聴かせてよ愛の歌を…翔と華那恵のラブストーリー

かのん

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第二部第一章ⅡⅩ

 体育祭Ⅶ~体育祭開催なんです!~

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 ドーン!ドーン!

五月晴れの快晴の中、数発の花火が上がる。

龍神学園体育祭が始まった。

眩しいまでの陽射しが降り注ぐ。

ぽかぽかの陽気のおかげで、なにも
しなくても気持ちが明るくなる
気がする翔であった。

「う~ん、気持ちいいねぇ。
 やっぱ体育祭は晴れの日に限るよ」

「いよっ!」

「おす」

翔がグランドに設置された応援席に座って
空を眺めていると、ハイテンションな伸が
声を掛けてきた。

「いいね~いいね~体育祭。最高だぁ」

「伸…いくら気分よくてもテンション
 高すぎるんじゃねー?」

「バカ。なに言ってんだおまえ。
 ここで盛り上がらないでいつ盛り上げる
 ってんだ」

「だけど、
 そんなことじゃ最後までもたないぞ」

「ちっちっち。甘いな高村くん」

「な……なにが?」

「いいか翔。体育祭といえば学生の本分
 っていえるほど重要なものだ」

「本分は勉強だろ?」

「……まだ突っ込むところじゃない。
 見たまえこの素晴らしき光景を」

「?」

伸が大袈裟な手振りでトラック脇で
準備運動をしている女生徒達を指差す。

「熟れた果実が、体操服という衣を
 身にまとい、 はちきれんばかりに
 躍動しているではないか。
 実にいい……。
 う~ん、マーベラァスッ!」

「叫ぶな叫ぶな。一緒に変態と思われる」

「そこで俺はある計画を考えたわけだ。
 しかも構想に10年も費やすほどの」

「じゅ、10年?」

「ああ。驚くなよ。
 すんごい壮大なテーマで、
 かつ、実用的な計画だぜ」

伸がニヤリと笑いながら自慢げに
話してくるが、
翔は呆れ顔でそれを黙って見つめる。

「………………」

「聞きたい?」

「いや、なんとなくわかるからいい」

話したくてうずうずしている様子を
隠そうとしない伸に翔はそっけなく
否を唱える。

その翔の返事を聞いて、
泣きながら頼み込んでくる伸。

「そんな~。
 頼むから聞いてくださいよ~
 お代官さまぁ……
 えぐえぐ」

「……泣くなよ。で?」

「わははっ。よくぞ聞いてくれた。
 題して
 『体育祭であの子のハートをゲッチュー。
  よりどりみどり大作戦!』だっ」

「…………そのまんまやんけ」

「なにおぉぉぉっ!?」

「どうせ、体育祭で活躍すれば、
 これだけ女の子がいるんだから
 一人ぐらいはなびくだろうって
 魂胆なんだろ?
 んで、あわよくばハーレム状態?」

「ぐっ……」

「当たりってわけね」

「翔…きさま…なかなかやるじゃないか」

「わかるっつーの。大丈夫かよ伸。
 おまえ、ターゲット絞ったほうが
 いいんじゃない?」

翔は伸の作戦を聞いて呆れながら
自分の思ったことを伝えた。

それを聞いて驚く伸。

「!?」

「みんなに、
 いいとこ見せようとしても無駄。
 こういうときこそ一人を狙うんだよ。
 そのほうが確実だし、効果がでかいぜ?」

「そ、そうか?」

「一点集中。これだね。そんで、女の子に
 『ああっ、伸くんてあたしのために
  あんなに頑張ってくれてるんだわぁ~』
  って思わせるんだ」

「……ほほう」

「そうすればもう、
 バラ色の学園生活はキミのもの」

「よしっ、のったぁっ!」

「は?」

「すげえぇな翔!恐れ入ったよ。
 おまえのこと、師匠って呼んでいい?」

「な……なに言って」

「そうと決まればこんなこと
 してられねえ。じゃあな師匠、
 俺はもう行くぜ」

「おい、構想10年の壮大な計画は?」

「そんなもん、おまえにくれてやる。
 どうせさっき考えたことだから」

「…………」

「さぁ~て誰を狙っちゃおうかな~~。
 華那恵ちゃん? 史絵ちゃん?
 瑠璃ちゃん? 菜緒ちゃん?
 夏美ちゃん? いやいや待てよぉ」

「し…伸?」

「今日子ちゃん? 啓子ちゃん?
 好美ちゃん? 祥子ちゃん?
 尚美ちゃん? 由利ちゃん?
 千秋ちゃん? 奈々ちゃん?
 真弓ちゃん? 瑞希ちゃん?」

「あいつ……絞りきれるのかよ」

翔は心配になりながら、
スキップして去っていく伸を見送った。




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