ピンク頭で男爵令嬢だからと言って勝手にお花畑ヒロインだと決めつけないで下さい

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準備が整ったアイラは、日焼け止め、マッサージオイル、ヘアケア商品の売り込みをサポート出来そうな侍女をエリに厳選させた。


商会からは、高位貴族の顧客担当の見目麗しい男性従業員を数名連れて行く事にした。


「さぁ、皆の者！

今から戦場へ行くわよ！

未来の王妃様最有力候補であるパルミラ様に、うちの商会を気に入ってもらう為に全力勝負で行くわよ。

王太子派は全て今日からうちの太客になってもらうから、そのつもりで勝ちに行くわよ？」


「「「「「「おーっ！」」」」」」


みんなの気持ちが高まったところで、トワイエ公爵家のタウンハウスへ向かう。


閑静な住宅街を最新式の馬車が走る。


どこが最新式かと言うと…長時間乗っていても体に負担がかからず快適な旅が出来るとだけ伝えておこう。


ひと言で言うなら、お尻が痛くならない馬車である。

トワイエ公爵家には、アイラたちの到着を待ちかねている高貴なご婦人が…


「アンナ、私を招いてくれてありがとう。


陛下の弱みを握っている宰相だからこそ出来るお願いだったわよね。

マイヤーズ商会の娘って事は、あのロザリー様の娘なのよね？

どんな娘か気になるわ…

それに、マイヤーズ商会の新商品が気になって仕方ないのよ。

マリーベルブランドのアクセサリーを手に入れたいのよ。

この前、アーライに嫁いだ妹に自慢されたから悔しくて…

マイヤーズ商会は、王国の商会じゃなかったかしら？

姉様は流行には、興味がないのねって言われたのよ？

マリーベルは一点物しか作らないし…

予約も1年半待ちとか聞いてるから…

今日は、何としてでもマリーベルのアクセサリーを注文したいのよ。

アンナにも、私の悔しさがわかるでしょ？

アーライのファッションリーダー気取りの妹をギャフンと言わせたいのよ！」


高貴なご婦人は、荒ぶっていた。


里帰りしていた妹からマリーベルの指輪を自慢されたらしいのだ。


王国では、老舗の商会が王家専属となっている事もあり、マイヤーズ商会とは表立って取り引きはしていないのである。


その為、王妃様を始めとする王族の方々は流行に乗り遅れがちなのだ。


妹にマウントを取られた王妃様は、王国のファッションリーダーとして名高く、マイヤーズ商会の上客である親友のアンナ様にお茶会を開催してマイヤーズ商会の娘であるアイラを招待する事をお願いしたのである。


お忍びで王妃様が来ているとの情報をトワイエ公爵家に入る前に入手したアイラたちは、特に動揺する事はなかった。


「アンナ様が、マリー様と言って紹介してくる方が王妃様だからね。

ガンガン新商品を売り込んでいくわよ？

王妃様専属になれば、王宮内に支店を今年中に出せるわ！

王妃様は可愛い系男子がお好みだと聞いているから、マリウスが担当してね！

アンナ様の担当は、ジュビア出身のシドに任せるからお願いね。

パルミラ様達には、私が美容グッズを売り込むから王妃様とアンナ様には、宝石とドレスと最新のスイーツを売り込むのよ」


アイラたちは、王家専属商会の座を勝ち取る為に…


トワイエ公爵家の門をくぐったのだ。