前代未聞のトイレ異世界転移ファンタジー~うちのトイレは異次元でした。街中は勘弁してください。いや、そこもちょっと!~

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第222話:日立駅で海の見える駅がまさかの大混乱!? もう恥ずかしくてホームに飛び出したいよ!

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 俺の名前は佐藤太一、18歳。
 コンビニ飯は嫌いじゃないけど、最近は控えめにしてるつもりだ。
 友達の手料理も優しい味を頼みたいのに、つい刺激的なもんに手が伸びちまう。
 それでも俺の胃は、たまの妙な食い物でやられちまう。
 俺の日常は、引っ越し先のアパートに備え付けられた曰く付きトイレのせいで、完全にカオスと化してる。  
 トイレのドアを開けた瞬間、どこか知らない場所に便器ごと転移して、用を足さないと戻れない仕様。
 もう何回目か分からないけど、毎回メンタルが削られる。
 このトイレ、俺の状況とか感情とか完全に無視して転移先決めるっぽいし、引っ越した当初は「駅近で家賃安い、ラッキー!」なんて浮かれてた自分が恨めしい。  
 昨日は茨城県北茨城市の五浦六角堂で、芸術的聖地をカオスに変えてしまった。
 その前は大津港で漁港の活気を汚してしまったし、毎回毎回が試練だ。
 なのに、今日もまた腹がゴロゴロ鳴ってる。
 原因は昨夜の飯だ。
 彩花が「太一くん、海の見える駅に合うよ!」って持ってきた手作りハマグリの炊き込みご飯を食ったんだ。
「優しい味にしたから!」って言ってたけど、隠し味の柚子胡椒が効きすぎてたのか、胃がザワついたみたいだ。
 ご飯自体はハマグリの出汁と米の甘みが効いてて美味かったけど、食べ終わった後にじわじわ来る感じで、「彩花の優しさにもスパイスが潜んでるのか……」って実感したよ。
 それに加えて、六角堂でやらかしたショックで胃が弱ってたから、ついコンビニで「腸活サポート!」ってパッケージの乳酸菌タブレット飲んじまった。
「トイレの呪いに勝つぞ!」なんてバカなこと考えたのが間違いだった。
 ハマグリご飯の柚子胡椒と乳酸菌タブレットの腸活パワーが胃の中でケンカしてる感じだ。  
 学校から帰って少しゲームしてたけど、我慢の限界が来た。
 胃が「ギュルルル!」って唸ってて、冷や汗が止まらない。
 仕方なくトイレに駆け込んだら、ドアを開けた瞬間――
 潮風の匂いと、列車の通過音が鼻と耳に飛び込んできた。
 目の前には茨城県日立市のJR日立駅、海の見える駅のホーム。
 俺の便器は、その駅のど真ん中、ガラス張りの待合室「VIEW ALTÉ」前のホームにポツンと出現。  
「うおっ、日立駅!? 海の見えるホームかよ!?」  
 ホームからは太平洋の青い海が広がり、ガラス張りの待合室がモダンに輝いてる。
 観光客が「この景色、最高!」って写真撮りまくってて、カップルが「ロマンチックだね」って寄り添ってる。
 ガイドが「日立駅は2011年にリニューアル、海の見える駅として人気です」って説明してるし、列車が「ゴトンゴトン!」と通過してる。
 この風情と開放感に満ちた日立駅のど真ん中に、俺の便器がドーンと浮いてて、まるで俺がホームの新モニュメントみたいになってるよ。
 日立駅の静けさと海の美しさが俺の便器でぶち壊しになってて、どうしていいか分かんねえよ!  
「こんなとこで用を足すとか、マジで無理ゲーだろ……!」  
 腹痛は待ってくれない。
 彩花のハマグリご飯と乳酸菌タブレットの組み合わせが下腹部をギュルギュル締め付けてきて、冷や汗が止まらない。
 でもさ、日立駅の海の見えるホームで、どうやって集中しろって言うんだよ!
 カップルが「ここでプロポーズしたいな」って囁き合ってるし、観光客が「この海、きれい!」ってスマホでパシャパシャ撮ってる。
 波の「ザザー!」と列車の「ゴトン!」が耳に響いてて、開放的すぎるこの状況が逆に焦りを増してくる。
 おばさんが「何か変な気配するね?」って俺の便器の方チラ見してるけど、見えてないはずだよな……?  
「いやいや、落ち着け俺。『俺からは見えてるけど、向こうからは見えない』がルールだろ?」  
 そう自分に言い聞かせて、深呼吸する――って、潮風で鼻がツーンとした!
 その瞬間、腹が「グゥゥゥ!」ってデカい音立てちまった。
 ホームの静寂が一瞬止まって、カップルが「え、何!?」って振り返る。
「列車の音かな?」ってガイドが誤魔化すけど、子供が「変な音だ!」って指さす。
 観光客のおじいさんが「腹減ったかな?」って笑うけど、俺の腹音がバレかけてて、心臓バクバクだ。
 見えてないはずなのに、こんな風情ある場所で注目されるなんて、俺、自分の腹に「日立駅の景色壊すなよ!」って心の中で叫んでるよ!  
「やばい、やばい、やばい! 早く終わらせないと精神持たねえ!」  
 腹に全神経を集中させる。
 おっ、おっ、おっ、なんとか出そう……よし、気合入れろ!
 ブッ。  
「……うっ、静寂を破る音がホームに響いた!」  
 海の見えるホームに音が反響して、観光客が「何だ!?」って一斉にざわつく。
 子供が「何か鳴った!」って笑い出し、おばさんが「何!?」って目を丸くする。
 見えてないはずなのに、音が静寂を切り裂いてバレちまったじゃん!
 カップルが「え、変な音!」って顔見合わせ、ガイドが「皆様、落ち着いて! 海の響きです!」って誤魔化そうとするけど、すぐに匂いが漂ってきて混乱が広がる。
 おじいさんが「この臭い、何だ!?」って鼻押さえ、観光客が「海の匂いじゃないよね?」って騒ぎ出す。
 波が「ザザー!」と打ちつけ、列車が「ゴトンゴトン!」と通過する。
 ホーム全体が「謎の音と匂い」でカオスになって、俺、この日立駅の風情を台無しにしちまった罪悪感で頭おかしくなりそうだよ!
 ガイドが「日立駅は海の見える名所です、静かに!」って叫ぶけど、誰も聞いてねえ。  
「待て待て、俺は駅員じゃねえって! ……って、どうにもならねえ!」  
 いつもならシュールで笑える状況も、今回は日立駅の開放感と海の美しさを汚した焦りと羞恥しかない。
 子供が「オナラ駅だ!」って走り回り、観光客が「これも海の見える演出?」って笑ってる。
 カップルが「せっかくのデートが……」って言い争い、ガイドが「次は駅舎の見学です、落ち着いて!」って必死に誘導するけど、誰も動かねえ。
 日立駅のガラス張り待合室が静かに海を映す中、俺のせいで「オナラ駅事件」なんて語られたらどうすんだよ!
 この海の見える聖地が俺のせいで汚れちまった罪悪感で、笑うどころかホームに飛び出したいよ!  
「いや、日立駅、ごめんって! ……って、早く帰らせてくれ!」  
 ポチャン。  
「よっしゃ、出た! 終わった! ……って恥ずかしくて死にそう!」  
 次の瞬間、頭の中にいつもの声が響く。
「ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」  
 光に包まれてアパートのトイレに戻った瞬間、便器の冷たい感触と換気扇の微かな音にホッとする。
 心臓バクバクで息を整えながら、俺は便器に座ったまま放心状態で「うわああ……」って呻く。
 笑う余裕なんてなくて、日立駅の風情を汚した羞恥がまだ体に残ってるよ。  
「本当に何でこんなトイレ付きの部屋に住んじまったんだろ……」  
 汗だくで呟く。
 茨城県日立市のJR日立駅で海の見えるホームを台無しにするなんて、俺の人生ハードすぎるだろ。
 今回は遥や彩花たちが出てこなくて一人だったけど、観光客のざわめきと海の静けさが俺を追い詰めた。
 あの待合室の前で耐えた俺、よくやったよ……いや、やりたくなかったよ!  
「ったく、次のトイレはどこに飛ばされるんだよ……」  
 腹痛が収まったことに感謝しつつ、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
 次に開けるのが怖い。
 でも彩花のハマグリご飯と乳酸菌タブレットの残りがまだ胃で暴れてる気がするし、またすぐ来るかもしれない。
 コンビニ飯や激辛、トイレにちなんだ食い物は控えめにしたいけど、つい手が伸びちまうんだよな。
 美味いし、友情も嬉しいし、つい食べちゃうんだよ。  
 考えてみれば、このトイレのせいで歴史や観光地をめちゃくちゃにしてきたけど、今回は海の見える名所を汚しちまったよ。
 あの太平洋の青とホームの開放感が頭から離れねえよ。
 日立駅、ごめんな。
 お前の美しさを汚しちまったよ。
 次は頼むから穏やかな場所に飛ばしてくれ……って、期待しても無駄か。  
 少し落ち着いて、深呼吸したいけど、この胃じゃ無理だろうな。
 彩花の隠し味と乳酸菌パワーが俺を離してくれねえ。
 日立駅の波音と列車の通過音が頭に残ってて、ちょっとロマンチックな気分になるけど、思い出したら羞恥で震えるよ。
 次はどんな場所に飛ばされるか分からないけど、少しでも静かな場所を願いたい……って、無理か。
 このトイレ、絶対また何かやらかす気だよ。  
 ハマグリご飯みたいな美味いもん、もうしばらく控えようと思ったけど、彩花がまた持ってきたら断れねえだろうな。
 このトイレのせいで食い物の選択までおかしくなってるんだから、俺の胃とメンタル、どうなってんだよ。
 とりあえず、今日はもうトイレ行きたくない。
 でも腹の調子がそんな願い聞いてくれるわけないか。
 日立駅でやらかしただけでも褒めてくれよ、自分。
 あのホームの前でミッションクリアしたんだからさ。
 次はどんな試練が待ってるか分からないけど、もう慣れた……いや、慣れねえよ!  
(続く……のか?)  

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