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第二部第一章ⅩⅤ
雪乃~初デート~
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「翔さーん!」
雪乃が人混みの中、
翔の姿を見つけ走り寄ってくる。
今日は雪乃とデートを
約束していた日であった。
「雪乃ちゃん!
そんな、走ってこなくても…。
まだ約束の時間になって無いんだから」
慌てて走ってきた雪乃に話しかける翔。
「ハァ、ハァ。
だって…翔さんも…早く来ているじゃ、
ないですか?……ハァ」
「ああ…。
なんか早く目が覚めちまって」
二人が会った時間は約束の時間の
三十分前であった。
「ふふふっ、翔さんもですか?
あたしも早く起きちゃったんです」
思わず笑い出す二人。
「とりあえず映画まで時間も有るし、
その辺でお茶でもしますか?」
「はいっ!」
翔の提案に明るく答える雪乃であった。
・
・
・
「コーヒーをアメリカンで…
雪乃ちゃんは?」
「あっ、あたし…紅茶を…
あっ、ミルクティーでお願いします」
映画館の近くにあった
コーヒーチェーン店に入り、
飲み物を注文する二人。
スマホで支払ったあと商品を受け取り
開いている窓際の席に座る。
「どうしたの雪乃ちゃん? さっきから
落ち着かないみたいだけど?」
「あたし…男の人と二人っきりで
コーヒーショップに入るの初めて
なんです。そもそも父親とはこういう
お店に来たことないし…。母と来ると
喫茶店っぽいところになっちゃうし。
…それで…その…なんか…
緊張しちゃって…」
雪乃は初めてのデートに
かなり緊張している様子だった。
「でも…翔さん。…ずるい!」
「何が?」
「だって…あたしが、こんなに
緊張しているのに、翔さん…
普通にしているから…」
雪乃は少し、ふてくされたように
言ってきた。
「俺だって…緊張してるさ!
…ただ…表面にださないだけで…」
翔はコーヒーを持ち上げ口に含んだ。
「ほんとですか?…でも、翔さんって
遊んでそうだし…。
こういう店も馴れてるみたいだし…
女の子ともたくさん…
付き合ってみたいだし…」
紅茶を口に入れながら…呟くように
話す雪乃であった。
少し表情も拗ねている様に見える。
「ひでーな…雪乃ちゃん!
遊んでそう…って…こう見えても
俺は女の子とまともにデートするの
雪乃ちゃんで二人目だぜ?」
「うそ! だって…翔さんこんなに
カッコイイのに…あっ!」
自分のセリフに思わず口を押さえ、
真っ赤になる雪乃であった。
(いかん…なにか話題を変えないと)
「そういえば雪乃ちゃん。お父さんとも
こういうお店に来た事ないって言って
いたけど、お父さんってそんなに固い
人なの?もしかして外食とかお酒の店
とか全くいかない人なのかな?」
「いえ、外食もよくしますし、お酒飲む
ところとかは仕事でよく行くみたい
ですけど、コーヒーショップみたいな
人の行き交う場所は苦手みたいで…」
「へぇ~そうだったのか…」
「今日もあたしが翔さんと映画行くって
知って、デートについてくるって煩く
そ、それであたし、早めに家を出て…
尾行を撒いて来たんです。ホントに…
イヤになっちゃう…」
「そ、それは普通に娘の事を心配して、
可愛い娘に悪い虫が就かないように
って…お父さんは思ったんじゃ…」
「わ、悪い虫って翔さんは、悪い虫
なんかじゃないです!翔さんは
こんなに優しいのに…」
「アハハハ…ありがと…。
でも、本当だよ!
お父さんにとっては雪乃ちゃんは
とっても大事な娘なんだね?
俺も妹がいるから…何となく解る」
「えっ翔さん。妹がいるんですか?
今何歳なんですか?」
「3歳なるところかな?」
「訳あって身近な女の子は親以外は
妹だったしね?
ジュニアハイスクールに入学して後も
言葉のハンディキャップが高かったし
ハイスクール位からかな、
普通に女の子達と会話したの…でも
デートに誘うとか二人っきりで遊ぶ
とかは一切なかったなぁ…」
「えっ本当ですか?」
「本当だよ。今までずっと好きな子が
いたし…片思いだけど…。
後は音楽が恋人状態!だった」
「えっ!翔さん?
好きな人がいるんですか?」
「いるよ…。ただ…その子は俺のこと
なんて、これっぽっちも思って
くれてない。まあ、その子の側に…
いられるだけで…今は…幸せかな?」
「翔さん…?
あたしも…解る…その気持ち。
とにかく、近くにいられるだけで…
いいんですよね?」
少し寂しそうに話してくる翔に、
同意する雪乃であった。
「そう。それでいいんだ。
それに、その子と付き合ってないから、
雪乃ちゃんとこうして、デート出きる
わけだし。その方が、俺は幸せだ。」
「ふふふ。やだな…翔さんたら。
やっぱり…口が上手いんだ…うふふ」
場を和ませようと陽気に話す翔に
つられて、笑い出す雪乃だった。
「じゃあ…。そろそろ…行こうか?」
喫茶店を出て映画館に入っていく二人。
「やっぱり…緊張しますね?」
「雪乃ちゃん?」
席に並んで座り、翔の手に触れそうに
なるとビクッ!とする雪乃は、翔の顔
を見て話しかけてくる。
翔は雪乃の手を握りしめる。
「!? 翔さん…?」
驚く雪乃に翔は笑いながら話しかける。
「雪乃ちゃんが緊張しないように…
おまじない。こうして俺の手に
触れていれば大丈夫だろ?」
「…はい」
雪乃は照れながら、
翔の手を握り返してきた。
・
・
・
映画は恋人同士が死に別れる少し悲しい
ラブストーリーの映画であった。
「………グスッ……」
クライマックスで泣きだしている雪乃。
「………」
(スクリーンに映してる映写機の光が
雪乃の横顔を照らし出している…
目に涙をためながら真剣に見ている
雪乃…は涙が…キラキラと光って…
とっても…綺麗だ……)
翔は泣いている雪乃の横顔を
黙ってみていた。
映画が終わった後、みんなが席を
立ちだしても、雪乃が泣き終わるまで
その手を黙って握りしめている翔であった。
雪乃が落ち着いた頃、その手を握り
しめたまま黙って席を立つ翔。
雪乃も黙って翔の後を付いていった。
「翔さん…。あたし…その……あの……」
「いい映画だったね…」
「はい…」
「とりあえず、食事にでも行こうか?」
「はい…」
俯きながら話しかけてくる雪乃。
翔はそんな雪乃を食事に誘う。
そして、そのまま映画館を出て、
最上階にあるレストランに向かった。
窓側の席に座り、しばらくすると
雪乃が話しかけてきた。
「ごめんなさい翔さん。
あたし…めちゃくちゃ恥ずかしい…」
雪乃はさっき泣いていた事が
恥ずかしいらしい。
「いいんだよ…雪乃ちゃん。
映画を見て、泣きたいときに泣ければ。
俺はそういう子の方が好きだな!」
「翔さん…」
翔の『好き!』と言う言葉に、
思わず反応して紅くなる雪乃であった。
「でも、面白い映画だったね?」
それから二人は食事を取りながら、
映画の話に盛り上がったのだった。
・
・
・
雪乃が人混みの中、
翔の姿を見つけ走り寄ってくる。
今日は雪乃とデートを
約束していた日であった。
「雪乃ちゃん!
そんな、走ってこなくても…。
まだ約束の時間になって無いんだから」
慌てて走ってきた雪乃に話しかける翔。
「ハァ、ハァ。
だって…翔さんも…早く来ているじゃ、
ないですか?……ハァ」
「ああ…。
なんか早く目が覚めちまって」
二人が会った時間は約束の時間の
三十分前であった。
「ふふふっ、翔さんもですか?
あたしも早く起きちゃったんです」
思わず笑い出す二人。
「とりあえず映画まで時間も有るし、
その辺でお茶でもしますか?」
「はいっ!」
翔の提案に明るく答える雪乃であった。
・
・
・
「コーヒーをアメリカンで…
雪乃ちゃんは?」
「あっ、あたし…紅茶を…
あっ、ミルクティーでお願いします」
映画館の近くにあった
コーヒーチェーン店に入り、
飲み物を注文する二人。
スマホで支払ったあと商品を受け取り
開いている窓際の席に座る。
「どうしたの雪乃ちゃん? さっきから
落ち着かないみたいだけど?」
「あたし…男の人と二人っきりで
コーヒーショップに入るの初めて
なんです。そもそも父親とはこういう
お店に来たことないし…。母と来ると
喫茶店っぽいところになっちゃうし。
…それで…その…なんか…
緊張しちゃって…」
雪乃は初めてのデートに
かなり緊張している様子だった。
「でも…翔さん。…ずるい!」
「何が?」
「だって…あたしが、こんなに
緊張しているのに、翔さん…
普通にしているから…」
雪乃は少し、ふてくされたように
言ってきた。
「俺だって…緊張してるさ!
…ただ…表面にださないだけで…」
翔はコーヒーを持ち上げ口に含んだ。
「ほんとですか?…でも、翔さんって
遊んでそうだし…。
こういう店も馴れてるみたいだし…
女の子ともたくさん…
付き合ってみたいだし…」
紅茶を口に入れながら…呟くように
話す雪乃であった。
少し表情も拗ねている様に見える。
「ひでーな…雪乃ちゃん!
遊んでそう…って…こう見えても
俺は女の子とまともにデートするの
雪乃ちゃんで二人目だぜ?」
「うそ! だって…翔さんこんなに
カッコイイのに…あっ!」
自分のセリフに思わず口を押さえ、
真っ赤になる雪乃であった。
(いかん…なにか話題を変えないと)
「そういえば雪乃ちゃん。お父さんとも
こういうお店に来た事ないって言って
いたけど、お父さんってそんなに固い
人なの?もしかして外食とかお酒の店
とか全くいかない人なのかな?」
「いえ、外食もよくしますし、お酒飲む
ところとかは仕事でよく行くみたい
ですけど、コーヒーショップみたいな
人の行き交う場所は苦手みたいで…」
「へぇ~そうだったのか…」
「今日もあたしが翔さんと映画行くって
知って、デートについてくるって煩く
そ、それであたし、早めに家を出て…
尾行を撒いて来たんです。ホントに…
イヤになっちゃう…」
「そ、それは普通に娘の事を心配して、
可愛い娘に悪い虫が就かないように
って…お父さんは思ったんじゃ…」
「わ、悪い虫って翔さんは、悪い虫
なんかじゃないです!翔さんは
こんなに優しいのに…」
「アハハハ…ありがと…。
でも、本当だよ!
お父さんにとっては雪乃ちゃんは
とっても大事な娘なんだね?
俺も妹がいるから…何となく解る」
「えっ翔さん。妹がいるんですか?
今何歳なんですか?」
「3歳なるところかな?」
「訳あって身近な女の子は親以外は
妹だったしね?
ジュニアハイスクールに入学して後も
言葉のハンディキャップが高かったし
ハイスクール位からかな、
普通に女の子達と会話したの…でも
デートに誘うとか二人っきりで遊ぶ
とかは一切なかったなぁ…」
「えっ本当ですか?」
「本当だよ。今までずっと好きな子が
いたし…片思いだけど…。
後は音楽が恋人状態!だった」
「えっ!翔さん?
好きな人がいるんですか?」
「いるよ…。ただ…その子は俺のこと
なんて、これっぽっちも思って
くれてない。まあ、その子の側に…
いられるだけで…今は…幸せかな?」
「翔さん…?
あたしも…解る…その気持ち。
とにかく、近くにいられるだけで…
いいんですよね?」
少し寂しそうに話してくる翔に、
同意する雪乃であった。
「そう。それでいいんだ。
それに、その子と付き合ってないから、
雪乃ちゃんとこうして、デート出きる
わけだし。その方が、俺は幸せだ。」
「ふふふ。やだな…翔さんたら。
やっぱり…口が上手いんだ…うふふ」
場を和ませようと陽気に話す翔に
つられて、笑い出す雪乃だった。
「じゃあ…。そろそろ…行こうか?」
喫茶店を出て映画館に入っていく二人。
「やっぱり…緊張しますね?」
「雪乃ちゃん?」
席に並んで座り、翔の手に触れそうに
なるとビクッ!とする雪乃は、翔の顔
を見て話しかけてくる。
翔は雪乃の手を握りしめる。
「!? 翔さん…?」
驚く雪乃に翔は笑いながら話しかける。
「雪乃ちゃんが緊張しないように…
おまじない。こうして俺の手に
触れていれば大丈夫だろ?」
「…はい」
雪乃は照れながら、
翔の手を握り返してきた。
・
・
・
映画は恋人同士が死に別れる少し悲しい
ラブストーリーの映画であった。
「………グスッ……」
クライマックスで泣きだしている雪乃。
「………」
(スクリーンに映してる映写機の光が
雪乃の横顔を照らし出している…
目に涙をためながら真剣に見ている
雪乃…は涙が…キラキラと光って…
とっても…綺麗だ……)
翔は泣いている雪乃の横顔を
黙ってみていた。
映画が終わった後、みんなが席を
立ちだしても、雪乃が泣き終わるまで
その手を黙って握りしめている翔であった。
雪乃が落ち着いた頃、その手を握り
しめたまま黙って席を立つ翔。
雪乃も黙って翔の後を付いていった。
「翔さん…。あたし…その……あの……」
「いい映画だったね…」
「はい…」
「とりあえず、食事にでも行こうか?」
「はい…」
俯きながら話しかけてくる雪乃。
翔はそんな雪乃を食事に誘う。
そして、そのまま映画館を出て、
最上階にあるレストランに向かった。
窓側の席に座り、しばらくすると
雪乃が話しかけてきた。
「ごめんなさい翔さん。
あたし…めちゃくちゃ恥ずかしい…」
雪乃はさっき泣いていた事が
恥ずかしいらしい。
「いいんだよ…雪乃ちゃん。
映画を見て、泣きたいときに泣ければ。
俺はそういう子の方が好きだな!」
「翔さん…」
翔の『好き!』と言う言葉に、
思わず反応して紅くなる雪乃であった。
「でも、面白い映画だったね?」
それから二人は食事を取りながら、
映画の話に盛り上がったのだった。
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