奴隷亜人の転生旅路〜転生先はやられ役の神獣でした〜

神月るあ

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29話 魔法の特訓

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ー朝食の間ー

「どう?人間の食事は食べれそう?」
『多分、いける…』

今は朝食の時間。ジャスパーの人間状態への変化を
察してくれたのか、今はジャスパーも一緒に食事を
摂るようになった。とんでもなく心が広いな
皇帝様…。

『ペリドット様!尻尾は出さないのですか?』
「エメラルド様…今出したら邪魔になっちゃいますから。後で部屋に来てくれたら尻尾出してもいい
ですよ」
『あれ?でもペリドット様。今日はコーラル達に
魔法を教える日では?』
『っそうなんですの?なら私も行きますわ!休んでた分、魔法を頑張りたいです!』

おっと好都合な話…。利用させてもらおっと。

「でしたら、今日の魔法特訓でコーラル達と一緒にやりましょうか?皇帝様がいいのなら」
『ああ。勿論構わないさ!特にエメラルドは寝て
ばかりだったしな。体力も少ないだろうし、
頑張ってくるといい』
『ありがとうございますお父様!私、
頑張りますわ!』

相変わらず優しい皇帝様と皇后様…。この世界の
あの国じゃあ、天と地の差だな…。

「ジャスパー。どう?お腹は膨れた?」
『うん。美味しかった』
「そっか。なら、部屋に戻ろうか?」
『うん。主様がそうしていいなら』
「わかった。それでは、また魔法の授業の際に
お会いしましょう」

私達は扉を閉め、近くに待機してくれていた
クォーツと一緒に部屋に戻った。

ー部屋内ー

「ふ~…。もう、旅も断ったしなあ…」

皇帝様達が私を国に引き留めておきたいのは目に
見えていた。なので、今日の朝食時に私は旅の
準備を中止する代わりにこの国で働くと言ってみた
のだ。そしたら、皇帝達はこの城に住んで魔法を
教え続けてほしいとの事だったので、お言葉に
甘えることにした。

『主様。僕も行くのでいいんだよね?』
「うん、そう。クォーツ達とだけど大丈夫?」
『大丈夫だよ。いい人そうだし、獣人さんだし』

エメラルド様はどうしよ…。まずは魔力量の鑑定
かな。神なのは全員知ってるから偽造は必要ないし
そのままで…。あとは属性か…。

「その時考えよ…」
『主様。考えるの放棄するのは良くないよ?』
「実際に見てみないとわからないときはやっても
いいの~…」
『そうなの?』
「うん…」

実際にはそうでもないのかもしれないが、もう
知らん。底が見えない奴ほど怖いものはない。
死なないからこそ怖いのだ。

ー数分後、庭ー

『ペリドット様!今日もお願いします!』
『お願いしますね、ペリドット様』
『その子がジャスパー君ですよね?風属性が使えるとの事なので、私は得意分野かと』
「そうだね。手伝いを頼もうかな、マリン」

コーラルにクォーツにマリン…。みんな元気でいい
ねえ。この国の法律と住む人間の考えには拍手
したいくらいだ。

「それじゃあ、今日は~…。マリンはジャスパー
を教えててくれる?コーラル達はお互い怪我しない程度に魔法を撃ち合って」
『それでは、ペリドット様は…?』
「ああ、それは…。おっ、来たね」
『ペリドット様~!遅くなりまして申し訳ありません!魔法の特訓、お願いしますわ!』
「はい。今日は、私はエメラルド様に付いて魔法を
教えます。ですが、何かあれば私に聞いて
ください。では、解散!」

ふう…今日はこんなもんでいっかなあ~。今日は
エメラルド様の魔法を見てたいし。

「では、エメラルド様。彼方で行いましょう」
『わかりましたわ!』

変な結果が出てもいい。それは王族として優秀だと
いう事だから。でも…。

(何か違和感を感じる。見られている?探査魔法
と、幻惑。かけてみるか)

これで違和感が終わればいいけど…。
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