妄想美少女脳内ポエム

本能寺から始める常陸之介寛浩

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『夏の水泳授業とスクール水着』

「帰宅部女子 × スクール水着 × 夏の水泳授業」

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 📘題名:
「努力してないわたしも、今日だけは泳いだんだよ」

 💡設定:帰宅部女子 × 夏 × スクール水着 × 水泳授業
 主人公は帰宅部所属の女子高生(高校1年~2年)。

 勉強も運動も「ほどほど」で、本気になったことがなく、自分を「頑張らない子」だと思っている。

 夏の水泳授業も「サボれたらサボりたい」気持ちでいたが、なぜかその日は“泳ぎたい”と思ってしまった。

 スクール水着を着るのが恥ずかしく、憂鬱だったが、プールに映る夏空を見た瞬間「今日だけは泳ごう」と決める。

 隣のレーンで笑いながら泳ぐ友達、ふと視線を向けてくれた男子の目に「泳ぐ自分」が映っていることに気づく。

「努力してない自分」が小さな勇気を出した夏の記憶として刻まれる。

 *
「〇組、プールの準備しろよー!」

 先生の声が響くと、教室が一気にざわめいた。

「えー! だるい~!」
「今日プールかー、めんど!」

 みんなが文句を言いながらも笑顔なのは知っている。

 

 わたしは、帰宅部。

 放課後はすぐ家に帰って、
 おやつを食べて動画を見て、
 ベッドでゴロゴロして一日が終わる。

 部活を頑張る子をすごいと思うけれど、
 わたしはそういうのができない。

 

「努力って、なんか苦手だな」

 そう言って笑う自分に慣れていた。

 

 プールなんて、本当はサボりたい。
 でも今日は出席を取られるから仕方なく更衣室へ向かった。

 

 *

 スクール水着を取り出す。

 冷たい布の感触が指先を走る。

「ぴしっ」

 生地が伸びる音がした。

 

「うわー、最悪~」
「なんか太ったかも~」

 友達の声が聞こえる。

 笑いながら話しているけど、
 わたしは何も言えなかった。

 スクール水着を着ると、
 全部が隠せなくなる気がする。

 自分の身体も、
 自分が「頑張れない子」だってことも。

 

 でも。

 今日はなぜか、
 その“最悪”を受け入れてみようと思った。

 

 *

 プールサイド。

 太陽が強くて、アスファルトが熱い。

 水面がきらきら光っている。

「わー、水気持ちよさそう!」

 友達が笑いながら飛び込んだ。

 水しぶきが太陽の光を受けて虹色に見えた。

 

(きれいだな)

 そう思った瞬間、
 胸の奥が「きゅっ」とした。

「泳ぎたい」って思った。

 

 自分でも驚いた。

 わたし、何かを「やりたい」って思ったの、いつぶりだろう。

 

 *

 泳ぐ番が来た。

「位置についてー!」

 

 プールの端に立つ。

 太陽が背中を押してくれる気がした。

 

「スタート!」

 

 水に飛び込む。

 冷たい水が全身を包む。

 息を止めると、耳の中で自分の鼓動が響く。

「どくん、どくん」

 

 泳ぎ方なんて、ちゃんと習ったことがない。

 でも、腕を伸ばして水を掻いた。

 脚をばたつかせて水を蹴った。

 遅い。
 フォームも汚い。

 でも、

(泳いでる)

 わたしが、泳いでる。

 

 *

 息継ぎで顔を上げた瞬間、
 空が見えた。

 青くて、広くて、太陽が眩しかった。

 水が顔を打つ。

 塩素の匂いが鼻をつく。

 

 でも、すごく気持ちよかった。

 

 泳ぎ終わったとき、
 プールサイドに手をついて息を吐く。

「はぁ……」

 心臓が早鐘を打っていた。

 

 視線を上げると、
 隣のレーンで泳ぎ終わった友達が笑っていた。

「〇〇ちゃん、泳げるじゃん!」

「……うん」

 小さな声で返した。

 

 そのとき、
 視線の先に彼がいた。

 同じクラスの男子。

 わたしと目が合った。

 

 胸が「どくん」と鳴った。

 

 *

 更衣室。

 スクール水着を脱ぐ。

「ぺたり」

 濡れた布が肌から離れる音がした。

 

 髪から水滴が落ちる。

 汗と水の匂い。

 塩素の匂い。

 夏の匂い。

 

「努力してないわたしも、今日だけは泳いだんだよ」

 

 誰にも言わないけど、
 心の中で小さく呟いた。

 

 *

 帰り道。

 風が髪を乾かしてくれる。

 蝉が「シャーシャー」鳴いている。

 制服の背中が汗で少し張りつく。

 でも、今日はそれも気にならなかった。

 

 わたしは今日、泳いだ。

 それだけで、夏が始まった気がした。

 

 明日も頑張れるかはわからない。

 努力できる子には、きっとなれない。

 でも。

「今日泳いだわたし」は、本物だ。

 

 その小さな一歩を、
 夏の光がそっと照らしてくれた。
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