14 / 46
14話 受け入れる心
しおりを挟む
「ッふう、ふぅ…」
『ッ…』
凄い霊力が持ってかれる…!ただ、これは私が
決めたことだ。早く!早く変わって…認めて…!
『僕がヒトになって、君を助けられるのなら。
…僕はそれを認めるよ。ずっと、側にいてくれる
から』
「!」
言ってくれた。欲しかった言葉だ…。言葉の
終わった途端、ジャスパーの体は光と強い風で
覆われた。これがヒトガタになるのを認め、変化をしている証。
「っう…!」
急激な霊力消費で、私は地面に倒れた。こんなにも凄まじい程に持って行かれるのかと、考えると
同時に、元々はそうじゃない存在を変えるの
には、それだけの力が必要なのだと、理解できた。
「…!」
『…?』
光が消え、風が収まり、足元の陣は消えて
いった。よかった。…私の目の前には、人の形。
いわば、獣人となったジャスパーがいた。
『…? ??』
「ジャスパー…よかった。成功して。…人の体は
どう?」
『…わかんない。でも、何だか凄く馴染む気が
するよ』
見た目は15歳くらいの少年。黒髪に紺色の瞳、羽もあるのがわかる。ただ、服装とかもキッチリなのはなんでだろ…。
『…動ける?』
「…」
正直言えば、霊力消費で体が麻痺している状態。魔力を使えば動けない事はないし、人になったばかりでは魔法も使えないしキツイだろう。頼る訳にはいかない。
「大丈夫、よ。魔力を少し、霊力に変換すれば…」
『…でも、獣人が来る。ここに居たらまずいよ。僕、今なら魔法の使い方わかるから』
「えっ…?」
ジャスパーはそう言って、私の周りに風を集め始めた。これで運んでくれるの…?
『早く行こう。神獣だって、バレたらまずいん
でしょ?』
「うん…ありがとう。なったばかりなのに」
『ううん。なったから魔法が使えるの。よし、
行こう』
ふわふわと浮き上がり、私達はなんとか庭に来て
いた人達から逃れる事ができた。
ー部屋に戻ってー
「…ありがとう、ジャスパー」
『うん。…人の姿になれたのは、まだびっくり
してるけどね』
「あはは…。ごめんね。何の了承も無しに技を
使って、獣人にして…」
一刻でも早く、ジャスパーを獣人にしたかった…。いつの間にか、私の心にその思いが生まれていた。でも、了承無しに使って…怒りの感情が湧く事はないの…?
「怒ってるでしょう?」
『ううん。それに、獣人も獣の姿になれるん
だよね?前に獣人さんが獣の姿に戻ってたの見た事あるの。仮に戻れなかったとしても、羽はあるし、
ペリドット様がいる。僕はもう巣立ちしてるから
一人だったし…一緒にいてくれるんでしょ?』
「!」
この子は…私と一緒にいる事をこんなにも望んで
くれるんだ…。
「うん、勿論!ずっと、ジャスパーといるよ!」
『! 僕も、ずっと側にいるよ!鳥としても、獣人としても!』
「うん!…一緒に寝る?ずっと一人だったん
でしょ?」
『いいの…?なら、寝る!これから宜しくね、主様!』
軽くジャンプして、ジャスパーはベッドに潜り
込んだ。私も眠気が凄いのでベッドに入った。
…そして、一つ忘れていた事があった。
(ジャスパーの事、なんて説明すれば…ま、
いっか!)
『ッ…』
凄い霊力が持ってかれる…!ただ、これは私が
決めたことだ。早く!早く変わって…認めて…!
『僕がヒトになって、君を助けられるのなら。
…僕はそれを認めるよ。ずっと、側にいてくれる
から』
「!」
言ってくれた。欲しかった言葉だ…。言葉の
終わった途端、ジャスパーの体は光と強い風で
覆われた。これがヒトガタになるのを認め、変化をしている証。
「っう…!」
急激な霊力消費で、私は地面に倒れた。こんなにも凄まじい程に持って行かれるのかと、考えると
同時に、元々はそうじゃない存在を変えるの
には、それだけの力が必要なのだと、理解できた。
「…!」
『…?』
光が消え、風が収まり、足元の陣は消えて
いった。よかった。…私の目の前には、人の形。
いわば、獣人となったジャスパーがいた。
『…? ??』
「ジャスパー…よかった。成功して。…人の体は
どう?」
『…わかんない。でも、何だか凄く馴染む気が
するよ』
見た目は15歳くらいの少年。黒髪に紺色の瞳、羽もあるのがわかる。ただ、服装とかもキッチリなのはなんでだろ…。
『…動ける?』
「…」
正直言えば、霊力消費で体が麻痺している状態。魔力を使えば動けない事はないし、人になったばかりでは魔法も使えないしキツイだろう。頼る訳にはいかない。
「大丈夫、よ。魔力を少し、霊力に変換すれば…」
『…でも、獣人が来る。ここに居たらまずいよ。僕、今なら魔法の使い方わかるから』
「えっ…?」
ジャスパーはそう言って、私の周りに風を集め始めた。これで運んでくれるの…?
『早く行こう。神獣だって、バレたらまずいん
でしょ?』
「うん…ありがとう。なったばかりなのに」
『ううん。なったから魔法が使えるの。よし、
行こう』
ふわふわと浮き上がり、私達はなんとか庭に来て
いた人達から逃れる事ができた。
ー部屋に戻ってー
「…ありがとう、ジャスパー」
『うん。…人の姿になれたのは、まだびっくり
してるけどね』
「あはは…。ごめんね。何の了承も無しに技を
使って、獣人にして…」
一刻でも早く、ジャスパーを獣人にしたかった…。いつの間にか、私の心にその思いが生まれていた。でも、了承無しに使って…怒りの感情が湧く事はないの…?
「怒ってるでしょう?」
『ううん。それに、獣人も獣の姿になれるん
だよね?前に獣人さんが獣の姿に戻ってたの見た事あるの。仮に戻れなかったとしても、羽はあるし、
ペリドット様がいる。僕はもう巣立ちしてるから
一人だったし…一緒にいてくれるんでしょ?』
「!」
この子は…私と一緒にいる事をこんなにも望んで
くれるんだ…。
「うん、勿論!ずっと、ジャスパーといるよ!」
『! 僕も、ずっと側にいるよ!鳥としても、獣人としても!』
「うん!…一緒に寝る?ずっと一人だったん
でしょ?」
『いいの…?なら、寝る!これから宜しくね、主様!』
軽くジャンプして、ジャスパーはベッドに潜り
込んだ。私も眠気が凄いのでベッドに入った。
…そして、一つ忘れていた事があった。
(ジャスパーの事、なんて説明すれば…ま、
いっか!)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる