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第3章

特別な白もふ様との出逢い

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お茶の時間が終わり、宰相様から時間をもらえたらしくラハルト様が王族専用の祈りの間に案内してくれたよ。

想像してた雰囲気とはちょっと違ってこじんまりした部屋なんだけど、天井は高くて天窓から空へ上がれそうな構造になってた。

気まぐれ天使が入って来そうな大きな窓は開けると空に繋がってる階段が見えるようだ。

隅っこにある大きな椅子の上で白銀の長い毛足のもふもふがお昼寝してるんだけど…

あれは?

もふもふしていいのかな?

「気に入ったかい?この場所は基本、私かヒルダが一緒でないと他の王族は入れない聖域だよ。

君が気になるのは、もふもふかな?

お昼寝してるから、今は触らないで!

後で紹介するからね。

彼は、この国の守り神だよ。

私がアーライ神になる時に守り神になってくれた、私の使い魔なんだ。

仲良くなったら彼のブラッシング係はヒルダにやってもらおうかな」

「嬉しい!
私…リンとラムをモフろうとして叱られたので、ラハルト様にもふもふしていいペットを飼ってよいか聞こうとしてたんです」

ヒルダがあまりにも嬉しそうなので、思わずラハルトも笑ってしまったようだ。

ふたりの笑い声に、守り神様が反応したらしく

「ラハルト?珍しいな?お主がそんなに笑うなんて…おや?隣の可愛らしい娘は?

もしや、噂の婚約者なのか?

ようやく、我に紹介する気になったか」

急に起き上がり話しだしたもふもふ様にヒルダは目を真ん丸にして驚いている。

「シェルド起きたのか?

仕方ないから紹介しよう。私の大切なヒトだよ。ヒルダというのだ。

もうすぐ私の妻になるんだ。

お前の毛並みがさっきから気になるみたいだから、撫でてもよいかな?」

「よかろう。これから長い付き合いになるから宜しくヒルダ殿。

我の事は、好きなように呼べば良い。
撫でる位は構わないぞ?」

意外に気さくな守り神様に…

ヒルダは思いっきりお腹に向かってダイブした。

「わぁー。シェルド様のお腹はお日様の香りがするー。もふもふだ…もっふぅ」

腹毛を幸せそうにもふもふするヒルダを見つめるラハルトの顔がドンドン険しくなり

反対にシェルドは溶けそうな顔になってる。

ヒルダの撫で方が気に入ったらしく体からダランと力が抜けて床にお腹を上にして寝転ぶシェルドは、守り神の威厳は一切無く大きなわんこでしかない。

「シェルド!お前…初対面だぞ?

節度があるだろ?」とラハルトが嫉妬してます!

ラル兄?

嫉妬深い夫は嫌われちゃうよ?

「ねぇねぇ、シェルドは小さくなれる?可愛らしいシェルドが見たいな」

ヒルダ…早くもおねだり…

見てるラル兄の顔がヤバいから…

ヒルダ気づいて!

シェルドが子犬サイズになったので…

「ラハルト様!私、今からシェルド様とお散歩してきますわ。フェンリル様とお散歩してみたかったんです」と嬉しそうにシェルドを抱っこして祈りの間を出ていった。


呆然とするラハルトをひとり残して…

ラル兄…

口から魂出てる!

祈りの間に、ラハルトを呼びに来たミリアが事情を聞いて慰めていたとか、いないとか…

良くも悪くも天真爛漫なヒルダなのでした。

ライバルが、自分の使い魔だとは…とひとり嘆くラル兄なのでした。

続きは次回に!


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