前代未聞のトイレ異世界転移ファンタジー~うちのトイレは異次元でした。街中は勘弁してください。いや、そこもちょっと!~

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第194話:なまはげ祭りの恐怖と混乱!? もう恥ずかしくて逃げ出したいよ!

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 俺の名前は佐藤太一、18歳。
 コンビニ飯は嫌いじゃないけど、最近は控えめにしてるつもりだ。
 友達の手料理も優しい味を頼みたいのに、つい刺激的なもんに手が伸びちまう。
 それでも俺の胃は、たまのスパイスや妙な食い物でやられちまう。
 俺の日常は、引っ越し先のアパートに備え付けられた曰く付きトイレのせいで、完全にカオスと化してる。  
 トイレのドアを開けた瞬間、どこか知らない場所に便器ごと転移して、用を足さないと戻れない仕様。
 もう何回目か分からないけど、毎回メンタルが削られる。
 このトイレ、俺の状況とか感情とか完全に無視して転移先決めるっぽいし、引っ越した当初は「駅近で家賃安い、ラッキー!」なんて浮かれてた自分が恨めしい。  
 昨日は秋田県の乳頭温泉で癒しの露天風呂をカオスに変えてしまった。
 その前は大湯環状列石の縄文の神秘をぶち壊したし、毎回毎回が試練だ。
 なのに、今日もまた腹がゴロゴロ鳴ってる。
 原因は昨夜の飯だ。
 彩花が「太一くん、寒い日にぴったりだよ!」って持ってきた手作りおでんを食ったんだけど、隠し味の柚子胡椒が効きすぎてたのか、胃がザワついたみたいだ。
 おでん自体は美味かったけど、食べ終わった後にじわじわ来る感じで、「彩花の優しさにもスパイスが潜んでるのか……」って実感したよ。
 それに加えて、最近この転移トイレのストレスで胃が弱ってたから、ついコンビニで「腸活ヨーグルトドリンク」買って飲んじまった。
「トイレの呪いに負けないぞ!」なんてバカなこと考えたのが間違いだった。
 おでんの柚子胡椒とヨーグルトドリンクの腸活パワーが胃の中でケンカしてる感じだ。  
 学校から帰って少しゲームしてたけど、我慢の限界が来た。
 胃が「ギュルルル!」って唸ってて、冷や汗が止まらない。
 仕方なくトイレに駆け込んだら、ドアを開けた瞬間――
 太鼓のドンドンという音と、なまはげの「ウオォォ!」という咆哮が耳に飛び込んできた。
 目の前には秋田県男鹿のなまはげ祭り、集落の広場で繰り広げられる伝統行事。
 俺の便器は、その祭りのど真ん中、なまはげが踊る火の周りにポツンと出現。  
「うおっ、なまはげ!? 祭り真っ最中かよ!?」  
 周りには赤い面と青い面のなまはげが「泣く子はいねがー!」って叫びながら包丁振り回してる。
 集落の広場には火がパチパチ燃え、住民や観光客が「すごい迫力!」って見入ってる。
 太鼓が「ドンドコドン!」って鳴り響き、子供が「怖いよー!」って親にしがみついてる。
 遠くには男鹿半島の雪景色が広がり、冷たい風が「サー」って吹いてる。
 この伝統と恐怖が入り混じる祭りのど真ん中に、俺の便器がドーンと浮いてて、まるで俺がなまはげの新メンバーみたいになってるよ。
 なまはげ祭りの緊張感と熱気が俺の便器でぶち壊しになってて、どうしていいか分かんねえよ!  
「こんなとこで用を足すとか、マジで無理ゲーだろ……!」  
 腹痛は待ってくれない。
 彩花のおでんとヨーグルトドリンクの組み合わせが下腹部をギュルギュル締め付けてきて、冷や汗が止まらない。
 でもさ、なまはげ祭りの真っ最中で、どうやって集中しろって言うんだよ!
 なまはげが「悪い子はいねがー!」って俺の便器の周りをウロウロしてるし、観光客が「迫力あるね!」って写真撮りまくる。
 火の「パチパチ」と太鼓の「ドンドン」が耳に響いてて、恐怖と祭りの熱気が俺を締め付けてくる。
 おばさんが「何か変な気配するね?」って俺の便器の方チラ見してるけど、見えてないはずだよな……?  
「いやいや、落ち着け俺。『俺からは見えてるけど、向こうからは見えない』がルールだろ?」  
 そう自分に言い聞かせて、深呼吸する。
 でもその瞬間、腹が「グゥゥゥ!」ってデカい音立てちまった。
 祭りの喧騒が一瞬止まって、なまはげが「ウオォォ!?」って俺の方振り向く。
「何だ、この音!?」って観光客がざわつき、子供が「なまはげが鳴いた!」って泣き出す。
 見えてないはずなのに、腹音でバレかけてて、俺、自分の腹に「なまはげ祭りで鳴くなよ!」って心の中で叫んでるよ!  
「やばい、やばい、やばい! 早く終わらせないと精神持たねえ!」  
 腹に全神経を集中させる。
 おっ、おっ、おっ、なんとか出そう……よし、気合入れろ!
 ブッ。  
「……うっ、音が祭りに響いた!」  
 火の周りに音が反響して、なまはげが「ウオォォ!」って驚いて包丁振り回す。
 観光客が「何!?」って一斉に飛び上がり、子供が「なまはげが怒った!」って泣き叫ぶ。
 見えてないはずなのに、匂いが漂ってきて完全にバレてるじゃん!
 おっさんが「何だこの臭い!?」って鼻つまみ、観光客が「祭りの匂いじゃないよね?」ってざわつく。
 太鼓叩いてたおじさんが「何事だ!?」って手を止める。
 祭りの雰囲気が「謎の音と匂い」でカオスになって、俺、この伝統行事を台無しにしちまった罪悪感で頭おかしくなりそうだよ!
 なまはげが「悪い子め!」って俺の便器の周りで踊り狂うけど、俺が原因だって気づかれてないのが唯一の救いだ。  
「待て待て、俺は悪い子じゃねえって! ……って、どうにもならねえ!」  
 いつもならシュールで笑える状況も、今回は祭りの恐怖と熱気を汚した焦りと羞恥しかない。
 子供が「オナラなまはげだ!」って泣きながら逃げ回り、観光客が「これも祭りの一部?」って笑ってる。
 カップルが「せっかくの旅行が……」って言い争い、ガイドが「皆様、落ち着いて! 伝統の迫力です!」って必死に誤魔化す。
 俺のせいで「なまはげオナラ事件」なんて語られたらどうすんだよ!
 この男鹿の伝統が俺のせいで汚れちまった罪悪感で、笑うどころか逃げ出したくなるよ!  
「いや、なまはげ、ごめんって! ……って、早く帰らせてくれ!」  
 ポチャン。  
「よっしゃ、出た! 終わった! ……って恥ずかしくて死にそう!」  
 次の瞬間、頭の中にいつもの声が響く。
「ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」  
 光に包まれてアパートのトイレに戻った瞬間、便器の冷たい感触と換気扇の微かな音にホッとする。
 心臓バクバクで息を整えながら、俺は便器に座ったまま放心状態で「うわああ……」って呻く。
 笑う余裕なんてなくて、なまはげ祭りの熱気と恐怖をぶち壊した羞恥がまだ体に残ってるよ。  
「本当に何でこんなトイレ付きの部屋に住んじまったんだろ……」  
 汗だくで呟く。
 秋田県男鹿のなまはげ祭りで伝統を台無しにするなんて、俺の人生ハードすぎるだろ。
 今回は遥や彩花たちが出てこなくて一人だったけど、なまはげの咆哮と観光客のざわめきが俺を追い詰めた。
 あの火の周りで耐えた俺、よくやったよ……いや、やりたくなかったよ!  
「ったく、次のトイレはどこに飛ばされるんだよ……」  
 腹痛が収まったことに感謝しつつ、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
 次に開けるのが怖い。
 でも彩花のおでんとヨーグルトドリンクの残りがまだ胃で暴れてる気がするし、またすぐ来るかもしれない。
 コンビニ飯や激辛、トイレにちなんだ食い物は控えめにしたいけど、つい手が伸びちまうんだよな。
 美味いし、友情も嬉しいし、つい食べちゃうんだよ。  
 考えてみれば、このトイレのせいで歴史や観光地をめちゃくちゃにしてきたけど、今回は伝統の祭りを汚しちまったよ。
 あのなまはげの「ウオォォ!」と太鼓の音が頭から離れねえよ。
 男鹿のなまはげ、ごめんな。
 お前の祭りをぶち壊しちまったよ。
 次は頼むから穏やかな場所に飛ばしてくれ……って、期待しても無駄か。  
 少し落ち着いて、深呼吸したいけど、この胃じゃ無理だろうな。
 彩花の隠し味とヨーグルトパワーが俺を離してくれねえ。
 なまはげの面と火の光が頭に残ってて、ちょっと怖い気分になるけど、思い出したら羞恥で震えるよ。
 次はどんな場所に飛ばされるか分からないけど、少しでも静かな場所を願いたい……って、無理か。
 このトイレ、絶対また何かやらかす気だよ。  
 ヨーグルトドリンクみたいなバカな食い物、もうやめようと思ったけど、コンビニで「腸活!」って見たらまた誘惑されそうで怖いよ。
 このトイレのせいで食い物の選択までおかしくなってるんだから、俺の胃とメンタル、どうなってんだよ。
 とりあえず、今日はもうトイレ行きたくない。
 でも腹の調子がそんな願い聞いてくれるわけないか。
 なまはげ祭りでやらかしただけでも褒めてくれよ、自分。
 あの祭りのど真ん中でミッションクリアしたんだからさ。
 次はどんな試練が待ってるか分からないけど、もう慣れた……いや、慣れねえよ!  

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