奴隷亜人の転生旅路〜転生先はやられ役の神獣でした〜

神月るあ

文字の大きさ
46 / 46

45話 新たな戦い

しおりを挟む
ー幻獣の森ー

「単刀直入に聞く。ここの時が歪んでいるのは
何故」
『ん~…。聖獣の森に居た神様はここを守っていた
神様と姉妹だったの。そして、一心同体でも
あった。向こうで姉が殺されちゃったから、妹も
死んで、時が歪んだ』

そう言うことが起こってたのか…。死んだ神を
蘇らせる力なんて無いし…。一心同体なんて神様も
いるのか…。

『知りたいのはそれだけ?』
「貴女達は、この場所の"時"にどう対応してる
の?」
『ん~…。植物とかは私らのバリアで何とかして
る。水とか、大切なものの性質が変わったりする
と大惨事だから、基本は棲み家からでない生活
かな』
「じゃあ、なんでここに…?」

もし仮に酸素がなくなれば、幻獣であったとしても大ダメージだし、長くいれば最悪死ぬ。なのにこの子はピンピンしてる…。

『貴女がここに来てからかな…。周りの時や性質が
安定し始めたの。だから、私が偵察として見て
来いって。…もし神様なら、ここを守ってほしいと
伝えてほしいって』
「!」
『主様…どうする?』

正直言えば、厳しいよりだ。私は神と言うよりは
神の見習いが正しい表現だろう。実際に神様に
会えば、私は萎縮して動けない。元が人間なのも
あって、神様と自身が同格という感覚は湧かない。でも、方法が無いわけではない。

「…よし。決めた」
『?』
「貴女、名前は?」
『シトリン』
「よし、シトリン。今から戦おうか」
『……ん?』

ーー説明中ーー

『じゃあ、私と貴女様が戦って貴女様が勝てば、
ここを元に戻せるの?』
「神法をどうにかしないとだから時間はかかっちゃ
うけどね。それでも、君がまだ若いうちに叶えるよ」
『っなら!!なら、是非お願いします…!時が
歪んで、聖獣の森にも行けなくて…』
「恨んでは無いの?」
『少なくとも、私は…ですが』

ふむ…だとすれば、嫌ってる側と気にして無い
無関心側で別れてると考えておこう。それより、
戦う許可があっちから出たし…。

「なら早速。私の持つ世界に案内するよ。そこで
戦おうか」
『お願いします!』
『主様。僕は主様の世界にいる人と戦うの?』
「まあね…。多分、相性的には私とシトリンは良い
方だろうし」

そう言うと、ジャスパーは明るく「わかった!」と
言ってくれた。聞き分けがいいのはいいけど、
それはそれで心配になってしまう。
世界にテレポートした後、私とシトリンはすぐに
闘技場に飛ばされた。

『おお…すごい』
「お気に召したようでよかったよ。ここではお互い敬語も手加減もなしね」
『わかった…。思う存分楽しむから』
「そうこないとね…。狐族と戦うのはこれが初めてだから」

ーージャスパー視点ーー

『ジャスパー様。連れてきましたよ』
「! その人が…?」
『ええ。狼と蛇の幻獣です。名はスピネル。彼女は
あまり喋らない子ですが、しっかりと許可は取って
ます』

確かに嫌そうな顔はしてない。でも無表情…。顔
から感情を読み取れないから、その分力の出力を
上げないと。僕が頑張れば、主様はいつもよりも
もっと褒めてくれるから。

「スピネル…さん。お願いします」
『…ええ』

すると、彼女は薄く優しそうにニコリと笑った。
そして、僕らは闘技場で戦う。正直、試したい
ことがあったから、やってみようと思う。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...