一応王女です

まゆら

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 グラント王の独り言

私の名は、アレクサンドロス。親しき者からはアレクと呼ばれている。四方を海に囲まれたグラント王国で、望まないのに国王になり、ため息の毎日だ。


 私には、兄が二人いたので第三王子である私が王になるなんて全く考えていなかったのだ。


 兄のどちらかが即位して、後継者が育ったら臣下に下って兄を支えようと気楽に考えていたのだ。


 それが…長兄が流行病に罹って亡くなった後、次兄が医者になると言い医療大国であるサルサラ皇国に留学してしまい、国に残された私が王太子になるしかない未来が見えてきた。


 父王は若いので、まだ玉座は遠いからそれまでに次兄が戻ってきて次期王になってくれないかと淡い期待を抱いていたのだが、兄はサルサラの高位貴族の令嬢と恋に落ちてサルサラで結婚し、こちらに帰ってくるつもりは無いから王位継承権を放棄すると言ってきたのだ。


 それで、私は自分が期待されないように、学園から帰ると魔道具研究に没頭する毎日を送っていた。父王には、優秀な弟が二人いるからその内の一人を次期王にしたらいいじゃないか?と私は気楽に考えていたのだ。


 王になりたくないなら、自分からハッキリと伝えていたら良かったのだろうけど、私が何の意思表示もしなかった為に悲劇が起こってしまうのだ。


 王太子不在の期間が数年続いた事からグラント王国の次期王に誰がふさわしいのかと考えさせられた貴族達の中で、私を推す派閥と王弟を推す派閥が生まれ、やがて内乱が勃発し…


 父王と2人の王弟が亡くなり、私は学園に通いながらグラントの国王になった。国王になる器を持たない私が国王になった事で国が混乱しないように、友好国であるジュビア王国とアーライ神国から支援を受けながら何とか国を治めている次第だ。


 出来れば誰かに国王になって貰いたいという思いは未だ消えていない。こんな無責任な私が国を纏めるなんて無理に決まっているのだから…


 今も、難しい事は父の友人だった宰相に丸投げしている。私は、名前だけの王なのだ。


 宰相は、私の妻であるシャロンの父なので安心して国政をお任せしている。外交に関しては、ジュビア王国の貴族と血縁関係にある実母の王太后様に一任している。いずれは、外国語が堪能で社交が得意な妻のシャロンに外交を任せる予定でいる。


 私は、跡継ぎの王子が生まれて成人したら退位して大好きな魔道具作り三昧の毎日を送りたいのだ。


 その為にも、シャロンには男児を産んでもらわなければ…それというのも、グラントの王族の女性に王位継承権がないからなのだ。女性に王位継承権があれば、母上に女王になってもらいたかった。


 今からでも法律を変えて、女性にも王位継承権を与えたらよいのに…とあなたは考えるかもしれないけれど、王ひとりだけの意見で法律は変えられないのでね。


 しかも、私みたいに全くカリスマ性のない王の意見は誰も聞いてくれないってもんなんだ。国王って…あんまり楽しいもんじゃないんだよ。


 私みたいに権力に興味がない男には…


 国王になりたくなかったアレクさんの愚痴回になってしまいました。


次回は、ユーレリアが登場するはず…



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