【完結】真実の愛に目覚めた男達の末路

まゆら

文字の大きさ
109 / 113

ラシュダナ語が話せません!

しおりを挟む
エリックは焦っていた。

ラシュダナ語がマスター出来ないのだ!

今日から勉強時間を増やしていくしかないと張り切って早朝からラシュダナ語の発音を頑張っていたのだが…

事務所にライラが来ないのだ。

ライラ…

とうとう私に愛想をつかしたのか?

双子であるエディアスは、前から話せたかのように流暢に話しているというのに…

私はまだ挨拶さえマトモに出来ないでいる。

ライラがいなくては、私は…

机の上に顔を伏せて悩んでいると、ライラではない事務員が声をかけてきた。

「エリック様!

どうされました?具合が悪いようなら、医師を呼びましょうか?」

「大丈夫だ!

少し疲れているだけだから、問題ない。

珈琲をいれてくれないかな?

今朝は早くからラシュダナ語の勉強をしていたのだよ…


慣れない事をするとダメだな」

「エリック様…

少し体を動かされたらいかがでしょう?

全身に血を巡らせてからの方が上手く発音出来るかもしれませんよ?

あっ…

舌のストレッチしてますか?

ラシュダナ語は、舌の動きが大切だとライラが言っておりました」

「何!

舌のストレッチだと?

私は教えてもらっていないが?」

「ライラは教えていましたよ?

エリック様がお忘れなのでは?」

もしかして…

ライラが眩しすぎて、ぼんやりして聴き逃していたのかも?

「すまない!

ロナウドを呼んでもらえないか?

舌のストレッチを教わりたい!」

エリックはライラではなく、ロナウドに習う事にしたようだ。

ロナウドなら緊張しないで、ラシュダナ語が勉強出来ると思ったからだ。

◇◇◇◇

その頃、ライラは久しぶりに王宮の図書館に来ていた。

司書をしている友人に会いに来たのだ。

エリック様推し仲間だった友人とは、彼女が結婚した事もあり疎遠になっていたのだが…

彼女の方から、たまには顔を見せて欲しいと連絡があった為会いに来てみたのだ。

彼女の休憩時間に一緒にランチをする事にして、読みたい本がないか探していると…

非番の近衛騎士団の団員から声をかけられた。

ライラが知らないだけで、ライラは案外モテるのだ。

エリック様…

早く気持ちを伝えないと!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あなたの愛はいりません

oro
恋愛
「私がそなたを愛することは無いだろう。」 初夜当日。 陛下にそう告げられた王妃、セリーヌには他に想い人がいた。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

25年の後悔の結末

専業プウタ
恋愛
結婚直前の婚約破棄。親の介護に友人と恋人の裏切り。過労で倒れていた私が見た夢は25年前に諦めた好きだった人の記憶。もう一度出会えたら私はきっと迷わない。

処理中です...