68 / 113
68
しおりを挟む
✽✽忘れられている男に未来はあるのか?
「マリアさんにお客様です」
祈りの間を拭き清めていると、神官見習いの少年が慌てたように私を呼びにきた。
私に会いに来るようなヒトいたかな?
誰なんだろう?
大神殿に入ってこれるんだから変なヒトではないはずだよね?
悪しき心を持つ者は入れないようになってるからね!
◇◇◇◇◇◇
面会室で私を待っていたのは…
見知らぬ男性でした。
「お待たせしました。
私に用事があると伺いましたが…
どういったご用件でしょうか?」
「マリアさん!
私は聖騎士になる為にこちらへ来たのですが…」
「申し訳ありません。聖騎士の試験はこちらでは受けられないのです。騎士団の方へ行かなければならないのです」
このヒト何で私の名前を知ってるのかしらね?
騎士団に連絡しないとね…
「お名前を教えていただいてもよいですか?
騎士団の方へは、こちらから連絡しておきますから」
「私の名はザックだ。」
「ザックさんですね。
では、試験の予約をしておきますね。
騎士団の方に案内させますので…しばらく、お待ちいただいてもよろしいですか?」
「有難う」
マリアさん…
俺の事を覚えていないようだな…
仕方ない…出直そう…
リオン様から聞いたように、男性に興味がないというのは本当らしいな。
帝国の特殊部隊を辞めて、この国に来た事は自分にしたら人生設計を最初からやり直すレベルの決断だったんだが…
ひとめぼれした女性には全く認識されていなかったようだ。
マリアさんとの出逢いでまさか、帝国の暗部の任務を降りる事になるとは…
これまでは帝国と帝国の民を守る為に尽くしてきたけれど、これからは大神殿と大神殿に仕えるヒト達を守る聖騎士になるのだ。
その前に、試験を受けないといけないんだが…
一応、帝国の大聖女様からの推薦書があるから…
試験の結果が余程悪くない限り、合格するはずなんだが…
不安になってきたぞ。
試験に落ちたら無職になるんだよな?
不味いな…
落ちたら冒険者になるしかないな。
俺…ギルドランク何だっけ?
ギルドカードしばらく更新してないからわからんな…
試験終わったら、こっちのギルドに行ってみるか!
案内係の少年の後を歩きながらこれからの事を考えていた。
特殊部隊での仕事は全てが極秘任務な事もあり、常にピリピリしている事がほとんどだったから…
今は何だか清々しい気分だ。
全てから解放されたように…
今からの俺の人生は新しくなるのだ。
こっちで自信がついたらマリアさんに告白する予定だ。
先ずはマリアさんに名前と顔を覚えてもらわないと!
さて…
気合い入れて試験に挑むとしよう。
「マリアさんにお客様です」
祈りの間を拭き清めていると、神官見習いの少年が慌てたように私を呼びにきた。
私に会いに来るようなヒトいたかな?
誰なんだろう?
大神殿に入ってこれるんだから変なヒトではないはずだよね?
悪しき心を持つ者は入れないようになってるからね!
◇◇◇◇◇◇
面会室で私を待っていたのは…
見知らぬ男性でした。
「お待たせしました。
私に用事があると伺いましたが…
どういったご用件でしょうか?」
「マリアさん!
私は聖騎士になる為にこちらへ来たのですが…」
「申し訳ありません。聖騎士の試験はこちらでは受けられないのです。騎士団の方へ行かなければならないのです」
このヒト何で私の名前を知ってるのかしらね?
騎士団に連絡しないとね…
「お名前を教えていただいてもよいですか?
騎士団の方へは、こちらから連絡しておきますから」
「私の名はザックだ。」
「ザックさんですね。
では、試験の予約をしておきますね。
騎士団の方に案内させますので…しばらく、お待ちいただいてもよろしいですか?」
「有難う」
マリアさん…
俺の事を覚えていないようだな…
仕方ない…出直そう…
リオン様から聞いたように、男性に興味がないというのは本当らしいな。
帝国の特殊部隊を辞めて、この国に来た事は自分にしたら人生設計を最初からやり直すレベルの決断だったんだが…
ひとめぼれした女性には全く認識されていなかったようだ。
マリアさんとの出逢いでまさか、帝国の暗部の任務を降りる事になるとは…
これまでは帝国と帝国の民を守る為に尽くしてきたけれど、これからは大神殿と大神殿に仕えるヒト達を守る聖騎士になるのだ。
その前に、試験を受けないといけないんだが…
一応、帝国の大聖女様からの推薦書があるから…
試験の結果が余程悪くない限り、合格するはずなんだが…
不安になってきたぞ。
試験に落ちたら無職になるんだよな?
不味いな…
落ちたら冒険者になるしかないな。
俺…ギルドランク何だっけ?
ギルドカードしばらく更新してないからわからんな…
試験終わったら、こっちのギルドに行ってみるか!
案内係の少年の後を歩きながらこれからの事を考えていた。
特殊部隊での仕事は全てが極秘任務な事もあり、常にピリピリしている事がほとんどだったから…
今は何だか清々しい気分だ。
全てから解放されたように…
今からの俺の人生は新しくなるのだ。
こっちで自信がついたらマリアさんに告白する予定だ。
先ずはマリアさんに名前と顔を覚えてもらわないと!
さて…
気合い入れて試験に挑むとしよう。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる