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退屈な入学式も終わったので速攻で帰ろうとしていたアイラだが、面倒な集団に捕まったようだ。


「ちょっとそこのあなた!

あなたの事よ。ピンク頭の男爵令嬢さん!」


帰る前にうっかり認識阻害の魔法を解いたアイラは面倒なお嬢様方に捕まったようだ。


どうするアイラ!


アイラは、認識阻害と悪意を防ぐ結界を張り直した後、お嬢様方の記憶をちょっとだけ消去して無事に帰宅した。


髪の毛がピンクの男爵令嬢イコールお花畑ヒロインだと思っているのかしらね?


めんどくさいなぁ…


王族は後から座ってきたんだから、私のせいじゃないのに…


窓際の後ろの席は気に入ってるから、代わりたくないし…


また、絡んできたら潰すか…


とりあえず、おじ様に報告しとくかなぁ。

自分で手を下すのも面倒だし…


ところでさっき声かけて来た金髪ドリル誰なんだろ?


同じクラスにいたのかなぁ?


うちの顧客ならあんな悪趣味な髪型とメイクはしないよね?


おじ様には、金髪ドリルで娼婦みたいなメイクの令嬢率いる垢抜けない軍団に因縁をつけられそうになったので、相手方の記憶を消して逃げましたと書いた紙を伝書蝶に託す事にした。


そうだ!魔力がなくても相手の居場所が分かれば手紙を出せるレターセットを売店で売り出そう。


面倒事にならないように受け取り拒否機能をつけてもらわないと!


母様に連絡してみるか…


アイラは、既に金髪ドリル軍団の事は忘れてしまったようだ。


髪と瞳の色を変えてマイヤーズ商会に向かうアイラは、既にマリールウモードだ。


制服のままも微妙よね。


マリールウになったアイラは、アイテムボックスを開いてマイヤーズ商会の制服を押した。


次の瞬間、マリールウはマイヤーズ商会の制服を身につけていた。


彼女の魔法は色々と桁外れでツッコミどころ満載なのだ。


天才魔導師である母に幼少期からビシバシ鍛えられた成果なのかもしれない。


マイヤーズ商会に入ろうとしたマリールウは、店の前でウロウロしている男女を見かけた。


何で入らないのかしらね?


もしや…うちの商会に悪意を持っているから入口が見えなくて入る事が出来ないのかしら?


ちょっと気になるわね…


マリールウは、影の者に指示を出しふたりの素性を探らせたのだった。


悪意がある者と無い者が一緒に来た場合はどうなるのかしらね?


マリールウは、裏口から店に入り隠し扉から店長室に入ると顧客名簿のチェックを始めた。


クラスメイトでマイヤーズ商会にお金を落としてくれそうな人物の洗い出しをするのだ。


売店で新たに売り出す商品をリストアップする。


休日には店の前に移動式屋台を置いてカップ入りのフレンチトーストやチュロスを売るのも良いかもねぇ…


フレンチトーストは仕込みが大変だからチュロスからやってみようかしら…


問題は移動式屋台が、いつ出来上がるかよねぇ。


母様に確認しないと…


マリールウは、ザイラスが迎えにくるまでずっと仕事に没頭していたのだった。





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