【完結】真実の愛に目覚めた男達の末路

まゆら

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✽✽忘れられている男に未来はあるのか? 

「マリアさんにお客様です」

祈りの間を拭き清めていると、神官見習いの少年が慌てたように私を呼びにきた。

私に会いに来るようなヒトいたかな?

誰なんだろう?

大神殿に入ってこれるんだから変なヒトではないはずだよね?

悪しき心を持つ者は入れないようになってるからね!

◇◇◇◇◇◇

面会室で私を待っていたのは…

見知らぬ男性でした。

「お待たせしました。
私に用事があると伺いましたが…

どういったご用件でしょうか?」

「マリアさん!

私は聖騎士になる為にこちらへ来たのですが…」

「申し訳ありません。聖騎士の試験はこちらでは受けられないのです。騎士団の方へ行かなければならないのです」

このヒト何で私の名前を知ってるのかしらね?

騎士団に連絡しないとね…

「お名前を教えていただいてもよいですか?

騎士団の方へは、こちらから連絡しておきますから」

「私の名はザックだ。」

「ザックさんですね。

では、試験の予約をしておきますね。

騎士団の方に案内させますので…しばらく、お待ちいただいてもよろしいですか?」

「有難う」

マリアさん…

俺の事を覚えていないようだな…

仕方ない…出直そう…

リオン様から聞いたように、男性に興味がないというのは本当らしいな。

帝国の特殊部隊を辞めて、この国に来た事は自分にしたら人生設計を最初からやり直すレベルの決断だったんだが…

ひとめぼれした女性には全く認識されていなかったようだ。

マリアさんとの出逢いでまさか、帝国の暗部の任務を降りる事になるとは…

これまでは帝国と帝国の民を守る為に尽くしてきたけれど、これからは大神殿と大神殿に仕えるヒト達を守る聖騎士になるのだ。

その前に、試験を受けないといけないんだが…

一応、帝国の大聖女様からの推薦書があるから…

試験の結果が余程悪くない限り、合格するはずなんだが…

不安になってきたぞ。

試験に落ちたら無職になるんだよな?

不味いな…

落ちたら冒険者になるしかないな。

俺…ギルドランク何だっけ?

ギルドカードしばらく更新してないからわからんな…

試験終わったら、こっちのギルドに行ってみるか!

案内係の少年の後を歩きながらこれからの事を考えていた。

特殊部隊での仕事は全てが極秘任務な事もあり、常にピリピリしている事がほとんどだったから…

今は何だか清々しい気分だ。

全てから解放されたように…

今からの俺の人生は新しくなるのだ。

こっちで自信がついたらマリアさんに告白する予定だ。

先ずはマリアさんに名前と顔を覚えてもらわないと!

さて…

気合い入れて試験に挑むとしよう。





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