妄想美少女脳内ポエム

本能寺から始める常陸之介寛浩

文字の大きさ
288 / 302
『夏の水泳授業とスクール水着』

「親友ポジ女子 × スクール水着 × 夏の水泳授業」

しおりを挟む
 📘題名:
「はいはい、水着ずれてるよって、今日もあなたの保護者」

 💡設定:
 主人公は“親友ポジ”の女子高生(高1~高2)。

 幼馴染や親友男子の隣でいつも「保護者」みたいに世話を焼くポジション。

 勉強、忘れ物、部活、そしてプール授業でも「ほら〇〇、タオル忘れてる!」「日焼け止め塗った?」と面倒を見る。

 スクール水着の肩紐がずれかけている男子(無頓着男子)を直してあげるが、触れた指先にドキッとしてしまう自分に気づく。

 本当は「保護者」ではなく、彼の“ただの友達”ではなく“特別な存在”になりたい気持ちを持っている。

 夏の水面のきらめき、プールサイドの熱、彼の笑顔、そして自分の心臓の音が、“保護者”の殻を揺らす一日。

 *
 

「〇〇、日焼け止め塗った?
 ……あんた本当、何にも考えてないんだから」

 

 夏のプールサイドは、照り返しで眩しくて、
 汗と塩素の匂いが混ざって、呼吸するたびに夏が入ってくる。

 

 クラスメイトたちの笑い声、
 水をかけ合う声、
 飛び込む音。

 

 わたしはタオルを抱えながら、
 彼の背中をじっと見ていた。

 

「なに?」

 振り返った彼の首元には、日焼け止めの塗りムラ。

「……貸しなさい」

 無言で日焼け止めを取って、
 首筋に塗ってやる。

「冷たっ!」

「はいはい、じっとして」

 

 本当に、手がかかるんだから。

 

 *

 更衣室。

「わー、スク水きつい~」
「太ったかも~!」

 騒ぐクラスメイトを横目に、
 わたしは無言でスクール水着を着る。

「ぴしっ」

 生地が伸びる音がする。

 肩紐をかけるとき、
 胸の奥がぎゅっとなる。

(やだ、なにこれ……)

 

 鏡に映った自分を見て、
 思わず顔を背ける。

 

 *

 プールサイド。

「おーい、〇〇~!」

 向こうで彼が笑顔で手を振っている。

 その笑顔に、心臓が少しだけ跳ねる。

 

「おーい! どうした?」

「……別に」

 顔を背ける。

 

「はいはい、水着ずれてるよ」

 肩紐が落ちかけているのを直してやる。

「おわっ、ありがとう……」

「ほんと、あんたってさぁ……」

 

 その瞬間、指先に触れた彼の肌の温度に、
 胸の奥が熱くなる。

(あれ……なに、この感じ……)

 

 *

 泳ぐ番が来た。

「位置についてー!」

 プールの端に並んだとき、
 彼が横に並んだ。

「勝負な!」

「は? あんた、泳げんの?」

「失礼な!」

 

 笑顔で笑い返す。

 その笑顔が、眩しかった。

 

「スタート!」

 

 水が弾ける。

 冷たさが全身を包む。

 

 水の中で目を開けると、世界が青く揺れていた。

 

(あいつ、泳げてるかな……)

 泳ぎながら横を見る。

 不格好なフォームで必死に水を掻いている。

 

 思わず笑ってしまう。

(頑張れ、って……)

 

 心臓が「どくん」と鳴った。

 

 *

 泳ぎ終わって、プールサイドで息を吐く。

「はぁ……疲れた……」

 横で倒れ込む彼。

「はは……負けた……」

「そりゃそうでしょ」

 笑ってタオルを投げてやる。

 

「ありがとな」

 笑顔で言われたその瞬間、
 胸がきゅっと苦しくなった。

(やだな……なにこれ……)

 

 *

 帰り道。

 髪はまだ濡れていて、風が涼しい。

 蝉の声がうるさい。

 

「今日も助かったわ、マジで」

「はいはい、感謝しなさい」

 いつもの調子で言い返す。

 でもその笑顔を見た瞬間、
 心の奥で何かが震えた。

 

(今日も“保護者”だったな、わたし……)

(でも、それじゃ……やだな……)

 

「……ねぇ」

 小さく声をかけようとしたとき、
 彼が振り返る。

「ん?」

 

「……なんでもない」

 顔を逸らす。

 

 あんたは、わたしを“親友”だと思ってる。

 “保護者”だと思ってる。

 

 でも。

 わたしは“あんたの特別”になりたいんだよ。

 

「はいはい、水着ずれてるよって、
 今日もあなたの保護者」

 

 でも、いつか。

 そのセリフを笑顔じゃなく、
 真剣な顔で言えるようになりたい。

 

 プールサイドで笑うあんたを見ながら、
 胸の奥で小さな決意をした夏の日だった。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

筆下ろし

wawabubu
青春
私は京町家(きょうまちや)で書道塾の師範をしております。小学生から高校生までの塾生がいますが、たいてい男の子は大学受験を控えて塾を辞めていきます。そんなとき、男の子には私から、記念の作品を仕上げることと、筆下ろしの儀式をしてあげて、思い出を作って差し上げるのよ。

刈り上げの教室

S.H.L
大衆娯楽
地方の中学校で国語を教える田辺陽菜は、生徒たちに校則を守らせる厳格な教師だった。しかし、家庭訪問先で思いがけず自分の髪を刈り上げられたことをきっかけに、彼女の人生は少しずつ変化していく。生徒たちの視線、冷やかし、そして自分自身の内面に生まれた奇妙な感覚――短くなった髪とともに、揺らぎ始める「教師」としての立場や、隠されていた新たな自分。 襟足の風を感じながら、彼女は次第に変わりゆく自分と向き合っていく。地方の閉鎖的な学校生活の中で起こる権威の逆転劇と、女性としての自己発見を描く異色の物語。 ――「切る」ことで変わるのは、髪だけではなかった。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...