【完結】真実の愛に目覚めた男達の末路

まゆら

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✽✽天使に出逢った日◇脳筋王子エリックが真実の愛に目覚める!?

本日の俺の任務は月に1度開かれる大神殿開放デーの警備の監督だ。

母上の妹である大聖女エリシア様は、国民に大人気なので…

聖騎士だけでは、警備が心許ないので近衛騎士団が呼ばれたのだ。

俺は特別にエリシア様を警護する事になっている。

さて、エリシア様にご機嫌伺いでもして来ようかな。

最近、大神殿の開放デーが以前より賑わって大変らしいから今日もきっと張り切っているに違いないな。

大聖女エリシア様グッズとか、エリシア様愛用コスメが人気らしいんだけど…

男である俺には興味ないしな…

それよりも、俺の目当てはお菓子なのだ。

聖女見習い達が作る焼き菓子が中々美味くて…

チョコレートとナッツが沢山入った大きめのザクザクしたクッキーが特に気に入っているのだ。

量り売りしているのだが…大人気で直ぐに売り切れるから急がないと…

明日からのお茶の時間の楽しみの為にも買わなくては!


◇◇◇◇◇◇

エリシア様の私室へ挨拶に向かうと新しいエリシア様付きの聖女見習いの娘を紹介された。

「この者は、最近私の専属になったマリアよ。

隣国に長く住んでいたから私の知らない文化に詳しくてね。

聖女見習いたちの手仕事で作った物をブランド化して開放デーで販売する事を考えてくれたり、私に憧れてくれている貴族の令嬢達に私の愛用品をすすめる事を商会に話してくれたりしたのよ。

おかげで開放デーは前より賑わうようになったし、聖女になりたいわけじゃないのに冷やかしで大神殿に入りたいと言ってくる貴族の令嬢が少なくなったのよ。

そうそう、エリックがお気に入りのお菓子は大袋2つ分取り置きしてあるから安心しなさいね。

マリア、この大男は私の可愛い甥っ子よ?

この国の軍部をまとめている武人でもある第2王子のエリックよ!こわくないから挨拶なさいな」

「エリシア様!もっとまともな紹介の仕方はないのですか?

初めまして、私はこの国の将軍を務めております。第2王子のエリックです。

ワガママな叔母の専属侍女になり、大変だと思いますが…めげずに頑張って下さい。」

俺は叔母の後ろに控えている小柄で可愛らしい少女を怖がらせないように優しい声を出すように気をつけながら挨拶をした。

少女は俺と目が合うと頬を薔薇色に染めて恥ずかしそうに、

「お初にお目にかかります。私はエリシア様付きのマリアです。最近大神殿にあがったので分からないことだらけなのです。

早くエリシア様のお役に立てるように励みます。

あの…チョコレート菓子がお好きと聞いたので、これを是非一度召し上がってみて下さいませ」と、彼女が作ったらしいお菓子入りの袋を手渡してくれた。

ニッコリと微笑んでいる彼女がとても可愛いらしくて…

俺もつられて笑ってしまった。

どうやら彼女は天使らしいな

兄貴…

俺ひとめぼれしたかも?

真実の愛ってあるのかもしれないな…と、真実の愛に目覚めたら廃嫡になってしまった兄貴を思い出し心の中で呟く俺だった。




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