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第3巻:本能寺の焔と新たな道
第3章:北の旅路
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岐阜城の朝は、霧に閉ざされる。
木の門を抜ける風が、冷たく頬を刺す。
わしは母上のそばに立ち、初と江を背に守る。
小谷城の湖畔は遠く、父上の笑顔は霧に溶ける。
――父上。わが翼は、北の旅路を飛び始めたり。
母上がわしらを見る。
「茶々、初、江。そなたら、北ノ庄へ参る。気高くあれ」
その声は静かだが、微かな決意を帯びる。
わしは頷く。
「母上、わし、長女として、初と江を守る」
初がわが袖を掴む。
「茶々、そなた、北ノ庄、どんなとこだ? 怖くないか?」
わしは初の手を握る。
「初、恐れるな。わしらが一緒だ。北ノ庄は新たな家だ」
江が母上の膝に凭れる。
「茶々、初、北ノ庄、寒いのか? わし、怖くないぞ!」
わしは江の頭を撫でる。
「江、そなた、気丈だな。寒くとも、わしらがそなたを温める」
母上が微笑む。
「茶々、そなた、賢い。戦国の旅路は試練ぞ」
岐阜城を離れ、わしらは馬車に揺られる。
道は泥濘み、車輪が軋む。
初が江を抱き、窓の外を見る。
「茶々、そなた、この道、どこまで続くんだ? わし、母上が変わる気がして……」
わしは初の肩を抱く。
「初、母上はわしらを守る。長女として、わしもそなたらを守る」
旅路の途中で、林佐渡守が馬に乗って現れる。
「茶々殿、初殿、江殿。北ノ庄への道、そなたらの心を試すか?」
わしは林を見る。
「林殿、そなた、柴田勝家殿の北ノ庄をどう見る? 織田家の混乱は続くか?」
林が静かに語る。
「茶々殿、そなた、目が鋭い。柴田殿は織田の柱。されど、羽柴秀吉の影が伸びる。そなたの父、長政殿は、織田と浅井の間で戦った。そなた、その試練をどう刻む?」
わが心が波立つ。
――秀吉殿。柴田勝家。戦国の試練は、わしらをどう導く?
わしは答える。
「林殿、わし、初と江を守る。それがわが試練だ。されど、そなたの言う道、わしも見定める」
林が微笑む。
「よい答えだ、茶々殿。そなたの目は、戦国の籠を破るやもしれぬ」
わしは頷く。
――戦国の試練。わし、必ず見定める。
北ノ庄城に近づく。
石垣がそびえ、雪の気配が風に漂う。
母上がわしらに語る。
「茶々、初、江。そなたら、北ノ庄は新たな家だ。柴田勝家殿は、わしらを守る。されど、戦国の世は変わる。気高くあれ」
わしは母上の瞳を見る。
その奥に、信長殿の焔と新たな決意が宿る。
夕刻、馬車が止まる。
北ノ庄城の門が、冷たくわしらを迎える。
初がわしに囁く。
「茶々、そなた、この城、寒そうだな。されど、わし、そなたと一緒なら怖くない」
わしは初の手を握る。
「初、そなた、気丈だ。江もだ。わし、長女として、そなたらを守る」
夜、北ノ庄城の部屋で、母上がわしらに語る。
「茶々、そなた、今日、何を学んだ?」
わしは答える。
「母上、わし、戦国の旅路を学んだ。されど、初と江を守る心は変わらぬ」
母上が微笑む。
「茶々、そなた、賢い。戦国の旅路は冷たい。そなたの心は、初と江で温めなされ」
初が江を抱き、眠る江の髪を撫でる。
「茶々、そなた、強くなったな。わし、そなたを頼るぞ」
わしは初の手を握る。
「初、そなたも強い。共に江を守ろう」
わしは目を閉じる。
小谷城の炎が、瞼の裏で揺れる。
父上の声が、遠く響く。
――茶々、鷹になれ。
わしは答える。
――父上。わし、目を開き、翼を広げ、試練を越える。
木の門を抜ける風が、冷たく頬を刺す。
わしは母上のそばに立ち、初と江を背に守る。
小谷城の湖畔は遠く、父上の笑顔は霧に溶ける。
――父上。わが翼は、北の旅路を飛び始めたり。
母上がわしらを見る。
「茶々、初、江。そなたら、北ノ庄へ参る。気高くあれ」
その声は静かだが、微かな決意を帯びる。
わしは頷く。
「母上、わし、長女として、初と江を守る」
初がわが袖を掴む。
「茶々、そなた、北ノ庄、どんなとこだ? 怖くないか?」
わしは初の手を握る。
「初、恐れるな。わしらが一緒だ。北ノ庄は新たな家だ」
江が母上の膝に凭れる。
「茶々、初、北ノ庄、寒いのか? わし、怖くないぞ!」
わしは江の頭を撫でる。
「江、そなた、気丈だな。寒くとも、わしらがそなたを温める」
母上が微笑む。
「茶々、そなた、賢い。戦国の旅路は試練ぞ」
岐阜城を離れ、わしらは馬車に揺られる。
道は泥濘み、車輪が軋む。
初が江を抱き、窓の外を見る。
「茶々、そなた、この道、どこまで続くんだ? わし、母上が変わる気がして……」
わしは初の肩を抱く。
「初、母上はわしらを守る。長女として、わしもそなたらを守る」
旅路の途中で、林佐渡守が馬に乗って現れる。
「茶々殿、初殿、江殿。北ノ庄への道、そなたらの心を試すか?」
わしは林を見る。
「林殿、そなた、柴田勝家殿の北ノ庄をどう見る? 織田家の混乱は続くか?」
林が静かに語る。
「茶々殿、そなた、目が鋭い。柴田殿は織田の柱。されど、羽柴秀吉の影が伸びる。そなたの父、長政殿は、織田と浅井の間で戦った。そなた、その試練をどう刻む?」
わが心が波立つ。
――秀吉殿。柴田勝家。戦国の試練は、わしらをどう導く?
わしは答える。
「林殿、わし、初と江を守る。それがわが試練だ。されど、そなたの言う道、わしも見定める」
林が微笑む。
「よい答えだ、茶々殿。そなたの目は、戦国の籠を破るやもしれぬ」
わしは頷く。
――戦国の試練。わし、必ず見定める。
北ノ庄城に近づく。
石垣がそびえ、雪の気配が風に漂う。
母上がわしらに語る。
「茶々、初、江。そなたら、北ノ庄は新たな家だ。柴田勝家殿は、わしらを守る。されど、戦国の世は変わる。気高くあれ」
わしは母上の瞳を見る。
その奥に、信長殿の焔と新たな決意が宿る。
夕刻、馬車が止まる。
北ノ庄城の門が、冷たくわしらを迎える。
初がわしに囁く。
「茶々、そなた、この城、寒そうだな。されど、わし、そなたと一緒なら怖くない」
わしは初の手を握る。
「初、そなた、気丈だ。江もだ。わし、長女として、そなたらを守る」
夜、北ノ庄城の部屋で、母上がわしらに語る。
「茶々、そなた、今日、何を学んだ?」
わしは答える。
「母上、わし、戦国の旅路を学んだ。されど、初と江を守る心は変わらぬ」
母上が微笑む。
「茶々、そなた、賢い。戦国の旅路は冷たい。そなたの心は、初と江で温めなされ」
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わしは初の手を握る。
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