。

「な、なによっ!」

 怒鳴ってプイッと顔を背ける。
 でも、その直後に顔が真っ赤になるのは、どうしようもなかった。

  *

 更衣室。
 濡れたスクール水着を脱ぐ。

「ぺたり」
「くしゅっ」

 その音が、やけに切なく聞こえる。
 楽しかった?
 恥ずかしかった?
 よく分からない。

 でも、わたしの中に確かに残ってる。
 あの音と、あの視線。

 スクール水着は、もう袋の中。
 でも、わたしの胸の中には、
 今日のわたしが、ちゃんと刻まれてた。

(……べ、別に。ちょっとだけ、楽しかった……だけ、だからっ!)

 ──好きで着てるわけじゃ、ない。
 でも。
 ちょっとだけ、自分のことが好きになれた、
 そんな夏の午後だった。
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